• HOME
  • 労働実務事例

労働実務事例

提供:労働新聞社

このエントリーをはてなブックマークに追加

1カ月変形制で勤務日増やせるか

「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社は、1カ月単位変形労働時間制を採っています。業務の都合で、来月の特定週の土曜日に、社員を午前中だけ出勤させる必要が生じました。
 事前に変形労働時間制のスケジュールを変更し、金曜・土曜を4時間ずつ勤務する形にできませんか。

岩手・M社

[ お答え ]

 1カ月単位変形労働時間制を適用する場合、各日・各週の労働時間をあらかじめ特定する必要があります。「変形期間を平均し週40時間の範囲内であっても使用者が任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない」(平11・3・31基発第168号)と解されています。
 1カ月変形労働時間制を導入している会社でも、一般的には事業年度の開始時には年間の出勤カレンダーが確定しているケースが多いでしょう。すでに、たとえば8月の出勤日・各日の所定労働時間が確定している場合、8月の変形期間開始前に勤務割を組み替えるためには、就業規則等に根拠規定が必要になります。
 ほとんどの会社では、休日の振替規定を設けています。1日単位の振替ですから、所定労働時間8時間の日を休ませ、別の休日に8時間働かせることは可能です。しかし、2日にわたって4時間・4時間働かせることができるか否かは、自明ではありません。
 法律上は、1週1日(あるいは4週4日)の法定休日を確保すれば、それ以外に全日の休日を与える義務はありません。しかし、就業規則上に、休日の与え方を明記すれば、あるいは年間スケジュールを確定してしまえば、特段の断り書きがない限り、暦日単位の休日を与える約束をしたと解するのが妥当でしょう。1日の所定労働時間を2日に分割し、休日数が当初の予定より少なくなれば、それは契約違反です。
 事前に長期の勤務割設定が困難な場合、「就業規則において始業終業時刻、各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続き及びその周知方法を定めておけば、変形期間の開始前までに各日ごとの勤務割を特定することで足りる」(昭63・3・14基発第150号)という扱いとなっています。しかし、この場合も、年間の休日数をあらかじめ固定しているのであれば、その制限を受けます。分割を予定するなら、少なくとも就業規則の休日に関する条文では、確定した公休日のほか「その他会社が指定する日」と記載し、休日の設定に弾力性を持たせる必要があります。



労働新聞社について

閲覧数(6,892)

キーワード毎に情報を集約!

絞り込み検索!

現在636事例

カテゴリ

表示順

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP