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資金調達

【運転資金に困ったら】いざというときのために知っておきたい「資金調達方法」4つ

2021.08.18

会社を経営している中で、運転資金の目減りにドキッとしたことはありませんか? また、そうでなくても、拡大計画を練る中で資金繰りに不安になったりすることはよくあるのではないかと思います。今回は、そんなときのために、資金調達の基本を解説します。

資金調達の方法

資金調達というと、下記の表のとおり、融資、増資、補助金などがあげられます。昨今ですと、クラウドファンディングなども注目されていますね。それぞれの調達方法について、返済の要否や調達先の目的は異なります。次項から順に説明していきましょう。

「融資」とは?公庫や自治体の活用も!

融資はよく知られた方法ですのでよくご存じの方が多いと思います。中小企業の経営者にとっても最もなじみの深い調達方法で、金融機関からの借り入れのことを指します。

当然ですが、融資は“返済が必要なお金”です。そして、調達コストとして金利が発生します。経営にとって金利は低ければ低い方が嬉しいのですが、取引条件は“金融期間が算出する格付け”によって決まりますので、売上が安定しない中小企業は、大企業と比較して高めの金利が設定されやすい傾向があります。これは、融資では返済計画の確実性が重視されるためです。

なお、中小企業の味方として覚えておきたいのが『日本政策金融公庫』の各種融資制度です。同庫は“中小企業事業”として、中小企業に融資などの支援をしています。同庫の中小企業事業は“日本経済の活力の源泉であり、地域経済を支える中小企業・小規模事業者成長・発展を金融面から支援する”という事を目的としており、民間の金融機関とは運営の目的が違います。このことから、条件を満たせば利用することができる種類豊富な融資制度を設けていますのでぜひ活用してみてください。

また、各自治体が融資に関しての利子補給制度、補助制度などを設けてくれている場合もあります。制度があるかどうかは、会社の登記している自治体で「××市(区)、利子補給」などで検索をしてみるとよいかと思います。

出資者への還元を考慮!「増資」の仕組みは?

次に、増資に関しての説明していきます。増資による調達は、前述の融資とは違い、“返済は不要なお金”です。資金調達というと、まず増資のことをイメージする方も多いほど、メジャーな方法になります。この方法は株式を発行して第三者(第三者でない場合もありますが)に割り当てる、つまり会社の部分的なオーナー(出資者)になってもらう代わりに資金を得るという仕組みです。

オーナーには、(1)会社の価値を向上させて株価を上げることで株式を売却する際の売却益を得てもらう、(2)安定した利益が出るようになったら配当を出す、などで出資に対するメリットを還元していきます。なお、会社の一部が相手の持ち分になってしまいますので、実施する際にはしっかり増資の戦略である“資本政策”の考え方や仕組みを理解しておきましょう。

一般的には「資本政策は不可逆」といわれているので、オーナーがどのようなリターンを求めているのか、ということの把握することが必要です。基本的には、成長によるキャピタルゲイン(株式の売却益)を期待されていることが多いと理解で問題ないでしょう。この場合、キャピタルゲインが大きくなることが求められるため、事業の成長性が重視されて判断されます。

ちなみに、いきなり事業会社に増資をお願いすることに抵抗がある場合には、公的支援機関である『中小企業基盤整備機構』が実施しているファンド出資などもありますので、調査・検討をしてみてはいかがでしょうか。

政策に基づく目的をもつ「補助金や助成金」とは?

3番目の調達方法は、補助金や助成金です。補助金、助成金は、国や地方自治体からもらえる“返済は不要なお金”です。そして、“補助金”は予算が確保されていて先着順等で枠をとりあうため、要件基準をクリアしていても需給されない場合があり、“助成金”は要件が合えば基本的に受給できるもの、と理解していただければよいかと思います。

補助金や助成金は、国や自治体の“雇用を増やしたい”、“倒産を減らしたい”という政策に基づいた目的を達成するために設定していることがほとんどです。出所は公的なお金、つまり、国民の税金ですので、自社の事業の収益を上げつつも政策に貢献してゆく、という視点も忘れずにもっておくようにしましょう。

受給を目指す際の留意点としては、下記が挙げられます。

(1)書類を揃える必要があり、申請には一定の手間がかかること
(2)計画実施後の後払いとなるケースも多いので、すぐに資金が必要な場合には合わない

【もっと詳しく】
補助金・助成金に関する記事一覧はこちら

商品で還元!「クラウドファンディング」とは?

最後にご紹介するのは、クラウドファンディングです。こちらも“返済は不要なお金”で、大きく分けると、購入型、金融型、寄付型の3種類にがあります。

(1)購入型
クラウドファンディングときいて、多くの人が連想する種類だと思います。調達した資金を開発費用に充て、できあがった商品をリターンとして出資者に還元するパターンが多いので、代金先払いの商品開発に参加しているともいえます。

(2)金融型
株式投資型クラウドファンディングなどが代表例ですが、名前から連想できるように、“増資”に似ていて、株式を割り当てるようなものだもいえます。前述した“増資”と同様に、資本政策やオーナーへの還元などの仕組みの理解が不可欠です。

(3)寄付型
文字通り、ボランティア活動や災害支援などの支援金を募ったりする際の“寄付”などを受けるようなときに多く使われます。

ここからは最も一般的な購入型のメリットとデメリットについて説明します。クラウドファンディングを活用するメリットは、設定から成立までの期間が短いので早期に資金調達ができること、また、それと同時にはじめの顧客を早期に囲い込むことができることがあげられます。

デメリットとしては、リターンの設定によっては思ったより手間がかかる場合があることです。例えば、リターンを発送する作業などがあります。また、クラウドファンディング事業者に支払う手数料に加え、リターンへの対応コストもあるということを覚えておいてください。

また、ファンディングが目標金額を達成した場合にのみ調達成功となるAll-or-Noting型と、金額にかかわらず資金調達となるAll-in型がある事も理解しておくとよいかと思います。希望の金額が集まらなかった場合の手数料が心配であれば、All-or-Noting型を選ぶのも一つの考え方です。この場合、希望額のファンディングが不成立の場合には手数料を支払う必要はありません。

【もっと詳しく】
中小企業の強い味方「クラウドファンディング」で資金調達にトライしてみませんか?

 

以上、今回は4つの資金調達方法とその特徴についてお伝えしました。資金調達はいつ必要になるかわからないものですので、経営者の方なら基礎知識として覚えていていただけたらと思います。

【参考リンク】
日本政策金融公庫融資制度一覧』 / 日本政策金融公庫
ファンドから投資を受けたい』 / 中小企業基盤整備機構
よく見られている補助金・給付金』 / 中小企業庁ミラサポplus 中小企業向け補助金・総合支援サイト
公社で実施している助成金の一覧』 / 東京都中小企業振興公社

* metamorworks / PIXTA(ピクスタ)