労働実務事例
[ 質問 ]
あるセミナーで、「平成20年4月以降は50人未満規模でも過重労働発生時の医師面接」が義務付けられたと聞きました。当社営業所では、実態としてかなり在社時間の長い所長もいますが、管理・監督者として時間外数を把握していません。面接実施の対象から外すことが可能でしょうか。
大分・B社
[ お答え ]
1カ月の時間外労働が100時間を超え、疲労の蓄積が認められる場合、労働者の申出に基づき、医師による面接指導を実施しなければいけません(安衛法第66条の8)。ただし、常時50人未満の労働者を使用する事業場については、産業医の選任義務がないため、平成20年3月31日まで適用が猶予されていました。
「事業場」の定義(昭47・9・18発基第91号)によると、「出張所等で規模が著しく小さく独立性がないものは直近上位の機構と一括して」取り扱うのが原則です。貴社の営業所が独立の事業場と認められ、規模50人未満であれば、平成20年4月1日以降、「医師による面接」の実施義務を負います。
過重労働が発生していないか否か、その判定は「毎月1回以上、一定の期日を定めて」行う必要があります(安衛則第52条の2第2項)。一定の期日は事業場が自らの判断に基づき決定できますが、解釈例規(平18・2・24基発第0224003号)では「例えば、事業場における賃金締切日が考えられる」と述べています。
賃金締切日には、1カ月の時間外・休日労働時間数を集計するので、それに合わせるのが簡便なためです。ただし、過重労働に該当するか否かの判断は、賃金計算上の時間外数ではなく、次の算式を用いた時間数によります。
1カ月の総労働時間数(労働時間数+延長時間数+休日労働時間数)―(1カ月の総暦日数÷7)×40
管理監督者は時間外規定の適用外ですが、安衛法第66条の8の保護対象には含まれます。「管理監督者自らが、1カ月当たり100時間を超える時間外があり、かつ、疲労の蓄積が認められると判断し、申し出があった場合には、面接指導を実施する」(前掲通達)義務が発生します。過重労働防止総合対策(平18・3・17基発第0317008号)でも、「管理監督者についても、健康確保の責務があることに留意し、労働者に対し、十分な注意喚起を行う」よう求めているので、注意が必要です。
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