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労働実務事例

提供:労働新聞社

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会議出席に応じない社員をフレックス対象者から外せるか

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社では、研究部門を対象にフレックスタイム制を適用しています。会議等を実施する際、個々人には「同意のうえ、指定の時間に集まってもらう」形を採っています。しかし、1人、出席に応じない社員がいて、困っています。例えば、通常の8時間勤務制に戻すことは可能でしょうか。

山形・O社

[ お答え ]

 フレックスタイム制では、清算期間を通算して1週間当たりの労働時間が40時間を超えた分のみを時間外労働として扱います(労基法第32条の3)。その代わり、「始業および終業の時刻を労働者の決定にゆだねる」必要があります。
 ですから、会議等で課内のメンバー等が集まる場合、使用者が一方的に時間を指示することはできず、従業員の同意を取り付けるべきとされています。同意した従業員は、会議の開催時間を中に挟む形で当日の始業・終業時刻を「自発的に」決定することになります。しかし、従業員の中には自分のペース配分を優先し、会議等の招集に非協力的な人もいます。対応策の1つとして、当人にはフレックスタイム制を適用しないという方法は可能でしょうか。
 フレックスタイム制の協定事項は、次の6項目です。
① 対象労働者の範囲
② 清算期間(1カ月以内)
③ 清算期間内の総労働時間
④ 標準労働時間
⑤ コアタイムの範囲(設けないことも可能)
⑥ フレキシブルタイム(同上)
 ①「対象労働者」は労使が話し合って定めますが、「その範囲は各事業場で任意に定められるから、(事業場全体でなく)個人ごと、課ごと、グループごと」に決めることもできます(労基法コンメンタール)。「もともと自主管理を濫用するような者は、フレックスタイムには不適格な労働者」なので、「業務に支障を生じさせる者、著しい過不足時間が繰り返される者、その他フレックスタイム制の適用が不適当と認めた者については適用を除外する」旨、労使協定にうたっておくのがベターです(安西愈「改正労働時間の法律実務」)。
 ただし、頻繁に打ち合わせ等がある場合には、むしろ協定事項⑤の「コアタイム」を適切に設定することで対応すべきで、「角を矯めて牛を殺す」ような愚策は避けなければいけません。



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