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8割以上の企業が直面する社内コミュニケーションの課題!解決には飲み会が効果的?それとも不要?

2024.10.22

社内コミュニケーションは、企業の成長と発展に欠かせない重要な要素です。しかし、多くの企業がこの分野で課題に直面しています。リモートワークの普及により、コミュニケーションに対する考え方が変わりつつあるのです。近年は、飲み会のような対面コミュニケーションが難しくなってきており、企業には新たな施策が求められています。

本稿では、飲みニケーションのメリット・デメリットを分析し、これからの時代に適した社内コミュニケーションの形を探ります。

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8割以上の企業が社内コミュニケーションに課題あり

近年、多くの企業が社内コミュニケーションに課題を抱えています。株式会社月刊総務が行った調査によると、実に84.8%の企業が社内コミュニケーションに課題があると回答しました。また、“アフターコロナにおいて、社内コミュニケーションの方法に変化があったか”という質問に対して、約6割が「変わった」と答えています。

その中でも、オンラインによる変化を感じる人が多く、リモートワークの普及がその要因と考えられます。オンライン環境により柔軟な働き方が可能になった一方で、コミュニケーションの取りづらさが新たな課題となっています。

効果があった施策ランキング。1位は「飲み会」

飲み会は従来からよく利用されてきたコミュニケーション手段ですが、調査では、効果があったコミュニケーション施策として、「飲み会」が32.6%で最も多く回答しています。トップ3の施策は以下の通りです。

1位:飲み会(32.6%)
2位:1on1(29.2%)
3位:レクリエーション(28.1%)

この結果から、多くの企業がオフラインでのコミュニケーションの必要性を認識しているといえるでしょう。一方で注目すべき点は、社内コミュニケーションの課題として“社員の参加意識の醸成”が最も多かった点です。63.5%の企業がこの課題を抱えており、社員の積極的な参加を促すのが難しいと感じている企業が多い状況です。
【参考】8割以上の企業が社内コミュニケーションに課題あり。具体的な課題は「社員の参加意識の醸成」が最多。効果があった施策1位は「飲み会」/PR TIMES

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飲み会によるコミュニケーションのメリット

飲み会の最大のメリットは、リラックスした雰囲気の中で本音の会話ができることです。オフィスではいいづらい話題も、お酒の力を借りれば率直に話せるようになるでしょう。普段接点が少ない社員同士が部署や役職を超えて交流できる点も、飲み会の大きな魅力です。また、飲み会によって組織全体の一体感が増し、チームの結束も期待できます。

さらに、日常のストレス発散にもつながり、翌日からの仕事に対するモチベーションが向上することも期待できます。

飲み会によるコミュニケーションのデメリット

一方で、現代の働き方や価値観にそぐわないとして、飲み会文化のデメリットも顕在化しています。特に若い世代にとっては、飲み会への参加が負担と感じられることが多く、ワークライフバランスの観点からも業務時間外の拘束に対する抵抗感が高まっています。

飲みニケーションは課題も多い

飲み会でのコミュニケーションには、いくつかの課題があります。参加への強制感もそのひとつです。“任意参加”とされていても、実際には参加を断りづらい雰囲気があるケースも少なくありません。株式会社識学が会社員を対象に実施した調査では、職場の飲み会の参加について、36.3%が「任意だが強制に近い」と回答しています。

また、アルコールに関する問題もあります。飲酒を強要されたり、酔った上司からのセクハラやパワハラを受けたりするケースも少なくありません。さらに、プライベート時間の侵害も大きな問題です。なかには、無理に時間をつくって参加しなければならないケースもあり、不満を感じている社員もいます。

職場の飲み会に「参加したくない」50.7%という調査も

今回の調査結果によると、職場の飲み会に対する意識に大きな変化が見られます。職場の飲み会に「参加したくない」と回答した人が50.7%に上りました。

一方で「飲みニケーション」については、全体の51.0%が「必要だと思う」と回答しており、「仕事を離れて親睦を深めると、仕事中とは違った見方ができる」といった意見もありました。また「飲みの場でなくてもコミュニケーションはとれる」と必要ないとの意見もありました。つまり両者とも、何らかの形でコミュニケーションの重要性を感じていることが伺えます。
【参考】“飲みにケーション”に関する調査ー職場の“飲み会”に参加したくない50.7%/PR TIMES

オフィスにバーカウンターを設置する企業も

飲み会のコミュニケーションは、メリットとデメリットが混在しています。そんな飲み会に対するハードルを下げ、参加意欲を高めると期待されているのが、オフィス内のバーカウンターの存在です。近年、オフィス内にバーカウンターを設置する企業が散見されるようになりました。

バーカウンターの設置の狙いは、偶発的なコミュニケーションを促進し、異なる部署の社員同士の交流を活性化させることです。社員同士が気軽にお酒を飲みながらコミュニケーションを取れる場を作ることで、よりフランクな社内交流が促進されます。

株式会社アールナインは、オフィス移転をきっかけにバーカウンターを設けた企業の一つです。代表取締役の長井亮氏は、バーカウンターをつくった理由を「社員同士の交流を目的としたほか、『弊社にお客さまをお呼びして、一緒に食事をする機会をつくりたい』という狙いもありました。コロナ禍を経て、お客さまとリアルに会う機会が激減したことも背景にあります」と話します。

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まとめ

8割以上の企業が社内コミュニケーションに課題を感じている中で、飲み会が効果的だという認識が根強く残っています。しかし、会社員の50.7%は「飲み会に参加したくない」と答えており、企業側の認識とのギャップが浮き彫りになっています。飲み会はリラックスした環境での本音トークやチームの結束を強化する一方で、強制感やアルコールによるハラスメント、プライベート時間の侵害など、デメリットも無視できません。

今後は、飲み会だけに依存しない形で、従業員がコミュニケーションを取りやすい環境の整備が、企業の重要な課題となるでしょう。

*fizkes,NDAB Creativity,David Tadevosian / shutterstock
*zak,Mac / shutterstock/ PIXTA(ピクスタ)

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