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コラムの泉

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登録第6271847号:「瑞葵」

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       3月23日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6271847号:「瑞葵」

 指定商品は、第33類の「合成清酒,焼酎,清酒,みりん」です。

 ところが、この商標は、

 登録第5773909号商標

 「みづき」の文字及び「美月」の文字を二段に横書きしてなる構成

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-008166)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標は、

「「めでたいしるし」の意味を有する「瑞」の漢字と、「草花の名。
あおいの類」の意味を有する「葵」の漢字とを結合したものであって、
これらの漢字はいずれもごく親しまれたものであるものの、これら
を結合した構成全体から、各漢字が有する上記意味合いを想起する
以上に特定の意味合いが想起されるものではないから、」

「特定の意味合いを有しない一種の造語と理解される。」

 してみると、

「その構成文字に相応して「ミズキ」の称呼を生じ、特定の観念を
生じないものである。」

 一方、引用商標は、

「その構成中、上段に位置する「みづき」の文字は、下段に位置
する「美月」の文字の読みを平仮名表記したものといえるものである。」

 そして、

「「美月」の文字は、「うつくしい」の意味を有する「美」の漢字と、
「天体の一つ。つき」の意味を有する「月」の漢字とを結合したもの
であって、これらの漢字を結合した構成全体から、「美しい月」の
イメージないし連想が生じるものといえる。」

 してみると、

「その構成文字に相応して「ミズキ」の称呼を生じ、「美しい月」
の観念を生じるものである」

 そこで、両者を比較すると、まず、外観は、

「前者は「瑞葵」の漢字であるのに対し、後者は「みづき」の平仮名
及び「美月」の漢字であって、構成文字が明らかに異なるもので
あるから、両商標は、外観上、相紛れるおそれはないものである。」

 称呼においては、

「共に「ミズキ」の称呼を生じるものであるから、称呼上、同一の
ものである。」

 観念においては、

本願商標は、特定の観念を生じないものであるから、特定の観念を
生じる引用商標とは、観念が共通するものとはいえない。」

 また、

「「瑞」と「葵」の文字は、それぞれ「めでたいしるし」、「草花の名。
あおいの類」の意味を有するごく親しまれた漢字であるから、本願
商標に接する取引者、需要者は、これが上記意味合いの漢字によって
構成されるものとして把握するといえる。」

 してみると、

「「美しい月」との観念を生じる引用商標とは、観念上、相紛れる
おそれはない。」

 そうすると、

「たとえ、称呼を同一にするとしても、外観及び観念において相紛
れるおそれがないから、商品の出所について誤認混同を生じない」

 非類似の商標と判断されました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が同一の商標の類否が問題となりました。

 称呼が同一であっても外観や観念で両者を識別できる場合には
非類似になりやすいです。

 見た目を異ならせることが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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名無し

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