労働実務事例
[ 質問 ]
当社では、定年退職者の一部を関連会社へ移籍出向させる計画です。移籍出向者の場合、年休カウントはリセットされ、6カ月後に10日与えればよいと聞きます。しかし年休はそのままの日数をキャリーオーバーさせる方針です。年休付与の基準日は、移籍日とするのが正しいのでしょうか。
宮城・H社
[ お答え ]
年次有給休暇の付与日数は、「継続勤務年数」に応じて決まります。継続勤務とは、「労働契約の存続期間すなわち事業場における在籍期間を意味する」と解されています(厚生労働省労働基準局編「労働基準法」)。
移籍出向の場合、「出向元との労働関係はいったん消滅し、新たに出向先との間に労働関係が成立するので、継続勤務とみるのは困難」(前掲書)です。このため、法律的には、移籍して6カ月後に10日の年休を与えれば足ります。
しかし、定年者の継続雇用の場として本社と関係会社の両方を用意する場合、本社で再雇用される人に限って年休の繰越しを認めるのは不公平です。バランスを取るために、移籍出向者にも同様の権利を保障するのは、労務管理上、望ましい措置です。
日数をそのままキャリーオーバーさせれば、日数的には労基法の最低基準を大きく上回ります。しかし、定年前の基準日に基づき年休を付与すれば、移籍出向後初めて年休を付与される時期はまちまちになり、中には1年近い期間が経過するケースもあり得ます。
移籍出向後、少なくとも6カ月経過後には最初の年休を付与しないと、法的に問題でないかという疑問が生じます。年休の付与日数を多くすれば、その分、付与日を遅らせてもよいという規定は存在しないからです。
考え方としては、2とおりあり得ます。
第1は、単に付与日数を増やすのではなく、「勤続期間」の計算上、優遇措置を講じると解釈します。移籍前後の勤続期間を通算させれば、その人は移籍後6カ月が経過した時点で、すでに勤続期間が20年、30年に達しているので、改めて年休を付与する必要はありません(元の基準日に付与)。
第2は、移籍の時点で、前倒しで年休を与えると解釈します。日数は、定年退職時に保有していた日数です。この場合、最初に付与した日から、1年以内に次の年休基準日を設定すれば、違法性は生じません。
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