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頭を抱える経営者

「退職が止まらない…」連鎖退職したらどう立て直す?内部改善に向けたファーストステップ

2023.01.20

労働力不足が社会問題化している昨今、社員一人ひとりの存在は会社にとって非常に大きな戦力となります。その社員が、もしも立て続けに辞めてしまったら……。今回は、離職者の多さ、つまり”連鎖退職”に悩む経営者や、代わりの人材確保をしても状況が改善しないと感じている経営者に向けて、検討すべきことや取り組むべきことを解説していきます。

連鎖退職とは

連鎖退職とは、次々と会社の社員が辞めていく現象のことです。社員が一人辞めたことを皮切りに、他の社員に退職の波が広がっていく様を”連鎖”と呼ぶことに起因しています。連鎖退職が頻発すると、当然ながら社員数が減少し、残った社員の負担が増大します。もちろん、会社側としては人手を補充するために採用活動を活発に行うでしょう。しかし、実際に採用活動を開始したからといってすぐに新たな戦力が入社してくるわけではありません。書類選考や面談による選考など、複数のステップを踏みながら内定まで進めることになります。また、求職者側が採用活動の途中で入社の辞退を申し出る場合もあり、想定よりも時間がかかる場合も多いでしょう。

その間、残った社員は人手が足りない中、目の前にある業務をこなすことになります。その結果、残業や休日出勤に追われる社員が増加し、パフォーマンスの低下による企業業績の低迷に発展する恐れがあります。このように、連鎖退職は会社としては無視できない深刻な問題であるといえるでしょう。

連載退職が発生する理由としてはさまざまな要因が挙げられますが、特に高い能力や豊富な経験を活かして活躍している”キーマン社員”が辞めてしまう場合は、深刻な連鎖退職が起こりうる危険性があります。残された社員が「あのような優秀な社員が辞めてしまうなんて、この会社はどうなっているのだろう」と会社で働き続けることに不安を覚えたり、穴を埋めるための仕事が押し寄せることで心身ともに疲弊してしまったりするのです。このように会社に対して不信感を抱く状況が重なり、連鎖退職へとつながる恐れがあります。

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連鎖退職が起こった会社が考えるべきこと

連鎖退職が発生する会社は、まずは発生の原因を突き詰めていく必要があります。もちろん、複数の社員が同時期に異なる理由で辞めてしまうようなケースもあるでしょう。しかし、連鎖退職が続くような場合は、必ず何らかの原因があるはずです。連鎖退職が続く会社の末路は、労使トラブルの頻発や顧客流出、そして最悪の場合は人出が足りず業務が回らなくなり、倒産に至る危険性も潜んでいるのです。このような状況を防ぐためには、“なぜ辞めてしまう社員が多いのか”を改めて検証することが非常に重要になります。その上で、会社の体制を改めて見直し、内部改善に取り組んでいく必要があるでしょう。

内部改善に向けてすべきこと

ここからは、実際に内部改善に向けて有効な対策法について、項目別に解説をしていきましょう。

①社員が辞めないような職場環境の整備

前項目で述べたように、連鎖退職を食い止めるための原因を突き詰め、その上で辞めないような環境を整えることが重要です。原因を探る方法の一つが、退職社員が多い年齢層の検証です。

若手社員が多く辞めてしまう会社の場合は、採用時のミスマッチが原因の一つと考えられます。会社側・社員側がともに満足する形で雇用関係を継続できるように、採用活動から見直す方法が有効です。中堅社員が多く辞めてしまう場合は、「キャリアアップを目指しているが、会社の将来が不透明だと感じた」など、これまで培ってきた経験をもとに転職を試みるケースが多くみられます。対策法としては、人事考課や賃金ルールを見直し、成果に応じて正当な報酬や評価が受けられる環境を作り上げることが効果的です。また、段階的にスキルアップできるキャリア形成プログラムを作成し、社員が会社とともに成長できる環境を整えることも必要でしょう。

②オフィス環境の見直し

国が打ち出している「働き方改革」によれば、社員が働きやすいような環境を整えることも重要であるとされています。これを受け、オフィス環境の改革を実施する企業が増加しています。具体的には、社員が一人で集中したい時、複数名の会議を行う時など、状況に応じて柔軟な働き方ができるようにオフィスのレイアウトを変更する方法が挙げられます。また、関わることの多い部署同士が効率よく関わることができるような部署配置も、オフィス環境の見直し対策の一つといえます。より良い環境を求めて、オフィス移転を試みる企業もあるようです。

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③社員同士のコミュニケーションを密にする

会社は“人と人”の関わりが非常に重要です。困った時に何でも相談できる同僚や上司の存在は、会社で働くにあたり非常に心強い味方となります。特に新型コロナウイルス感染症が蔓延する昨今。オフィスで密なコミュニケーションを取ることが減少し、社員同士の繋がりが希薄になりやすい傾向にあります。SNSやオンライン会議システムなど、最新のIT機器を活用し社員同士のコミュニケーションを促す環境を整備することが重要です。また、社内に相談窓口を設け、どんな些細な事でも安心して話すことができるような環境を整える方法も有効です。

まとめ

今回は、連鎖退職の発生要因や対策方法について解説しました。社員の頭に退職がよぎるのは、もちろん前向きなキャリアアップを目論むケースもありますが、肉体的・精神的に疲弊しているケースが非常に多くみられます。労働時間の管理や十分な休息時間の確保など、社員が安心して働き続けることができる環境を作り上げることが何より重要であると言っても過言ではないでしょう。

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*maimu, Lukas, kikuo, プラナ / PIXTA(ピクスタ)

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