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若手社員

業績改善や採用活動にも効果が!? 中小企業がコーポレートブランド確立に取り組むメリット

2022.09.13

世界情勢やコロナ禍の影響などによる景気の低迷を受けている昨今。慢性的な人材不足や業績不振など漠然とした課題を改善できず、行き詰っている中小企業の経営者は多いことでしょう。このような経営課題に対応する方法の1つに“コーポレートブランドの強化”が挙げられます。今回は、コーポレートブランドの概要やその必要性、コーポレートブランドを高めた場合のメリットや具体的な対応方法について、順を追って見ていきましょう。

コーポレートブランドを確立する必要性・意義

コーポレートブランドとは、会社名やその会社が提供する商品やサービスから作り上げるブランドのことで、その会社や商品に対するクライアントからのイメージを決める要素の1つです。言い換えると、クライアントが会社に対して“その会社らしい”と感じる要素のことを指します。コーポレートブランドが確立すると、外部からのその会社のイメージが固まり、同じような商品やサービスを提供する他社との差別化を図ることができます。

たとえば、同じようなジャンルと価格帯の飲食店が2つ並んでいたとします。1つは無名で、一方はブランドが確立されていた場合、顧客が抱くイメージは全く異なるものでしょう。たとえ、ブランド力のある方が比較的高い価格設定であったとしても、その空間やサービスにブランドの価値が加算されているものであると納得する顧客もいるはずです。

また、採用時においても、コーポレートブランドが明確になっている企業は、求職者の頭に残りやすいため、同業他社と比較しても人材が集まりやすいというケースが挙げられます。

他社とはひと味異なる“独自性”を出すことは企業活動において非常に重要です。会社にとって、コーポレートブランドを確立させることは、企業の今後を左右する重要な要素であるといえるでしょう。

コーポレートブランディングのメリット

コーポレートブランディングを行うメリットは、主に次の3つです。

①社員にまとまりが生まれる

コーポレートブランドを固めたら、まず社内で共有することが前提となります。そうすることで、社員は会社がどのようなビジョンで経営をしていくのか理解でき、同じ方向を向いて仕事ができるようになります。特に、会社の経営方針などが理解できず離職していく社員が多い企業の場合、コーポレートブランディングを実施することで離職率につながる効果が期待できます。

②採用活動が有利になる

コーポレートブランドが確立していくと、採用活動をより有利に進めることが可能になるでしょう。会社の強みや方針をコーポレートブランドとあわせて求職者に伝えることができるため、より理解されやすくなる、他社との差別化が図れるなどの効果が得られます。少子高齢化の影響や労働力不足により、特に戦力となりうる若手社員を確保することは、どの会社にとっても死活問題です。採用戦略の1つとして、コーポレートブランドの確立を検討すべきでしょう。

【こちらの記事も】求めている人材が応募してこない…考えられる原因3つと対処法

③クライアントの信頼を得る

コーポレートブランドの価値が上がるにつれ、クライアントの会社に対する信頼が高まる効果も期待できます。「この会社ならば大丈夫」と相手に思わせることができれば、頻繁に販促活動を行わずとも、契約を維持し続けることができるでしょう。また、クライアントのリピート率が高い会社であれば、コーポレートブランドのイメージが高まることで、さらに評判が上がるという“良いことづくめ”の形式が成り立ちます。また、コーポレートブランドの確立と比例して、株式の資本収集や株価の値上がりにつながる場合もあります。

これらのメリットを享受するためには、前提として“社員を大切にしている”、“社員の心身の健康と社会的な充足を追求し、組織の活性化を目指す「ウェルビーイング経営」に取り組んでいる”という印象づくりが必要でしょう。コーポレートブランドは、表面的なロゴや名称があればよいというものではありません。商品やサービスから顧客に抱かせる印象と社員に浸透しているブランドが一貫している必要があるため、対外的な側面だけではなく、社内の雰囲気や経営方針も見直すべきであることは認識しておくべきです。

コーポレートブランドを確立する手法4つ

ここからは、実際にコーポレートブランドを高めていく具体的な方法について述べていきましょう。

①コーポレートブランドのイメージを固める

コーポレートブランド確立の第一歩は、まず社内でブランドのイメージや価値などを決定することです。ブランドイメージが固まらないことには、ブランディングを適切に行うことができません。内容を検討する際には、ブランディングの対象となる世代や性別を設定し、ターゲット世代にどのような流行や傾向があるのかを入念に調査する必要もあります。実際に固まったブランドイメージは、社内での企業活動の足並みをそろえるためにも、企業全体で情報共有をすることを忘れてはなりません。

②ブランド名やロゴの形を決定する

ブランド名やロゴの決定は、前項で定めたコーポレートブランドを目に見える形にするための重要なプロセスです。たとえば、ブランド名に会社名を盛り込む際にも、企業名をそのまま使用するのか・ひらがな・漢字・カタカナ表記にするのかで、外部に与えるイメージが大きく異なる場合があります。また、ロゴの色やマークの形なども、ブランドイメージに大きな影響を及ぼします。上層部のみならず、社員全員に公募するなどの方法を取り、できるだけ多くの候補を集める方法が有効となるでしょう。

③オフィス環境の整備

コーポレートブランドを具現化する方法は、ロゴやキャッチコピーだけではありません。会社のオフィスそのものも、コーポレートブランドであるといえます。顧客が来社する際、その顧客は相対する社員に加え、社内の雰囲気やレイアウトなども目にします。たとえば、会社のロゴと同色の内装にするだけでも、会社全体に統一感が生まれます。小さい会社でもオフィス内に統一感があると、訪問者は「小さい会社なのにしっかりしている」「会社のコンセプトが社員にも浸透していて、意欲的に働いているんだろう」などという印象を受け、会社の価値をより高く感じ取るでしょう。

また、オフィスの立地は会社のイメージに影響を与えます。オフィスを構える地域に有名な会社や名所がある場合、クライアントは住所や近隣の状況を見てイメージを抱く場合があります。たとえば、金融機関が多く建ち並ぶオフィス街の場合、金融機関に関連する業種という認識を抱かれやすいでしょう。立地によるイメージを無くしたい、もしくは立地によりイメージを変えたい場合は、オフィス移転を検討するのも手です。

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④定期的な見直し

コーポレートブランドを明確にし、公開したからといって、ブランディング作業が終了するわけではありません。定期的に外部へアンケートを取ったりしながら、「コーポレートブランドがどの程度周知されているのか」、「どのようにして顧客がコーポレートブランドを認知したのか」、「実際にどのようなイメージを抱いているのか」などの情報を収集しましょう。

もしも、実際に企業の意図とは異なるブランドイメージを抱かれていることが明らかになった場合は、要因を洗い出し、ロゴ変更や周知を拡大するための対策など、ブランド確立の見直しや対応を行わなければなりません。

まとめ

コーポレートブランドは、その会社を多くの人に知ってもらうための指標です。したがって、会社の業態変更や規模の拡大、新事業の発足など、節目で内容に変更が生じることも覚えておく必要があります。どのような商品も定期的なメンテナンスが必要です。それは目に見えない資産ともいえるコーポレートブランドも例外ではありません。会社の戦略とマッチしたイメージを維持し続けられるよう、ブランドイメージ情報の収集や株主との意見交換、社内での検討を重ねながら大切に育てていきましょう。

コーポレートブランドの確立は、社内外に様々な良い影響を及ぼします。まずは現状を洗い出し、どのようにブランディングを進めていくのかを検討してみてはいかがでしょうか。

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*user25478545745、kikuo、mits、node、kouta、EKAKI / PIXTA(ピクスタ)