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労働実務事例

提供:労働新聞社

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不規則勤務のパート社員に勤務実績で年休与える?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 年次有給休暇の比例付与について、お尋ねします。パート労働者などは、所定労働時間や週の所定労働日数などに応じて年休を付与しなければならないということですが、業務に季節的な繁閑が生じる場合などは労働時間・日数ともにばらつきがあります。年間の所定労働日数に応じた比例付与日数も定められていますので、これを過去の勤務実績に当てはめればよいのでしょうか。

長野・Y社

[ お答え ]

 雇入れの日から起算して6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10日間の年次有給休暇を付与します(労基法第39条)。しかし、パートなど週の所定労働時間が30時間未満の労働者で、かつ、週所定労働日数が4日以下の労働者については、いわゆる比例付与の日数が与えられることになっています。
 比例付与の場合は、原則として年休を付与する基準日に「予定されている」今後1年間の所定労働日数に応じて年休付与日数を算定します。
 過去1年間の勤務が正社員と同じように週5日間であっても、今後週の労働時間が30時間未満に短縮され、週3日間などで勤務することが決まっていれば、比例付与で算定した年休日数を与えれば足りることになります。労基則第24条の3で定められた「雇入れの日から起算した継続勤務期間の区分」と「週・1年間の労働日数」をみて、付与日数を確認することになります。
 業務の繁閑の差が激しいパートであっても、労働契約の締結時に休日など労働条件を明示するわけですから、契約期間中の労働日数も特定されるはずです。一方、1年のうち数カ月の短期契約を繰り返していて、季節など契約時期によって就労日数が大きく異なるような場合には、年休の付与基準日に今後1年間の労働日数を正確に把握することは難しいといえます。「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(平16・8・27基発第0827001号)では、短時間労働者であって、月・週または日の労働時間が、一定期間ごとに作成される勤務表により、非定型的に特定される労働者などについて、原則として年休の付与基準日に予定されている所定労働日数を算出し難い場合には、基準日直前の実績を考慮して所定労働日数を算出することとして差し支えないこととしています。具体的には、過去1年間の勤務日を月ごとに集計し、この合計日数を労基則第24条の3にある「1年間の所定労働日数」の区分に当てはめることになります。また、同通達では入社して6カ月後に付与する年休日数については、過去6カ月間の勤務実績を2倍したもの(実績が80日であれば、2倍をした「160日」)を「1年間の所定労働日数」とみなして、比例付与することも可能としています。



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