登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 総務・法務 > 【実録オフィス移転】社員アンケートで浮かび上がるシェアオフィス移転のリアル。人事部長に迫る

【実録オフィス移転】社員アンケートで浮かび上がるシェアオフィス移転のリアル。人事部長に迫る

こんにちは。INCLUSIVE株式会社で働く新卒2年目です。

2024年4月付けで総務部へ配置転換し、オフィス移転の現場担当になりました。そして2024年8月、表参道のオフィスから神谷町のシェアオフィスへ移転を実施しました。これに伴い、フリーアドレスから固定席へと変更となりました。

第2回は、移転前後で従業員にどのような変化があったのか、アンケート結果を紐解きました。これからオフィス移転を考えている経営層やオフィス移転担当となった皆さまの参考になれば幸いです。

INCLUSIVE株式会社
2007年4月、インターネットサービスの運営・収益化の事業として、代表取締役社長である藤田誠により創業。2024年現在はWEBメディア運営・収益化支援や、広告・プロモーション企画などの事業を展開する。トリプル ウィン ストラテジーズやオレンジ・アンド・パートナーズ、下鴨茶寮などを子会社としている。

【こちらもおすすめ】【実録オフィス移転】改装か移転か?迫られる人事部長。課題を解決するシェアオフィスとの出会い

オフィス移転前後で実施した社員アンケート結果を公開

『経営ノウハウの泉』編集部は、INCLUSIVE株式会社の全社員を対象に、オフィス移転の2ヶ月前となる2024年6月、オフィス移転の2ヶ月後となる2024年10月の2度にわたり、オフィスに関する意識調査を実施しました。移転前は37人から、移転後は35人から回答が得られました。それでは、各アンケート結果を詳しく見ていきましょう。

こちらは、オフィス移転前後の「オフィスに出社する際の満足度」のアンケート結果です。

移転前のアンケートでは、「3」(どちらでもない)の回答が最も多く、全体の40.5%でした。対して、移転後のアンケートでは「4」(やや満足)の回答が48.6%と最も多くなっています。特に「5」(非常に満足)の回答が顕著に増えたことから、移転先のオフィス環境が期待以上の効果をもたらしたことがうかがえます。

社員からは、移転後の「オフィスのどの部分が好きですか?」の質問に、下記のような回答が集まりました。

  • オフィスが綺麗
  • フリードリンクが充実
  • ラウンジやカフェで仕事がしやすい
  • 景色がいい

反対に、移転後の「オフィスで使いづらいと感じている部分があれば教えてください」の質問には、下記のような回答が集まりました。

  • 会議室の取り方がややこしい
  • 突発的な会議がしにくい
  • 空調が調整しにくい
  • キーカードがないと入室できない

共有設備やサービスが好評である一方、シェアオフィスならではの懸念があるようです。

続いては、オフィス移転前後の「オフィスの出社頻度」に関するアンケート結果です。

移転前のアンケートでは、「週1~2日」の回答が最も多く、全体の37.8%を占めています。これに対して、移転後のアンケートでは「週3~4日」の回答が42.9%に増加し、最多となっています。また、「毎日」出社する社員の割合も増えており、移転先のオフィスが快適な環境を提供することで、より頻繁にオフィスを利用する動機づけが生まれたと考えられます。

最後に、オフィス移転前後の「同僚とのコミュニケーション頻度」に関するアンケート結果です。

移転前のアンケートでは、「3」(どちらでもない)の回答が35.1%で最も多く、次いで「5」(非常に満足)が24.3%となっています。一方、移転後のアンケートでは「4」(やや満足)の割合が48.6%に増加し、さらに「5」(非常に満足)の割合も28.6%に増えました。また、「2」(やや不満)、「1」(非常に不満)と回答した社員はおらず、全体として高い満足度が確認されました。この結果から、移転後のオフィスは、社員が積極的にコミュニケーションを取れる場として機能し、チームワークの向上に貢献していると考えられます。

社員からは、移転後の「オフィスでのコミュニケーションにおける問題点があれば教えてください」の質問に、「特にありません」という回答がほとんどだったものの、中には下記のような回答が寄せられました。

  • 部署内のコミュニケーションが増えたものの、他部署とのコミュニケーションが減った
  • 声が響くので、気になってしまう
  • 席を離れている人がいて、出社しているか分かりづらい

固定席の導入やオフィス空間の変化により、新たな課題も浮き彫りになりました。

アンケートの結果、移転後はオフィス満足度、出社頻度、同僚とのコミュニケーション頻度の満足度がいずれも向上していることが確認されました。

【こちらもおすすめ】働きやすいオフィスは「社員全員」でつくる!オフィスカイゼン活動の進め方とは

シェアオフィス移転で起きた変化、人事部長が明かす成功要因

このアンケート結果を、今回のオフィス移転プロジェクトを率いた人事部部長兼総務マネージャーの澤広大さんは、どのように受け止めたのでしょうか? 詳しくお話を伺いました。

――このアンケート結果をご覧になって、率直な意見を聞かせてください

澤広大(以下、澤):オフィスの満足度が向上し、出社頻度も増えて良かったです。コロナ禍では、新入社員が横のつながりを作りにくい状況が課題でした。その改善には、オフィスへの出社頻度を増やすことが必要だったと考えています。今回の移転を通じて、出社するメリットを社員にうまく訴求できたと感じています。

――アンケートでは、シェアオフィス特有の魅力を高く評価する声が多く見られました

澤:以前のオフィスを改装して移転しないという選択肢もあったのですが、共有設備やサービスといったシェアオフィス特有の魅力は、移転しなければ得られなかったと思います。特にフリードリンクが好評で、これは嬉しい誤算でした(笑)。

また、同じシェアオフィスに知り合いの会社も入っており、退社後に一緒に飲みに行く社員もいるようです。さらに、シェアオフィス内で頻繁に行われるイベントを通じて、社外とのつながりも広がっています。

――フリーアドレスから固定席への変更についてはいかがですか?

澤:固定席の導入により、個人の荷物を置けるようになり、部署内のコミュニケーションも円滑になりました。フリーアドレスでは、他の人に話しかけづらかったり、顔や名前を覚えにくかったりといった課題がありましたが、それが解消されたと感じています。

ただ、シェアオフィス内にはラウンジやカフェもあり、多様な場所で働けるので、フリーアドレスのメリットもいいとこ取りできていると思います。

――オフィス移転から2ヶ月経ちましたが、社員からはどのような声が上がっていますか?

澤:ある社員から、通路を歩いていた社員に声をかけ、雑談をしたことがきっかけで、アポイントにつながったという報告がありました。このように業務に直結する偶発的なコミュニケーションは、出社頻度が増えたからこそ生まれたものだと思います。

――オフィス移転は大成功というわけですね。本日はありがとうございました。

澤:ありがとうございました。

***

今回のオフィス移転を通じて、社員の出社意欲が高まり、コミュニケーションが活性化したことを、オフィス移転の現場担当として非常に嬉しく思います! オフィス移転が完了し、一旦このポジションからは離れますが、これからも社員が働きやすい環境づくりに努めていきたいと思います。