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コラムの泉

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登録第6047619号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       7月24日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6047619号:

 黒塗りの長方形内に、大きく太く表された「IKKI」の欧文字と、
前後にハイフンを配し、小さい文字で表された「KASUTEIRA」
の欧文字とを上下二段に白抜きで表してなる構成

 指定商品は、第30,35,43類の各商品・役務です。

 ところが、この商標は、

(1)登録第5587756号:「一騎」

(2)登録第5779924号:

 「一騎」の文字の「騎」の文字が異体字で表された構成


 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2017-015661号)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「「IKKI」及び「KASUTEIRA」の文字は、その文字の
大きさ及び太さなどから視覚的に分離して看取されるものであり、
「IKKI」の文字部分が、大きく太い文字で顕著に表されている
ことから、該文字部分が、取引者、需要者に対し商品及び役務
出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、識別力
を発揮する要部とみるのが相当である。」

 そして、

「「IKKI」の文字は、「一騎」、「一気」又は「一揆」等の語を
連想、想起させる場合があるものの、特定の観念を生じる
とまではいえないものである。」

 そうすると、

「その構成文字全体から生じる「イッキカステイラ」の称呼のほかに、
要部である「IKKI」の文字部分に相応して「イッキ」の
称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 一方、各引用商標

「の文字は、「馬に乗った一人の将兵」の意味を有する語(株式
会社岩波書店「広辞苑第六版」)として理解されるものである。」

 そうすると、

「その構成文字に相応して「イッキ」の称呼を生じ、「馬に乗った
一人の将兵」の観念を生じるものである。」


 そこで、両者を対比すると、

「その構成態様や構成文字における欧文字と漢字という文字種の
違い及び文字の太さなど明らかな差異を有するものであるから、
外観上、明確に区別できるものである。」

 また、称呼は、

本願商標の要部から生じる称呼と引用商標から生じる称呼は、
共に「イッキ」であるから、称呼上、同一である。」

 観念は、

本願商標からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、
「馬に乗った一人の将兵」の観念が生じるものであるから、両者は、
観念上、相紛れるおそれはない。」

 として、

「「イッキ」の称呼を共通にするとしても、外観において明らかな
差異を有し、その称呼の共通性が、明らかに相違する外観の印象を
凌駕するものとはいい難く、また、観念において類似しないもの
であるから、これらを総合して考察すれば、両商標は、商品及び
役務の出所の誤認、混同を生ずるおそれのない」
 
 互いに非類似の商標とされました。


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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 称呼が共通しても外観や観念が大きく異なる場合には非類似と
なる場合があります。

 違いを出すなら大きく異ならせることが真似とは言わせないツボ
になります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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