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雇用に関わる法律改正まとめ

助成金で賢く人材確保!2021年改正された「雇用に関わる法律と助成金制度」まとめ

2021.09.30

少子高齢化による人材不足のなか、特に中小企業では人材の確保が課題になることが多いのではないでしょうか? このような中、さまざまな背景の人が働きやすい環境を整え、企業が多様な人材を受け入れやすくするように、2021年には法律や助成金制度の改正が行われています。

具体的には、『パートタイム・有期雇用労働法』改正法が中小企業にも適用され、『同一労働同一賃金』の実施が求められています。そして、非正規雇用労働者の正社員化登用を支援する『キャリアアップ助成金』の正社員化コースの制度が変更。また、改正施行された『高齢者雇用安定法』では、高齢者の雇用がさらに促進され、そのための助成金も強化されています。

本記事では、上記の法律や制度について、改正内容と企業の対応のポイントをまとめました。

※最終更新:2021年9月

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中小企業も義務化「同一労働同一賃金」パートタイム・有期雇用労働法の改正施行

正社員と非正規労働者との間の不合理な待遇差の解消を目指して導入された制度『同一労働同一賃金』。この実現に向けて整備された法律『パートタイム・有期雇用労働法』が中小企業においても2021年4月1日から施行されました。

『パートタイム・有期雇用労働法』の改正では、不合理な待遇差かどうかを判断するための基準として、均等待遇規定(第9条)と均衡待遇規定(第8条)が設けられました。

第8条では、正社員と非正規労働者とで(1)職務内容(2)職務内容・配置の変更の範囲(3)その他の事情に差がある場合には、その差に見合わない不合理な待遇差を設けてはならない。

第9条では、正社員と非正規労働者とで就業の実態が同一ならば、待遇に差別があってはならない、と“均等待遇”を定めています。

合理な待遇差の禁止

同一企業内の正社員、その他の非正規労働者が働く職場で、基本給・手当・教育・賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されています。

例えば、社内で正社員と呼ばれる従業員には毎月の交通費が支給され、年2回の賞与が出る一方で、パートタイマーとして働く従業員には交通費も賞与の支給もない、というケースがあった場合、企業はこれらの待遇の差について合理的な理由を説明できないかぎり、その待遇差を解消していかなければならないということです。

従業員の雇用形態と待遇ごとに、待遇の有無、支給要件、計算方法などを整理し、不合理な待遇差があると認められた場合は待遇差を解消していくために待遇の見直し、就業規則の改定、待遇に関する説明文書の作成等を行う必要があります。

労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

また、法改正により、企業は待遇に関する説明義務が強化されました。パートタイム労働者からの求めがあった場合には待遇についての説明義務のほかに、“正社員との待遇の差”について内容やその理由を説明する義務が加わりました。

待遇差に関する説明義務の強化は、言い換えれば、説明のできない待遇差についてはすぐに見直し、待遇差の解消に取り組まなければいけないということです。従業員の待遇差の点検・検討をする際に、説明することを想定して一つ一つの待遇差の整理を行っていくとよいでしょう。

説明の方法は、労働者が理解しやすいように説明内容を記載した資料を添えて、口頭での説明を基本とします。または口頭で説明する内容を全て記載した資料を作成し、交付するなどの方法でも構いません 。

【もっと詳しく】
2021年4月から中小企業も義務化!「同一労働同一賃金」は要注意
【同一労働同一賃金】パートタイム・有期雇用労働法の3つの改正ポイント

中堅企業に役立つ「キャリアアップ助成金」

非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化などの取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度「キャリアアップ助成金」 。2021年度以降、制度見直しに伴う内容変更が行われた“正社員化コース”を中心に、変更点とあわせてご紹介します。

受給額はどれくらい?

有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換、または直接雇用した場合に、企業に助成されます。

中小企業の場合の受給額として、例えば6か月の有期契約を結んだ労働者を正規雇用に転換すると1人あたり570,000円、同じく有期契約を結んだ社員を期間の定めの無い無期雇用労働者に転換する、または期間の定めの無い無期雇用労働者を正規雇用労働者(給与の支給形態、賞与の支給、定期昇給や昇格といった、正規雇用労働者としての待遇を有する社員)に転換すると、1人あたり285,000円の助成支給を受けることができます。

その他、派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として直接雇用した場合 285,000円の加算など各種加算措置もあります。

満たせば助成金がアップする生産性要件とは

生産性の向上で助成率や支給額が上がる“生産性要件”を知っておくことも大切。『キャリアアップ助成金の場合』では、57万円の受給のところが、生産性要件を満たすと72万円に受給額が上がります。

少子高齢化社会において、少ない労働人口でも経済成長を図っていくためには、労働者一人ひとりの付加価値(生産性)を向上した企業を応援するという政府からの課題目標が“生産性要件”です。助成金の支給申請を行う直近の会計年度における生産性がその3年前に比べて、原則6%伸びていることが要件になります。

生産性とは、いわゆる従業員一人当たりの付加価値のことであり、下記の算式で計算されます。

生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課)÷雇用保険被保険者数

2021年4月1日の改正点と注意点は…賃金の増額率が5→3%に

2021年4月1日の改正点で、注意したい点は昇給ルールです。新要件は、正規雇用等へ転換した際、転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金(※)を比較して3%以上増額していること。
※ 基本給および定額で支給されている諸手当を含む賃金の総額であり、賞与は含めないこととします。

5%から3%に変わって導入しやすくなったと考えるかもしれません。しかし、賞与が含まれなくなったことで、正社員になって賞与を増額しても要件を満たせなくなりました。

また、注意しなければならない点は、諸手当の支給の仕方です。賃金3%以上増額の際に含めることのできない手当は、通勤手当、住宅手当、燃料手当、工具手当、休日手当、時間外労働手当、歩合給、精皆勤手当、食事手当です。

逆に考えると、職務給、資格手当、家族手当などの諸手当があれば、増額の際に含めて計算の上、支給しなければなりません。

【もっと詳しく】
2021年の改正事項と注意点は?中堅企業に役立つ「キャリアアップ助成金」

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「改正高年齢者雇用安定法」70歳まで定年引上げの影響

2021年4月1日から改正高年齢者雇用安定法が施行されました。主なポイントは『65歳までの雇用確保(義務)+70歳までの就業確保(努力義務)』で、70歳までの就労確保措置を講じることが“努力義務”となったことに伴い、再就職援助措置などが追加されています。

定年を70歳未満に定めている企業や65歳までの継続雇用としている企業は、次の1~5の“高年齢者就業確保措置”を講じるよう努める必要があるとされています。

1.70歳までの定年引上げ
2.定年制の廃止
3.70歳までの継続雇用制度の導入
4.70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
5.70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
5-1.事業主が自ら実施する社会貢献事業
5-2.事業主が委託、出資等する団体が(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

65歳超雇用推進助成金を活用

高年齢者を雇用する際は「65歳超雇用推進助成金」を活用することもできます。主な受給要件は、就業規則等を次の1から4のいずれかに該当する新しい制度を実施し、就業規則を労働基準監督署へ届出することです。

1.旧定年年齢を上回る65歳以上への定年引上げ
2.定年の定めの廃止
3.旧定年年齢及び継続雇用年齢を上回る66歳以上の継続雇用制度の導入
4.他社による継続雇用制度の導入(他の事業主が引き続いて雇用する制度)

なお、就業規則の定年引上げ等を実施する場合は、社会保険労務士などの専門家等に経費を支出したことが必要になります。

支給額例として、
・対象被保険者 10人未満  70歳以上の定年引上げ 120万円支給
・対象被保険者 10人未満  70歳以上継続雇用制度の導入 80万円支給

などがあります。

2021年4月の改正施行後、65歳未満の在職老齢厚生年金の基準額28万円が47万円に引き上げられました。この改正は、年金受給者がより柔軟な雇用形態で働くことが可能とした改正です。

【もっと詳しく】
【改正高年齢者雇用安定法】中小企業担当者が知っておくべき70歳まで定年引上げの影響

 

少子高齢化で働き手が不足する中、貴重な人手を獲得するためには、多様な人材を受け入れる必要があります。企業の今後の発展のためにも、助成金制度などを活用も検討しながら、さまざまな人が能力を発揮できる環境を整えていきましょう。

* rainmaker,tiquitaca / PIXTA(ピクスタ)

※ こちらの記事は経営ノウハウの泉の過去掲載記事をもとに作成しています。

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