• HOME
  • 労働実務事例

労働実務事例

提供:労働新聞社

このエントリーをはてなブックマークに追加

月60時間超える時間外、改正法の適用猶予派遣先で計算か

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社は、資本金2億円のメーカーで、派遣労働者を受け入れていますが、改正労基法についてお尋ねします。月60時間を超える時間外労働に5割の割増賃金を支払う規定には、適用猶予措置が設けられています。派遣社員も含め、当社では適用が猶予されるのでしょうか。

大阪・A社

[ お答え ]

 中小事業主については、当分の間、5割の割増賃金に関する規定(労基法第37条第1項ただし書)は適用されません(同第138条)。現在、厚生労働省ではただし書を廃止にするか否か、検討中です。中小の範囲は、次のとおりです。
・小売業 資本金5000万円または常用雇用労働者50人以下
・サービス業 同5000万円または同100人以下
・卸売業 同1億円または同100人以下
・その他 同3億円または同300人以下
 業種の判断は、「日本標準産業分類に基づく」(平21・5・29基発第0529001号)のが原則です。貴社は「その他の業種」、労働者派遣業・職業紹介事業は、サービス業(産業分類では、サービス業〈他に分類されないもの〉)に分類されます。
 貴社は資本金が3億円以下ですから、適用猶予の対象です。貴社直用の労働者が月60時間超の時間外労働に従事しても、5割の割増賃金を支払う義務はありません。
 派遣労働者は派遣先で就労しますが、派遣元(人材ビジネス会社)の資本金・従業員数を基に適用猶予の有無を判断します。割増賃金の支払義務を定める労基法第37条には、派遣先を使用者と読み替える特例規定は存在しません。派遣先の資本金・労働者数に関係なく、派遣元の資本金が5000万円を超え、「かつ」、派遣労働者も含めた常用雇用労働者数が100人を超えれば、適用猶予の対象になりません。
 時間外・休日労働(36)協定の締結者は派遣元ですが、現実に時間外労働を命じるのは派遣先です(派遣法第44条第2項)。
 しかし、派遣元が適用猶予の対象でない場合に、派遣先が5割の割増賃金支払義務を自動的に負うわけではありません。
 派遣先・派遣元の間で、派遣労働者を時間外労働に従事させた際に派遣料金をいくら(60時間未満と超とそれぞれ規定)とするか、事前に定めておく必要があります。



労働新聞社について

閲覧数(8,525)

キーワード毎に情報を集約!

絞り込み検索!

現在636事例

カテゴリ

表示順

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP