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目指すは営業職の苦手意識の払拭!株式会社マツリカ代表取締役CEO・黒佐英司氏にインタビュー

2024.08.05

時代の最先端をひた走る経営者にインタビューし、その成功の秘訣を探る本連載「成功を掴んだターニングポイント」。

今回は、株式会社マツリカ 代表取締役CEO 黒佐英司氏にお話を伺いました。

株式会社マツリカは、「創造性高く遊ぶように働ける環境を創る」というビジョンのもと、ビジネスの成長をサポートするクラウド営業支援ツール『Mazrica(マツリカ)』の開発・提供を行っています。このツールは、データ入力の負荷が低く、現場の営業職が使いたくなる優れたUI/UXを備えている点が特徴です。また、AIが過去の営業データを分析しアドバイスすることで、効率的かつ効果的な営業活動を実現します。

今回は、株式会社マツリカのターニングポイントから今後の展望に関して、経営の本質に直結する“問い”を投げかけてみました。

株式会社マツリカ
代表取締役CEO
黒佐英司

ニューヨーク州立大学バッファロー校卒業後、積水ハウス株式会社にて個人向けの企画提案、法人・資産家向けの資産活用提案、海外事業開発において企画営業及びマネージャーに従事。2011年に株式会社ユーザベースに入社し、営業開発チームの立ち上げを担当。以来、営業部門、マーケティング部門及び顧客サポート部門の統括責任者を歴任し、SPEEDA販売促進・保守、営業・マーケティング戦略の立案及び執行を担当したのち、2015年に株式会社マツリカ(Mazrica Inc.)を共同設立。

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遊ぶように働けるオフィスをつくるため移転を決意

――オフィス移転を決断した背景について教えてください

黒佐:弊社は、元々働く場所に制限がないのですが、コロナ禍を経てリモート勤務の比率が圧倒的に増えました。これまでは、その変化に合わせて柔軟に対応ができるようにシェアオフィスを選んでいたんです。シェアオフィスは少人数で使うのには適していましたが、コロナ禍が徐々に収束を迎え出社数や社員数が増えるにつれて、段々とメリットを感じられなくなりました。

弊社は“創造性高く遊ぶように働ける環境を創る”というビジョンを掲げています。たとえば、子供は誰かに言われて遊ぶのではなく、純粋に遊びたいという欲求に従って遊びますよね。夢中で遊んで、気が付くとあたりが暗くなり、帰る時間になっている。それってすごいエネルギーがこもっていると思うのです。

「大人も働くことにそんな強いエネルギーを持てたとしたら、もっとよい世の中になるのではないか」「ビジョンの実現のためには、まずは私たち自身が、このビジョンを体現できるような場所をつくりたい」と考え、移転を決めました。

自然にコミュニケーションが発生するオフィスづくり

――今回の移転で特に注力された狙いや取り組みがあれば教えてください

黒佐:業務には、一人で集中するものやディスカッションが必要なものなど、さまざまな種類があります。それぞれの状況に合わせて自分自身で考えて、働く場所を選べるようにしたいと思いました。会議室だけでなく集中して作業をする執務室や雑談スペースなど、スペースを区切ってシーン別で使える空間づくりを目指しました。

黒佐:また、偶発的な交流を生み出し、社内のコミュニケーションを活性化させたいという狙いから、カフェ(バー)スペースを設けました。シェアオフィスではビールが飲み放題だったのが好評だったので、移転後もビールを常備しています。

――移転後に感じる効果はありますか?

黒佐:会議室や雑談スペースで休憩していると、社内会議の声が聞こえてくることがあります。その時に「あ、この人こんな話し方をするのか」と社員の新しい一面を発見できるようになりました。 ミーティングや1on1でも社員同士で話す機会はありますが、お互い事前に準備をして臨むので、偶発的で自然な会話は生まれにくいです。移転後は偶発的な会話が増え、社員との距離が近くなったと感じます。何気ない瞬間に自然に話ができるようになりました。

【こちらもおすすめ】働きやすいオフィスは「社員全員」でつくる!オフィスカイゼン活動の進め方とは

課題解消のために行う全社ミーティング

――会社が成長してきた中で、大きな壁にぶつかったことはありましたか?

黒佐:大体のことはある程度想定して経営をしているのですが、過去に重要なポストの二人が同時に辞めてしまうという出来事があり、会社としては防ぎきれないような内容や個別事象だっただけに、その時は驚きました。今でもそうですけど、社員が増えると直接私と話す機会がどんどん減ってしまいます。全員とは話せないので話す人を選ぶようになると、どうしても階層ができてしまいます。そうすると、全員に伝わる頃には、私が本当に伝えたかったことが薄れてしまい、常に難しさを感じています。

――考えを伝えるために工夫されていることはありますか?

黒佐:週に一度、全社員でミーティングを行っています。その場を借りて、できる限り直接私の言葉で話し、理解し合えるように努力しています。

採用時に重視するのは“なぜここを選んだか”

――採用の際に重視されていることはなんですか?

黒佐:私が担当する最終面接では、その方のビジョンやマインドが弊社とマッチするかどうか、というカルチャーフィットの部分を重視しています。また、何よりも重要なのは、なぜ弊社を選ぶのかという理由です。現在は売り手市場なので、ある程度のスキルがあれば選択肢は無限にあります。その中で、“なぜマツリカを選ぶのか”を明確に言語化して伝えてほしいと考えています。同様に、弊社からも“なぜあなたを選ぶのか”について明確に言語化して伝えるようにしています。

現場が使いたくなる営業支援ツールへ

――今後の展望(挑戦していくこと、目指す方向性など)を教えてください

黒佐:顧客管理ツールは管理をする側のツールなので、管理者向けにつくられていますが、実際に使うのは現場の人間です。弊社のツールはひたすら現場の人間を第一に考えてつくり続けてきました。個人では使いたいアプリを選ぶのが当たり前なのに、会社では使いにくいツールを仕方なく使うということに、私は以前から違和感がありました。仕方なく使うツールではなく、使いたいと思ってもらえるツールを提供し、その結果、働くこと自体も楽しんでもらうきっかけにしてもらえるように日々取り組んでいます。

――営業職に苦手意識を持つ方々も、志すきっかけになるかもしれませんね

黒佐:営業は辛くて人気がないといわれていますが、私自身は営業という仕事は本当にクリエイティブであると感じています。目の前の課題に対してソリューションを提供し、ストーリーをつくる仕事だからです。では営業職の何が辛いかというと、数字や目標達成なのだと思います。『Mazrica』というツールは会社の情報を自動的に収集し、提案方法などに関してもアドバイスをくれるので、お客様のストーリーをつくるヒントを提示し、目標達成のための手助けをしてくれます。

営業職に苦手意識がある方にとって、『Mazrica』が苦手意識をなくすきっかけになると嬉しいですね。将来的には、テクノロジーを通して“創造性高く遊ぶように働ける環境を創る”という弊社のビジョンを実現し、働き方自体を変えていきたいと考えています。

***

近年、働き方の多様化が進んでいます。出社をしても、執務室で黙々と“作業だけ”するのであれば、自宅でよいですよね。事前に準備をした話し合いではなく、他愛もない予期せぬ会話の中に、成功を巻き起こすヒントがあるのかもしれません。偶発的な会話が生まれるオフィスづくり、是非、参考にしてみてください!

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