相談の広場
こんにちは。
いつも拝見し、参考にさせていただいています。
今日はご質問したく、よろしくお願いします。
私は、建設業、社員20名程度の会社の取締役です。
弊社は取締役3名(うち代取1名)、監査役2名。
監査役1名(A)は弊社の大株主であり夏前までは実質的に経営をしていたもので、昨年秋に弊社の社員であった者が代取として設立した新会社の取締役でもあります。
弊社経理部門と新会社は弊社本店の近隣アパートを共用して使用しています。
さて、弊社本店は
1.地主との訴訟和解により2年後までに退去することが決まっています
2.住宅街の中ということもあり、トラックの騒音、資材置き場の安全、景観の面から近隣住民より退去してほしい旨要望書をもらっています。
3.本店といっても小さなプレハブで社員全員が入れず職人さんたちが帰ってきてもいる場所がありません。
以上のことから以前より移転場所を探しており、最近いい物件が見つかりました。
事務所にかかる経費も現在より下がるので移転したいと先日の取締役会の議題にし、出席取締役全員の賛成をもって本店移転の議決としました。
ところが監査役として出席していたAより
1.弊社が移転すると新会社の経費が上がる
2.赤字体質が改善されているかもはっきりしないのに本店移転などもってのほか。改善されていないなら会社を整理すべき。
3.大株主の自分の財産を勝手によそに移すことは絶対に許さない。
などと異議を唱えられ
この取締役会議決は違法で、私たち取締役の職権濫用であるといわれました。
この取締役会議決は本当に違法であり、このまま移転ることは私たちの職権濫用になるのでしょうか?
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ご質問の貴社内、定款、取締役会規程、監査役規程をまず確認してください。
会社法第370条ですが、監査役設置会社において、監査役が取締役会の決議の省略についての提案に異議を述べたときには取締役会の決議は成立しないと認めています。
これは、監査役が取締役会において意見を述べる機会を確保するためですが、ただし、監査役の権限が会計監査に限定される場合には、監査役設置会社には該当しませんから監査役に異議を述べる機会を確保させる必要はありません。
これにより監査役は異議を述べることはできないとされています。
ご質問では、監査役が意見申告を為されていますので、まずはその意見書において、反対意見およびそれらの要件を変更する事案の申告が必要と思います。
参考文献ですが、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔編著『論点解説 新・会社法」(368頁)で、「監査役が異議を述べるかどうかは監査役の裁量に属することであり、取締役からの提案を一見すると問題がないと判断しつつも、取締役会において協議を重ねたうえで結論を出さなければその内容に対し確定的に異議がないとはいえないというような場合にも、提案に対し異議を述べることができると解されています。」とのご説明がありますので、企業の存続を兼ねた変更議案の提出を求めてみてください。
こんにちは
ご質問の件については、Aさんが監査役であり大株主でもありますので、立場を分けて考える必要があると思います。
1.監査役の立場から
a)定款で監査役の業務範囲を会計監査に制限している場合
この場合は、移転について意見を述べる立場にありませんので取締役会の決議に従って移転してもなんら問題はありません。
b)監査役の業務範囲が会計監査に制限されていない場合
監査役は取締役の職務の執行を監督する権限を有します。しかし、監査役が取締役の職務執行に関して停止等を求める事ができるのは「不法行為が行われている、またはその恐れがあるとき」に限られます。
Aさんが上げている移転に反対する理由が以上には該当しないと考えられますので、意見として記録する必要はありますが、それに従う必要はありません。
2.株主の立場から
a)本店移転が定款内で定めている市区町村以外への移転の場合
この場合、定款記載事項の変更が必要となります。定款変更は株主総会の決議事項になりますので、株主総会を招集する必要があります。Aさんの持ち株比率によっては否決される可能性もあります。
b)本店移転が定款内で定めている市区町村内への移転の場合
この場合定款の変更は必要ありません。経営判断の範疇(所有と経営の分離の原則)となりますので取締役会の決議のみで有効となります。
3.留意点
以上のように監査役としてのAさんの意見に従う必要はありませんが、株主としてのAさんには配慮する必要があります。もし、Aさんが過半数を握る大株主であれば移転について無効とすることはできなくとも取締役を解任することが可能となります。また会社の解散を決議することも考えられます。
また、上記は定款で「取締役会設置」を定めている前提で記載してますが、もし会社法でいう「取締役会設置会社」でなかった場合、株主総会は株式会社に関する一切の事項を決議することができますので、Aさんが大株主であれば実質その判断には従う必要があると考えます。
以上簡単ではありますが回答致します。根拠条文等必要であれば聞いてください。
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