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労働実務事例

提供:労働新聞社

賃金30日分求められたが、内定取消しに解雇予告必要か

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 景況の悪化に伴い、直前で採用内定を取り消す企業が増えています。その際、解雇に準じて事前の予告等が必要なのでしょうか。30日分の賃金支払いを求められたら、会社として応じる義務があるのでしょうか。

東京・O社

[ お答え ]

 一口に内定といっても、企業の採用プロセスは一様ではなく、その法的性質も事実関係に照らして慎重に判断する必要があります。しかし、4月入社が目前のこの時期、正式な「採用内定通知」を受け取っている学生については、労働契約が成立しているとみてよいでしょう。
 判例では、一般に内定を「始期付解約権留保付労働契約」の成立とみなしています。入社期日を定め、それより以前に「取消事由」に該当すれば留保した解約権を行使するという内容です。
 行政解釈でも、「現実に労務の提供をするまでは労働契約は有効に成立しないものではない」(昭27・5・27基監発第15号)と述べています。労働契約が既に成立しているのなら、その解除に当たって労基法第20条(解雇予告)の適用があるか否かという問題が生じます。
 通常、採用内定者は入社した後、一定期間の試用期間を経て、初めて正社員として本採用されます。ですから、入社後、14日を超えて使用されるまでは、解雇予告の適用除外となります(労基法第21条)。「これとの均衡上、試用期間の開始前(入社前)については予告の義務はない」という見解もあります(菅野和夫「労働法」)。
 しかし、前掲行政解釈では、「採用内定通知が労働契約についての承諾の意思表示とみられる場合は、その取消しについては本条が適用される」という立場を採っています。
 内定取消しがやむを得ない事情に基づく場合でも、企業側が信義上必要とされる説明責任等を尽くさない場合には、損害賠償責任を追及されるおそれがあります。実務上は、できる限り速やかに取消しを通知すべきです。予告と予告手当のどちらを選択するかは、企業の判断に委ねられ、学生に指定する権限はありません。
 なお、会社は、「新規学卒者の卒業後、労働させ、賃金を支払う旨通知した後、これを取消し・撤回するときは公共職業安定所または学校等施設の長にその旨を通知する」義務があります(職業安定法施行規則第35条第2項)。



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