ハイブリッドワークでも社員がつながる!組織内コミュニケーションを高めるオフィスのアイデア集
ハイブリッドワークは、リモートワークとオフィス勤務を組み合わせた新しい働き方として急速に普及しています。しかしその一方で、従業員間のコミュニケーションが希薄になるという課題を抱える企業も少なくありません。本記事では、こうした悩みを解消するために、ハイブリッドワークのもとで、コミュニケーションを活性化するためのオフィスの事例を紹介します。
目次
ハイブリッドワークの問題点
ハイブリッドワークは、働き方の柔軟性を高め、従業員の働きやすさを向上させると多くの企業に導入されています。しかし、実際の運用では、いくつかの課題が浮き彫りになっています。
例えば、フリーアドレスを導入しても、従業員が同じ席を選ぶ傾向があり、本来の目的である社内交流が生まれにくい状況が発生しています。また、オフィス内で誰が出社しているのかを把握しにくく、人を探すのに時間がかかることもあります。
さらに、出社日が異なることで対面でのコミュニケーションに差が生じ、出社した日にオフィスにいる人数が少ない場合や、業務に集中しすぎて交流がないまま帰宅してしまうこともあります。こうした問題を解決するためには、単に出社させるだけでなく、従業員の意識改革や新たなコミュニケーション手法の導入が不可欠です。
最近のハイブリッドワーク事情
近年、従来のデスクワーク中心のレイアウトから、“偶発的コミュニケーション”を重視したオフィスレイアウトへの転換が進んでいます。ハイブリッドワークの導入により、従業員同士の会話が減少したことが、その背景の一つです。
一例として、交流スペースの設置やワークスペースのオープン化など、気軽に話しかけやすい雰囲気のレイアウトが増えています。オフィスは“従業員同士の交流を促す場所”として再評価されつつあるのです。
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組織内コミュニケーションを促進するオフィス事例
従業員同士のコミュニケーションを活性化させるには、さまざまなシチュエーションで会話が自然に発生するような工夫が必要です。次に、いくつか事例を見ていきましょう。
会話のきっかけを作るオフィス
従業員が共通の話題を持つ場を作ることは、オフィスでのコミュニケーションを促進するための有効な方法の一つです。
例えば、リフレッシュスペースに、従業員が2人いないと利用できない「社長のおごり自販機」を設置するのもよいでしょう。この自販機は2人で社員証を掲げると1本ずつ無料になる仕組みになっています。この自販機を導入することで、上下関係にとらわれず気軽に話しかけやすい環境が生まれます。こうした遊び心のある仕掛けは、オフィス内の雰囲気を和らげ、従業員同士の交流を活発にする効果があります。
離れた場所でも一体感を感じるオフィス
ハイブリッドワークでは、離れた場所にいる従業員同士のコミュニケーションをどう活性化させるかが重要です。例えば、大型モニターを活用して、オフィスと別のオフィスや、オフィスと自宅をリアルタイムで中継することで、同じフロアで働いているかのような感覚を持たせることができます。
こうした取り組みにより、従業員は孤立感を感じにくくなり、組織への帰属意識や一体感を持続できるでしょう。
通りすがりの人に意見を求められるオフィス
オフィスを創造的な交流の場として活用するためには、オープンな打ち合わせスペースが効果的です。半開放型の打ち合わせスペースを設置することで、周囲を通りかかった従業員に会話に参加することを促しやすくなります。これにより、密室では得られない新たな視点やアイデアが生まれる機会を増やします。
また、“集中ワーク”と“偶発的なコミュニケーション”のバランスを取るために、集中できるブースの配置も重要です。これにより、従業員は自身の業務スタイルや気分に合わせて適切な場所を選択できます。
固定しがちな席をシャッフルできるオフィス
フリーアドレス制での席の固定化は、コミュニケーションのきっかけ不足を招く課題です。この問題を解決するために、座席をランダムに割り当てる仕組みが有効です。座席を日替わりで変えることで、マンネリ化を防ぎ、毎回フレッシュな気持ちで仕事に取り組むことができます。
また、自然に他部署のメンバーと接触する機会が増え、偶発的な会話から新たなアイデアが生まれることも期待できるでしょう。
OJTで対話がしやすいオフィス
中途採用者や新入社員に対するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)では、コミュニケーションの促進が特に求められます。効果的なコミュニケーションを促すためには、OJT専用のデスクスペースや、横並びでディスプレイ情報を共有できる打ち合わせブースを用意するとよいでしょう。これにより、リラックスした対話がしやすくなり、研修中の従業員も安心して業務に取り組めます。
また、リモートワーカーとのミーティングにも対応したブースを用意すれば、オンライン・オフラインの参加者全員が一台のモニターで情報を共有することができるようになり、効果的なコミュニケーションが可能になります。
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まとめ
ハイブリッドワークの導入に伴い、オフィスの役割は大きく変わりつつあります。従来の固定された座席配置や閉鎖的なレイアウトではなく、コミュニケーションを活性化させるための工夫が求められています。本記事で紹介した会話のきっかけを生むオフィスレイアウトや、離れた場所にいても一体感を感じられるレイアウトを採用すれば、従業員同士のコミュニケーションが強化されるでしょう。
また、座席を定期的にシャッフルすることや、オープンな打ち合わせスペースを設けることで、偶発的なコミュニケーションの機会を増やすことが可能です。コクヨでは、こうしたオフィスレイアウトに対応した多様な商品や設備を取り扱っています。バリエーションも豊富で、ニーズに応じたカスタマイズが可能です。従業員同士のつながりを強化し、オフィス環境の改善を検討してみませんか。
写真撮影:大畑陽子
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