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設計段階でのコスト・ダウンのあり方

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経営テクノ研究所
2014年4月7日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★設計段階でのコスト・ダウンのあり方
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★設計段階でのコスト・ダウンのあり方
1.設計段階で製品コストの60%以上が決まる
 製品コストは、その60%以上が設計段階で決まってしまいます。材料費
については材質、形状、寸法が決まり、外注部品、購入部品も仕様が決めら
れ、また、図面でも形状、精度を指定すれば、材質別に加工方法も自然に決
まってしまいます。

 製品構造についても、プレス構造にするか、鋳物構造にするかは設計段階
で決められます。とすれば、あとは購買でいかに安く買うか、製造では、歩
留と能率をいかに上げるか、という点にしかコスト・ダウンの余地ないこと
になります。

 これは、若干オーバーな表現ですが、現場改善をやった者なら設計変更し
なければ大きなコスト・ダウンができにくいことはみんな経験していること
です。また、改善に伴う費用という面からしても、設計段階での改善がいち
ばん安上がりです。

2VEによる機能を追求せよ
 一度、量産に入ってからでは、設計変更に伴って発生す旧式化損失、型・
治具などの埋没コスト損失、手配費用、標準などの変更費用、試作・テスト
費用、さらにカタログ変更日、部品品種が増えることによる損失など、事後
設計変更費用はバカにならない額にのぼります。

 このような事情がVE(Value Engineering=価値工学)志向へ転換さ
せた大きな要因となったのです。VEの特色は、徹底した機能(働き)追求
を志向する改善技法であるということです。

(1)VEとは
●求める水準の機能(働き)を、最低の資源コストで達成するために、
●単にコストそのものの引下げとか、品質そのものの向上とかを一方的に考
 えるのではなく、
                     目的状況評価
●考えられる各種水準の機能(働き)×満足性評価=──────── 
                     手段経済評価
という形で得られる二つ以上の「価値」を、まず算出し、
●これを相互に比較検討することにより、
●より高い製品価値(プロダクト・バリュー)を求める、
●機能(働き)追求志向の科学的改善技法であり、
●しかもこれを1部門だけの観点からではなく、全社的に、ときには外注工
 場・資材納入業者・その他の関係会社をも含めた総合的組織活動の展開を
 通じて行うトータル管理技法です。

(2)部品機能の徹底的追及をせよ
 VEの上で最もひんぱんに出てくる機能分類を示すと、まず、使用目的区
分からみて、ワークファンクション(本来固有的機能)とセルファンクション
(魅力的付加機能)とに分けられます。

 ある製品を作るための部品などのVEでは、まず、ワークファンクション
を追求することが大切になります。ぜい肉は不要というわけです。

 特に、設計段階において部品の機能を徹底的に追及することによって材料
面、加工面での最適方法をみいだそうとするものです。次に掲げた「部品機
能の追及のためのチェック・リスト」も参考にして、部品機能の追及を行う
ようにします。

●その部品は必要か、なくす手段はないか
●表面粗さと公差はきびしすぎないか
●もう少し安上がりな仕上げですまされないか
●指定した仕上記号はなくせないか
●その部品のもつ性能が全部必要か
●代用品は考えられないか
●加工はやりやすいか、形状は簡単か
●材料の固有のメンで仕上面にかえられないか
●同時切削ができないか
●プレス化ができないか
●材質、粗形状の変更で加工を簡単にできないか
●標準品、規格品、市販品で間にあわないか
●生産数量に対し製造方法は適切か
●自製と購入とどちらが安いか
●そのメーカーより安いところはないか

3.設計者は十分な知識を持て
 コスト・ダウンは、コストを知ることから始まります。コストを知るとい
うことは、材質、寸法別の材料費だけでなく、さらに材料費にエキストラを
追加すると材料費が、どう変わるかまで知っている必要があります。

 加工・組立技術について、日本の設計者は以外に知らないことが多いのも
事実です。それは、日本の企業で設計者の育て方が、現場経験をさせずに設
計畑一筋ということにあります。

 自分が設計した部品が、どういう工程で加工されているのか知らないとい
うことも少なくありません。そのために、加工しにくい形状のものを設計し
たり、余分の工数を必要とする組立構造にしたりすることが、以外に多く見
受けられます。

 これを是正するためには、設計者に現場でのOJTとIE教育(別途説明)
くらいは十分やる必要があります。

4.標準化チェックを徹底せよ
 標準化は、場合によってはコストが2分の1から3分の1も減少するほど
の効果を発揮するものです。したがって、各企業とも、その必要性を感じて
はいますが、仕事自体が地味なことや、設計者自身も片手間的にしか行って
いないことから、標準化の活用がなされていないことが多いのです。

 これは、長い目でみれば大きな損失です。そこで、標準化を協力に推進し
ていくために、標準化の専門グループや標準化専門担当者を設けて、標準化
が決められた部品については、それを完全に使っているかどうかの検図をや
らせるようにするのです。

 すべての図面について、このようなチェックを受けなければ現場に出さな
いようにします。このようにまでしなければ標準化の徹底は、お題目に終わ
ってしまうことは明らかです。

5.実用本位のコスト・テーブルを作成せよ
 設計段階でVE活動を行う際に、コストに関する情報を与えるものがコス
ト・テーブルです。

 つまり、部品の機能追及の結果であるアイデアを、カネという尺度で正し
く評価したり、判断の基準を提供したり、あるいは逆にコスト・テーブルか
ら新材料・新製法・新機能機構・新設計アイデアを引き出すヒントを提供し
たりする機能を果たすVE活動には不可欠のツールなのです。

 むしろ、設計段階における部品機能の徹底追及プラス、コスト・テーブル
の活用こそ、VEなりといってもよいほどのものです。

 それを活用するのは設計者です。設計者は、設計日程管理の下での、ギリ
ギリのスケジュールにおわれ、図面検討の時間も十分取れないような状態の
なかでコスト・テーブルを見ながらVEを遂行していかなければなりません。

 このような実態を考えると、コスト・テーブルのあり方は、自ら決まって
きます。
(1)迅速にコストの見積、比較ができること。
(2)使いやすく、グラフ、マトリックス表、計算図表のような形になって
   いること。
(3)常に新しくメンテナンスされていること。

 そして、コスト・テーブルは、
●設計のためのコスト・テーブル
●製造のためのコスト・テーブル
●購買のためのコスト・テーブル
というような内容で作成します。

6.目標原価によるコントロールを行え
 VE活動にも目標原価が与えられることが本来望ましいことです。この場
合の目標原価は、設計完了時点での見積原価です。

 このように目標が設定されれば、目標原価=見積原価が、その設計プロジ
ェクトのVE成果となり、目標原価÷見積原価が目標達成率となります。

 すなわち、まず、目標原価=見積原価は、設計者自身が行います。なお、
目標原価が全般的に設定可能なのは、比較的繰返し性が高く、設計日程も長
期なマスプロ製品の場合で、非量産の受注製品の場合には、一般的に受注期
間もギリギリであり、また、データにも乏しいことから、目標原価の設定が
難しい場合も少なくありません。

 この場合は、設計者個人のVE教育による自主的なVE遂行と、若干のコ
スト重点部品についての、目標原価設定程度にとどめざるを得ないでしょう。 

 次に、別の独立した見積グループが図面をもとに見積を行い、設計グルー
プに対して、達成率やそのたのコスト靜報のフィードバックを行いながら、
管理サポートを行います。

 この見積グループは、コスト・テーブル作成メンテナンス・グループを
兼ねるようにします。同時に、グループの長は、設計グループに対して、ニ
ラミのきく実力者でないと効果的に目標原価によるコントロール制度運営が
できにくい点に留意する必要があります。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築して、
厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援します。
舘 義之への問い合わせstudy@agate.plala.or.jp
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