労働実務事例
[ 質問 ]
当社では、1年単位変形労働時間制を採用しています。業務繁忙を予定していない期間(特定期間以外の期間)に、突発的な事情で休日出勤させざるを得なくなりました。土・日ともに出勤させると、2週にまたがり12日連続勤務となります。これは、法律違反となってしまうのでしょうか。
佐賀・W社
[ お答え ]
休日は、毎週1回(または4週4日)以上付与するのが原則です(労基法第35条)。「休日を特定すべきことを要求していないが、具体的に一定の日を休日と定めるよう指導する」(昭23・5・5基発第682号)という扱いとなっています。しかし、1年単位変形労働時間制については、連続労働日数の制限が明記されています。
通常期間は連続労働6日が限度、特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間として、労使協定で定めた期間)は「1週間に1日の休日が確保できる日数(=連続12日)」が限度となります(労基則第12条の4第5項)。特定期間以外の期間については、休日を日曜なら日曜に固定しないと、連続6日の要件を満たさなくなります。原則日曜休日の職場で、土・日を連続で労働日とする勤務割を組むと問題が生じます。月曜から6日連続で土曜までの勤務は可能ですが、日曜で7日目になってしまいます。
対応として、まず考えられるのが振替休日ですが、行政解釈(平11・3・31基発第168号)で次のとおり要件が定められています。
① 就業規則で振替の根拠規定を設ける
② 対象期間(特定期間を除く)においては連続労働日数6日以内
③ 特定期間においては1週間に1日の休日確保
振替によって問題を解決するためには、土曜を同一週内の他の日と振り替え、日曜を翌週のいずれかの日と振り替えるほかありません。
それでは、仕事が忙しくて、そうした対応が不可能なときは、どうすればよいのでしょうか。法定休日に労働させた場合、休日割増を支払えば適法に休日を与えたことになり、「代休を与える法律上の義務はない」(平11・3・31基発第168号)と解されています。
お尋ねのケースでは、法定休日は確保されています(第1週の日曜、第2週の土曜)。ですから、土・日を労働日に振り替えるのではなく、法定外休日出勤として適法に処理すれば(割増賃金支払い、36協定等)、「連続労働日の設定」の制限には抵触しません。
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