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近年注目の「パープル企業」とは?社員の成長のために改善できるポイントを解説

近年、働き方改革が進む中で注目を集めているのが「パープル企業」です。ブラック企業が劣悪な労働条件や過剰な労働時間を課し、ホワイト企業が良好な労働環境と従業員の幸福を重視するのに対し、パープル企業はどのような特徴を持つのでしょうか?本記事では、パープル企業の定義、メリットとデメリット、さらには企業と社員の成長を両立させる方法について詳しく解説していきます。

パープル企業とは?

パープル企業とは、ストレスが少なく、働きやすい環境が整っている企業を指します。こうした企業では、労働条件が良く、過度なプレッシャーやハラスメントが少ないため、従業員は安心して働くことができます。しかし、その反面、業務内容がルーチンワークに偏っており、新しいスキルの習得やキャリアアップの機会が限られているため、仕事に対するやりがいを感じにくいという側面があります。このため、パープル企業は「ゆるブラック企業」とも呼ばれることがあります。

また、パープル企業は短期的には安定した労働環境を提供しますが、長期的にはキャリア形成が難しいという課題が指摘されています。従業員が自己成長を目指す場合、こうした企業での経験がキャリアの足かせになることもあり得るため、注意が必要です。

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まずは確認!パープル企業診断

あなたの会社がパープル企業かどうかを診断してみましょう。以下のような方針で経営していないでしょうか?当てはまる項目を数えてみてください。

  • 残業は一切禁止している
  • 社員の給与は業界平均程度あればよいと思う
  • 社員の昇給や昇進よりもワークライフバランスを優先している
  • 社員にノルマや目標を課していない
  • 離職率は低い
  • 職場の雰囲気が悪くなるので社員同士の競争意識は持たせない
  • 心理的安全性を確保するため、他人の意見を否定しないように社員たちに指導している
  • スキルアップについては社員たちの自主性に任せている
  • 会社の成長よりも安定性を重視している

これらの項目に当てはまる点が多ければ多いほど、パープル企業の可能性が高いといえます。3〜5個ならパープル企業の傾向があり、6個以上当てはまるとパープル企業の可能性が高くなります。

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パープル企業のよい特徴

パープル企業には、社員にとって魅力的な特徴がいくつかあります。ここからはパープル企業のよい特徴について見ていきましょう。

業務に対するストレスが少ない

パープル企業では、社員の心身の健康を重視し、過度な業務負担を避ける傾向があります。ノルマや数値目標が設定されていないため、プレッシャーを感じることが少なく、心にゆとりを持って仕事に取り組めるでしょう。

また、残業が少なく、定時退社が当たり前の文化が根付いているため、ワークライフバランスを保ちやすい環境が整っています。こうした仕組みにより、業務に対するストレスが少なく、長期的に安定して働くことができるでしょう。

社内の人間関係が良好

パープル企業では、社内の人間関係が非常に良好であることが特徴の一つです。社員同士のコミュニケーションが活発で、互いに協力し合う雰囲気が醸成されています。上司と部下の関係も良好で、ハラスメントなどの問題が起こりにくい環境が整っているのです。

また、社内イベントや懇親会なども頻繁に開催され、部署を超えた交流が盛んな企業も多いです。このような良好な人間関係は、社員のモチベーション向上や業務効率の改善にもつながります。

離職率が低い

従業員の満足度が高く、働きやすい環境が整っているため、離職率が低いのもパープル企業の特徴です。社員が長期間働き続けることで、自社知識の蓄積が進み、会社全体の生産性向上にもつながります。また、新規採用にかかるコストや時間を削減できるため、経営的にもメリットがあります。

パープル企業の悪い特徴

一見快適な職場環境に見えるパープル企業ですが、実は悪い特徴も潜んでいます。例えば、以下の2つが問題点として挙げられます。

社員のスキルアップが見込めない

業務内容がルーティンワークが中心で、チャレンジや責任が少ないため、スキル向上の機会が限られがちです。また、社内の競争が少ないことで、モチベーションが低下しがちで、自己改善やスキルアップに対する意欲が削がれることもあります。社員の居心地のよさを優先するあまり、新しい技術や知識の導入に消極的になることもあり、キャリアの成長が遅る可能性があります。

給料が上がりにくい

社員の業務負荷が低くストレスの少ない環境が整っていますが、その反面、給与面での変動も少ない傾向があります。業績向上や新しい価値創出への取り組みが少ないため、給与アップの機会が限られてしまうのです。また、社員の成長が緩やかなため、昇給や昇進のペースも遅くなりがちです。長期的に見ると他の企業と比べて給与水準が低くなる可能性があり、社員の経済的な満足度が低下する恐れがあります。

パープル企業であることによるリスク

パープル企業は一見理想的に思えますが、実は企業にとって重大なリスクを伴う可能性があります。まず、スキルアップの機会が乏しいため、社員の成長が遅れ、企業の競争力が低下する恐れがあります。市場の変化に対応できないまま、競争力が著しく減少するリスクが高まります。

また、給与が上がりにくい環境では、社員のモチベーションが低下しやすく、優秀な人材の流出を招く可能性があります。さらに、新たな人材の獲得も難しくなるため、企業全体の成長が阻害されることになります。こうした状況が続くと、企業の長期的な発展が危うくなり、競争力を維持するのが難しくなるでしょう。

企業・社員の成長を促すためには

パープル企業が持続的な成長を遂げるためには、社員の成長と企業の発展を両立させる取り組みが不可欠です。以下のような取り組みを実施してみましょう。

適度に負荷をかけたストレッチ目標の設定

パープル企業から脱却するためには、適度な負荷をかけたストレッチ目標の設定が効果的です。社員の能力を少し超えた、しかし達成可能な目標を設定することで、成長の機会を提供します。これにより、社員は自身の限界を押し広げ、新しいスキルを習得することができます。ただし、目標設定の際は個々の社員の能力や経験を考慮し、過度なストレスを与えないよう注意が必要です。

キャリア面談の実施

キャリア面談は、社員の成長と企業の発展を両立させる重要な取り組みです。定期的に上司や人事部門と面談を行うことで、社員の希望や課題を把握し、適切なキャリアパスを提示することができます。面談では、現在の業務に対する満足度や将来のキャリアビジョンについて話し合い、必要なスキルアップの機会を提供しましょう。

教育体制の整備

社員のスキルアップを促進するためには、体系的な教育体制の整備が不可欠です。上長の業務を部下が対応できるようにするため、段階的な研修を導入しましょう。基礎的なスキルを習得する研修から始め、徐々に高度な業務へと移行していきます。オンラインの学習プラットフォームを活用し、社員が自分のペースで学べる環境を整えるのも効果的です。このような教育体制を整備することで、社員全体のスキルが向上し、組織の生産性と競争力が高まります。

利点を活かしつつパープル企業から脱却を

パープル企業の利点を活かしつつ、成長を促す環境づくりが重要です。社員の居心地のよさを重視する姿勢は維持しながら、適度な刺激を与えることで企業と社員の成長を両立させましょう。福利厚生の充実や残業の抑制、良好な人間関係といった強みを引き続き保ちつつ、キャリア面談の実施や教育体制の整備を通じて、個々の成長をサポートします。このようなバランスの取れたアプローチにより、パープル企業の優れた特長を維持しながら、より健全で発展的な組織へと進化することができるでしょう。

まとめ

パープル企業には長所と短所があります。ストレスが少なく人間関係が良好な反面、成長の機会が限られる可能性があります。企業と社員双方の成長のためには、適度な目標設定やキャリア支援、教育体制の整備が重要です。パープル企業のよい面を活かしつつ、適切な成長戦略を取り入れることで、より健全な組織づくりが可能になります。働きやすさと成長のバランスを取ることが、これからの企業に求められる重要な課題といえるでしょう。

*maroke,Tama2u,Makistock,metamorworks,fizkes,MMD Creative,PeopleImages.com – Yuri A,krungchingpixs / shutterstock

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