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寄与率(きよりつ)

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    わかっちゃう! 知的財産用語    No.258

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こんにちは!  わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。


 ☆ 本日の知的財産用語


寄与率(きよりつ)]

 特許や意匠などの知的財産が、製品・商品の価値等に対して ど
の程度 貢献したかを示す割合のことです。


(1)
 発明や意匠などは、いろいろな製品に用いられますが、その製品
の価値(例えば販売価格や利益額等)に対して、発明や意匠などの
知的財産がどの程度の割合で貢献しているのか検討しなくてはなら
ない場合があります。


 例えば職務発明の対価を計算する際にも使うことがありますし、
権利侵害時の損害額を算出する際に用いられる場合もあります。


 また権利譲渡や実施許諾などの際に、権利の価値を検討するため
に用いられることもあると思います。



(2)
 正直言って、「寄与率」を決めることは とても難しいです。


 例えば、ある特許発明を使った商品が売れたとして、売れた原因
は色々考えられます。

  「その特許発明が素晴らしいから売れた」

  「企業イメージで売れた」

  「発明以外の部分の性能で売れた」

  「デザインが良いので売れた」

  「安いから売れた」

  「営業マンの努力で売れた」

  「広告で売れた」

  「人気タレントが使っているから売れた」

などの複数の要因が複雑に関係してきます。


 それを「この発明の寄与率は*%」のように具体的な数値で決め
ることは容易ではありません。


 一般的にはいくつかの評価項目を決めて、各項目毎にポイントを
検討することにより 寄与率を決めることになります。


 しかし何を「貢献」と考えるか(何を評価項目とするか)や、各
評価項目のウエイトのおき方によって寄与率は変わって来ます。


 また、寄与率を 何の目的のために用いるかによっても変わって
くるでしょう。例えば、職務発明の対価計算に使うのか、損害額の
計算に使うのかでは 変わってくるはずです。



(3)
 更に1つの製品に複数の知的財産権が利用されている場合があり
ます。


 例えば、1台の機器に3つの特許発明と、1つの登録意匠が使わ
れているようなことはよくあることです。


 そうなると、知的財産権の貢献度合を各権利毎に検討しなくて
はならず、話が複雑になります。


(4)
 職務発明の場合、「寄与率の算出方法」が予め労使間の話し合い
で合意できている場合は、客観性は高まるので、それに正しくあて
はめて求めれば 「不当に低く評価された」というような不満は少
なくなると思います。


      ☆              ☆

[関連事項と経験談]

(1)
 一度決めた寄与率の算出方法であっても、時代や環境を考慮して
現状にそぐわないと思われれば適宜 変更していく必要はあると思
います。



(2)
 職務発明の対価を検討する際に、所定の計算通りだと対価が高額
すぎて負担が大きいと判断された場合、「寄与率を 下げて調整し
よう(安価にしよう)」とする企業があるという話を聞いたことが
あります。


 つまり「寄与率」を本来の目的ではなく、対価の計算結果が 一
見客観的であるかのように見せかけつつ減額するためのツールとし
て用いていることになります。そうなると 実質的に「調整率」で
あり、もはや「寄与率」とは呼べないように思います。


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 「わかっちゃう! 知的財産用語」

  発行   西川特許事務所 ( http://www.jpat.net/
       兵庫県西宮市東山台3丁目9-17  
       電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821 
  発行人  弁理士 西川 幸慶  pat@jpat.net
   
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  (C) 2010 Nishikawa Yukiyoshi 
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[編集後記]

 上記で紹介した「ナッちゃん」というコミック
 http://tinyurl.com/295g4qk

は、一時期、絶版となり 高額のプレミアがついていたました。入
手困難で、ここ数年ずっと「読みたい本」のリストに入れていたの
ですが、最近 再販され やっと読むことができました。

 舞台は鉄工所や小企業の工場です。主人公が機械に関係する難問
を解決していきます。「工夫する」ことの大切さ、おもしろさが伝
わってきます。

 製造業の方はもちろん、研究・開発担当者にもおすすめです。ま
た、お客さんとの信頼という点では、個人事業主にも是非 読んで
いただきたいです。

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