労働実務事例
[ 質問 ]
平成20年10月から、政管健保が協会けんぽに変わって、都道府県別に保険料率が設定されるという話を聞きました。しかし、都道府県別に独立採算で保険料率を決めると、過疎県・高齢者の多い県の負担は大変なものになると思います。地方の県への補助などはないのでしょうか。
青森・N社
[ お答え ]
平成20年10月以降、当面、健康保険料率は全国一律1000分の82が適用されましたが、平成21年9月から都道府県別保険料が適用されています。
都道府県の保険料率は、「1000分の30から1000分の100までの範囲において」協会が決定します(健保法第160条)。保険料率は、都道府県ごとの保険給付額、総報酬額(標準報酬月額と標準賞与額の合計)の水準等を踏まえて算定されますが、ご質問にあるような「独立採算制」という意味ではありません。
都道府県別に保険料率を設定するといっても、協会けんぽの保険者は全国をカバーする全国健康保険協会です(健保法第4条)。
都道府県には支部が置かれます(同第7条の4)が、それぞれが独立した組織ではありません。
実際に都道府県保険料率を決める際には、年齢構成の違いや所得水準の違いを考慮して調整を行います。年齢構成が高い県では、どうしても病院へ治療に通う高齢者が多くなります。所得水準が低い県では、給付額(分子)が同じでも、総報酬額(分母)が小さいので、結果として保険料率は高くなります。
こうした不合理を解消するために、年齢・所得差に基づく差異を取捨し、基本的に「医療の地域差(一生涯を通して、治療等を受ける機会が多いか否か)」のみを反映する形でベースとなる保険料率を算出します。それに後期高齢者支援金など全国一律賦課分や都道府県の事務費などを上乗せして、都道府県単位保険料率を決定し、最終的には厚生労働大臣が認可します。
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