試練の時期に立ち止まらないことで掴んだ成長!株式会社カウンターワークス代表取締役CEO 三瓶直樹氏にインタビュー
時代の最先端をひた走る経営者にインタビューし、その成功の秘訣を探る本連載「成功を掴んだターニングポイント」。
今回は、株式会社カウンターワークス(COUNTERWORKS) 代表取締役CEO 三瓶直樹氏にお話を伺いました。
株式会社カウンターワークスは、“すべての商業不動産をデジタル化し、商いの新しいインフラをつくる。”というミッションのもと、ポップアップストアや催事などの場所検索・予約ができるプラットフォーム『SHOPCOUNTER(ショップカウンター)』や、オンライン上でのテナント募集・管理を支援する商業施設向けSaaS『SHOPCOUNTER Enterprise(ショップカウンター エンタープライズ)』を展開しています。
今回は、株式会社カウンターワークスの直近のオフィス移転から今後の展望に関して、経営の本質に直結する“問い”を投げかけてみました。
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代表取締役CEO
三瓶直樹
サイバーエージェントグループにて広告代理業に従事、その後株式会社フリークアウトの創業に1号社員として参加。 セールスマネージャー、ビジネス開発マネージャー、社長室長、子会社社長を経て上場後に退社。2014年にカウンターワークスを創業。
オープンで自由度の高い空間づくり
――今回のオフィス移転の背景について教えてください
三瓶直樹(以下、三瓶):社員数の増加に伴い、以前のオフィスが手狭になったことが移転の主な理由です。また、事業拡大を目指す中で、さらなる成長を実現するために、組織の拡大も必要だと感じていました。
――移転にあたって特にこだわった点があれば教えてください
三瓶:新しいオフィスは、時代の変化や消費トレンドを感じられる商業エリアを候補地に選びました。また、“意志ある人と、自由をつくる。”という弊社のビジョンに基づき、オープンで自由度の高い空間を作りたいと考えました。そのため、会議室以外のスペースには区切りを設けず、社員が自由に活用できる設計にしています。
さらに、弊社の事業に関連して、オフィスの入口には商店をイメージしたのれんを付け、動線を広くデザインすることで商業施設の雰囲気を取り入れました。
――フォンブースも複数ありますね
三瓶:オンラインでの打ち合わせ時に使用しています。移転前は、社員が一人で大きな会議室を使ったり、自席で打ち合わせをしていたため、雑音がお客様に聞こえてしまい、ご不便をおかけすることがありました。フォンブースという個室空間を設置することで、その不便が解消され、社員からも喜ばれています。
三瓶:また、社内にはゲーム部があり、週末にはオープンスペースでボードゲームを楽しむ姿も見かけます。自由に使える空間は社員にも好評です。
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未来を見据えたコロナ禍での戦略的判断
――今までで印象に残っているターニングポイントを教えてください
三瓶:弊社はリアル店舗の出店をサポートするサービスを提供していますが、2020年のコロナ禍では、出店希望者が激減し、非常に厳しい時期を迎えました。
一方でそのような状況が、従来の長期間を前提とした店舗賃貸借契約がスタンダードである現状に改めて疑問を抱くきっかけにもなりました。借り手側は長期契約のリスクをこれまで以上に強く感じるようになり、より短期的かつフレキシブルに店舗を利用したいというニーズが急速に高まりました。
また、不動産管理者もそのニーズに応えないと、なかなか借り手が見つからないという現実があり、結果的に我々のサービスがより求められるようになりました。そういった意味で、コロナ禍は私たちにとって大きな試練であると同時に、成長のターニングポイントでもありました。
――その際に行った判断や実施した施策で、成功したと思えることがあれば教えてください
三瓶:緊急事態宣言のような状況は長く続かないと予測し、将来的に世の中が少しずつ元に戻ることを見据えて、今できることを考えました。そして、新たな事業の構想を立ち上げました。
この取り組みが、弊社の2つ目のサービスである『SHOPCOUNTER Enterprise』につながり、現在非常に成長しています。既存のサービスのニーズが低迷している時期に、立ち止まらず将来に向けた準備を進めたことが、成功を収めることができた要因だと考えています。
つくる過程から自分も参加したいという方と働きたい
――採用時に重視していることを教えてください
三瓶:私は最終面談に関わることが多いのですが、その際にはスキルの話はほとんどしません。主に、その人の人柄や考え方、弊社のミッションやビジョンにどれだけ共感していただけるか、大事にしている行動指針やバリューに対する理解を確認します。その中で、お互いにフィットするかどうかを見ています。
――どのような方が御社にマッチすると思いますか?
三瓶:すでに整った環境で活躍したいという方よりも、まだ整っていない状態から自らプロセスを作り上げていくことに挑戦したい方がマッチすると思います。
また、弊社は不動産の領域でビジネスを展開していますが、この業界は短期間で何かが大きく変わるということもあまりなく、変化をもたらすには比較的時間がかかる市場です。長期的な視点で実験を繰り返すような感覚が求められます。そうしたアプローチを理解し、途中で諦めない姿勢を持つ方かどうかを重視しています。
煩雑な業務に費やす時間を、価値を生み出す時間に変えていく
――今後の展望を教えてください
三瓶:弊社は“すべての商業不動産をデジタル化し、商いの新しいインフラをつくる。”というミッションを掲げ、商用利用を目的とした不動産というBtoBの領域で事業を展開しています。この分野では、デジタル技術を活用して“お客様により良い体験を提供する”や“業務を効率化する”といった取り組みが、他の産業と比べて遅れていると感じています。
例えば、出店を検討している事業主が物件を探す時間や、物件を見つけてから契約までのやり取りにかかる時間は、直接的には世の中に価値を生み出しているわけではありません。
このような時間をデジタル化によって削減できれば、より多くの時間を価値創造やお客様へのサービスに充てることができます。今後も、この目的に資する製品やサービスを展開し、より良い社会の実現を目指していきます。
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家族や友人、大切な人とふらっと立ち寄った商店街や百貨店で、自分が知らなかったお店のポップアップと出会い、ワクワクしたことってありませんか?そのワクワクするお店を選び、出店させることが『リーシング』といわれる業務です。実は、まだまだエクセルと紙で管理していることもあるそう。私たちのワクワクした体験の裏側には多くの方々の多くの業務が隠れています。ここにデジタルを活用することで、世の中に価値を生み出す方に集中していく。まさにデジタル化の醍醐味があると感じました。
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