相談の広場
非上場会社の役員の解任の案が出てきましたが、当該役員は期中での解任について納得していません。株主の一人でもあり、この場合どのような手続きが必要でしょうか。
尚、代表取締役が過半数の株主であり、決定権はあります。
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そうですね、会社法第309条2項をよくご注意いただいた方がいいと思います。
厳密には、分母が議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)となりますので、定款により最低3分の1まで低減することも可能ですし3分の2等の重くすることも可能です。
分子の方は、出席株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上が決議要件となります。
したがって、基本は過半数の3分の2、イコール3分の1超が決議できる最小数ですが、定款でぎりぎりまで軽減していれば、最小で3分の1の3分の2、イコール9分の2で可決できます。
その辺は定款の記載をご確認ください。
こんにちは。
役員というのは、いわゆる取締役でしょうか?
そして、どのような理由で解任されたいというお話が出てきたのでしょうか?
まず、解任の方法ですが、取締役の解任決議は、普通決議ではなく、2/3以上の賛成を要する特別決議になります。(会社法309条2項)。
ただし、決議の要件は定款で加重できるので、定款の確認が必要です。
次に解任の理由ですが、法律上の制限はありません。
もっとも、「正当な理由」がないのに任期満了前に取締役を解任した場合は、解任によって生じた損害を賠償しなければなりません(会社法339条2項)。
ご本人が納得されていないということですので、解任後、
「正当な理由なく解任されたので、損害賠償を請求する」
というお話が出てくる可能性があります。
では、どのような場合に「正当な理由」が認められるかという話ですが、これは法的な評価を伴う問題であり、これまでにもしばしば正当な理由の存否が裁判で争われています。
実際に解任される前に、専門家にご相談されることをお勧めします。
参考までにこれまでにあった具体例を挙げますね。
<傷病で入院した場合>
判例によると、
「持病の悪化により療養に専念することを要する場合は「正当の理由」がないとはいえない」
としています(最高裁・昭和57年1月)。
ですから、入院を理由とする解任の場合、取締役としての職務執行に支障を来すほどの期間の療養を要する見込みであれば、正当な理由と評価できる可能性があります。
<取締役としての能力が不足している場合>
実際に監査役を解任した事例で、
「明らかな税務処理上の過誤を犯したことについて、著しく不適任であり解任に正当事由がある」
とした判例(東京高裁・昭和58年4月)があります。
ささいな経営判断の失敗の場合まで取締役を解任できることになってしまうと、「正当な理由のない解任の場合は賠償を要する」として、取締役の利益を保護した会社法の趣旨に反するため、単にミスがあったことを理由として「正当な理由」があるとするのは困難でしょう。
ただ、能力の著しい欠如など、職務への著しい不適任にまで達している場合は「正当な理由」として認められる余地があると思います。
いずれにせよ、最終的には具体的な事情をふまえた法的評価の問題となりますので、専門家へご相談されることを重ねてお勧めします。
蛇足ですが、最後に取締役の解任に「正当な理由」が認められない場合に賠償すべき損害の範囲を。
賠償範囲は、
「取締役が解任されなければ在任中及び任期満了時に得られた利益の額」とされています(大阪高裁・昭和56年1月)
具体的には、以下の①~③の合計額に相当する額になるでしょう。
①満期までの役員報酬
②役員賞与(定款の定め等により賞与を受け得たといえる場合に限られます)
③退職金(定款の定め等により退職金を受け得たといえる場合で、解任により退職金が減額・無しとされた場合)
ご参考になる点がありましたら幸いです。
典型的Aさん、ご指摘ありがとうございました。
解任が特別決議となるのは、前述の会社法第309条第2項第7号で定めていますが、「第339条第1項の株主総会(第342条第3項から第5項までの規定により選任された取締役を解任する場合又は監査役を解任する場合に限る。)」とされていますので、累積投票により選任されたときだけですね。
大変失礼しました。第341条と342条に選解任の規定が分かれているのを失念していました。
よって、解任できる議決権数は、分母は議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)のままで、分子の方は、出席株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上となります。
したがって、基本は過半数の過半数、イコール4分の1超が決議できる最小数ですが、定款でぎりぎりまで軽減していれば、最小で3分の1の過半数、イコール6分の1で可決できます。
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