登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 経営・財務 > 脱炭素は企業の経営戦略の時代へ!e-dash株式会社代表取締役社長 山崎冬馬氏にインタビュー

脱炭素は企業の経営戦略の時代へ!e-dash株式会社代表取締役社長 山崎冬馬氏にインタビュー

2024.11.18

時代の最先端をひた走る経営者にインタビューし、その成功の秘訣を探る本連載「成功を掴んだターニングポイント」。

今回は、e-dash株式会社代表取締役社長 山崎冬馬氏にお話を伺いました。

e-dash株式会社は、企業や自治体向けにCO2排出量を簡単に可視化するサービスプラットフォーム「e-dash」を提供しています。また、可視化だけにとどまらず、排出量削減に向けた施策実行の支援まで一気通貫で実施しています。

今回は、e-dash株式会社のターニングポイントから今後の展望に関して、経営の本質に直結する“問い”を投げかけてみました。

e-dash株式会社
代表取締役社長
山崎冬馬

2007年に早稲田大学大学院を卒業後、三井物産に新卒で入社し、主に発電プロジェクト等の新規インフラ案件開発及びM&Aに従事。2015年に米シリコンバレーに駐在し、エネルギーやモビリティ等のクリーンテック分野でのベンチャー投資・事業開発を担当し、複数のスタートアップ企業の取締役に就任。 帰国後、e-dashの事業を企画・立案し、2022年e-dash株式会社の設立と同時に代表取締役社長に就任。
中小企業経営の課題を解決する情報をお届け!メルマガ登録はこちらから

お互いの雰囲気を感じながら働けるオフィス

――創業から2年でのオフィス移転。きっかけはなんだったのでしょうか?

山崎冬馬(以下、山崎):弊社の脱炭素事業は、もともと三井物産の新規事業としてスタートしました。そのため、以前は三井物産本社に近い大手町のシェアオフィスで事業を行っていました。しかし、事業の成長に伴い社員数が増加し、オフィスが手狭になったことから、今回の移転を決断しました。

――移転に際し、特に注力した取り組みはありますか

山崎:オフィス中央にバーカウンターを設置し、社内のコミュニケーションのハブにしています。手前のスペースは、社外の方をお招きできるパブリックな空間とし、床にコンセントを設置せず、机も可動式にして、さまざまな用途に対応できるように設計しています。一方で、奥の執務スペースはよりプライベートな環境として整え、社員が集中して作業できるように、フロアのライトも異なるものを使用しています。

また、広い一つの空間の中で、会議が行われている様子や、社員同士が立ち話をしている様子が見え、みんなが頑張っている姿をお互いに感じられるような空間づくりに注力しました。

山崎:会議室の名前は“木、火、土、金、水”の五行にちなんでいます。五つの要素が互いに強め合い、バランスを保つ状態は、会社組織の調和と非常に近いと感じています。さらに、会議室内には、私がSNSで知ったアーティストに描いていただいた絵を飾っています。e-dashという社名や、スピード感を持って仕事をするという躍動感を力強く表現していただき、オフィスの象徴となっています。

 

――社員の皆さんからの評判はいかがですか

山崎:社員同士のコミュニケーションが円滑に取れるようになり、業務効率が向上したと社員からも好評です。

【こちらもおすすめ】働きやすいオフィスは「社員全員」でつくる!オフィスカイゼン活動の進め方とは

脱炭素は中小企業の強みになる

――御社の事業について詳しく教えてください

山崎:企業や自治体の脱炭素に向けた総合的なサポートを展開しています。まずは、CO2排出量をしっかりと可視化した上で、削減目標を設定し、その目標の達成に至るまでを、一貫してご支援しています。

――中小企業における脱炭素への取り組みについて、どのような影響があるとお考えですか

山崎: 中小企業の経営者からは「脱炭素は大企業が取り組むもの」などという声もよく聞きます。しかし、サプライチェーン全体でCO2排出量情報の開示・削減を求める動きが加速する中、大企業がサプライヤーである中小企業に自社の排出量の可視化や削減を求める事例がますます増えてきています。

また、人材確保や資金調達の観点でも重要性が増しています。最近の若い世代は環境意識が非常に高く、環境課題に積極的に取り組んでいる企業に対して魅力を感じる方々が増えています。さらに、環境指標連動型の融資も広がりを見せており、中小企業でも環境への取り組み次第で通常より有利な条件で融資を受けることができるようになっています。

つまり、脱炭素は業種や企業規模を問わず、すべての企業にとって、経営に直結する重要なムーブメントになってきていると言えるでしょう。

社員の入社ごとに勢いが加速

――急成長をされている中で、印象に残っているターニングポイントはありますか

山崎:考えてみたのですが、“これがあってこうなった”というのはあまり思い浮かびませんでした。創業から今日に至るまで、真面目にがんばってきたら今に至ったという感じです。

ただ、今のメンバーに囲まれて働く中で感じるのは、「あのタイミングであの人が入っていなかったとしたら、こんなことは実現できていなかっただろうな」というタイミングは非常に多くあります。弊社のミッションに共感し、メンバーに加わっていただいた方々の参画が、ターニングポイントといえるかもしれません。

バックグラウンドが異なるメンバーが活き活きと働くチーム作り

――社員の皆さんが活躍されているからこそのターニングポイントですよね。採用時には何を重視されていますか

山崎:まず、弊社のミッション・バリューズに共感していただけることが最も重要です。

「e-dash」のサービスのミッションは“脱炭素を加速する”です。もちろん企業として成長は目指していますが、同時に“脱炭素社会の実現”に事業を通じて貢献することを大切にしています。メンバーにも「ダブルボトムライン(利益の追求と社会貢献の両立)を達成したい」という気持ちを持ってくれている方がとても多いです。

――どういう人を求めていますか

山崎:創業から2年、急激な成長を遂げているスタートアップですので、受け身ではなく、自分で課題を見つけて設定し、周囲に働きかけ、能動的に行動できる方を求めています。また、弊社は多様なバックグラウンドを持つ社員で成り立っていますので、チームで働くという意識を持っていることも重視しています。

現在、毎月次々と新社員が増えている状況であり、早くオンボーディング(新しい社員を戦力化するための施策)を実施し、一体となって仕事を進めるためにも、組織としてフラットでオープンなコミュニケーションを心がけています。

脱炭素は日本中みんなで取り組む必要があります

――今後の展望を教えてください

山崎:脱炭素社会の実現が国の目標として掲げられていることは、皆さんご存じだと思いますが、企業側では何をすべきか分からず、なかなか進まないという現状があります。

地方での脱炭素を推進するためには、金融機関の果たす役割が非常に大きいです。私たちは金融機関と連携し、各地域でさまざまな企業の脱炭素を支援する展開を進めています。現在、提携している金融機関は200を超え、全国のほぼすべての都道府県に広がってきています。

今後も、さまざまなパートナーと協業しながら、企業の脱炭素への取り組みに伴走し、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していきたいと考えています。
【参考】第1節 脱炭素化を取り巻く動向/国土交通省

***

同じフロア内でも空間ごとにまったく異なる空気感が漂うオフィスですが、全体として非常に一体感がありました。それぞれ異なるバックグラウンドを持つ方々が互いを尊重し合いながら、同じミッションを目指して躍動する、強い組織そのものを体現しているようです。また、年に2回開催されるオフサイトミーティングは、社外で行い、組織の一体感をさらに高めているとのことでした。組織作りにおいても、非常にフラットな文化が根付いているのが印象的でした。

【まずはここから】オフィス移転・改装・レイアウトお問い合わせはこちら