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労働実務事例

提供:労働新聞社

面接指導が必要な要件は中小零細でも実施義務に?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 零細企業においても従業員が長時間の労働を行った場合には、安衛法により医師による面接指導を受けさせることが必要になったと聞きました。
 この医師による面接指導についてご教示ください。

栃木・J社

[ お答え ]

 長時間にわたる過重な労働は、脳血管疾患および虚血性心疾患等の発症との関連性が強いとする医学的知見を踏まえ、脳・心臓疾患の発症を予防するため、平成17年の安衛法の一部改正により、長時間にわたる労働を行い、疲労の蓄積が認められる労働者に対し、事業者は医師による面接指導を行わなければならないことがすべての事業場で義務づけられました(常時50人未満の労働者を使用する事業場は平成20年4月1日から適用されました)(安衛法第66条の8)。
 この面接指導とは、「問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うこと」とされ、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して定める要件に該当する労働者に対して行わなければならないと規定されています。具体的には、次のとおり定められています。
(1) 事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1カ月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対し、その労働者の申出を受けて、遅滞なく、医師による面接指導を行わなければなりません。ただし、1カ月以内に面接指導を受けた労働者等で、面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除きます。
 この労働時間の要件に該当するか否かの算定は、毎月1回以上、一定の期日を定めて行うこととされ、また、この労働者の申出を受けて、遅滞なくとは、申出後、概ね1カ月以内をいいます(安衛法第66条の8第1項、安衛則第52条の2、第52条の3、平18・2・24基発第0224003号通達)。
(2) 医師は、労働者の勤務の状況、疲労の蓄積の状況その他心身の状況について確認し、労働者本人に必要な指導を行います(安衛則第52条の4)。また、労災認定された自殺事案をみると長時間にわたる労働であった者が多いことから、面接指導の実施の際には、うつ病等のストレスが関係する精神疾患等の発症を予防するためにメンタルヘルス面にも配慮することとされています(平18・2・24基発第0224003号通達)。
(3) 労働者は安衛法第66条の8第1項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければなりませんが、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う同項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する一定の書面を事業者に提出したときは、この限りではありません(安衛法第66条の8第2項、安衛則第52条の5)。
(4) 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、5年間保存しなければなりません(安衛法第66条の8第3項、安衛則第52条の6)。
(5) 事業者は、面接指導を実施した労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後(事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない労働者が他の医師の行う面接指導を受けた場合にあっては、その結果を証明する書面を事業者に提出した後)、遅滞なく医師の意見を聴かなければなりません(安衛法第66条の8第4項、安衛則第52条の7)。通達では、医師の意見聴取については、面接指導を実施した医師から、面接指導の結果報告に併せて意見を聴取することが適当であることとされています(平18・2・24基発第0224003号通達)。
(6) 事業者は、(5)の医師の意見を勘案して、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じるほか、当該医師の意見の衛生委員会等への報告その他の適切な措置を講じなければならないとされています(安衛法第66条の8第5項)。
 また、事業者は、この面接指導を行う労働者以外の労働者であって健康への配慮が必要なものについては、面接指導を実施する、または面接指導に準ずる措置を講ずるように努めなければなりません。この対象者として、①長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、または健康上の不安を有している労働者、②事業場で定める基準に該当する労働者とされています(安衛法第66条の9、安衛則第52条の8)。
 なお、常時50人未満の労働者を使用する事業場は、地域産業保健センターを活用できますので、全国に設置されている同センターの相談窓口にご相談ください。



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