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労働実務事例

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欠勤で高年齢継続給付の額増える?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 再雇用の嘱託社員が、病気で長期間休まざるを得ない状況です。高年齢雇用継続給付は、賃金が下がれば給付が増えると聞いています。年休消化後は欠勤で給料が大幅に減りますが、雇用継続給付の金額はどう変わるのでしょうか。

埼玉・D社

[ お答え ]

 高年齢雇用継続給付は60歳到達時等賃金と支給対象月の賃金額を比較し、その低下率に応じて支給率が決まります。低下率が61%未満のときは15%で固定、61%以上75%未満のときは「15%から一定割合で逓減する率」です。
「逓減する率」が適用される範囲内では、ご質問にあるように「賃金が下がれば給付が増える」という原則が当てはまります。
 ただし、低下率を算定する際に、「疾病その他の理由で賃金を受けられなかったとき」は、実際に支払われた賃金ではなくて、「みなし賃金」を用いる規定となっています(雇保法第61条第1項)。みなし賃金を使うのは、次の場合です(雇保法施行規則第101条の3)。
・非行(自己の責めに帰すべき理由、自己都合欠勤など)
・疾病・負傷
・事業所の休業
・その他、公共職業安定所長が定める理由(妊娠、出産、育児、介護など)
 みなし賃金は、「支払いを受けることができなかった賃金がある場合には、支払いを受けたものとみなして」算定した賃金額です。お尋ねのケースでは、病気欠勤により賃金額が減っても、欠勤がなかったものとして扱います。ですから、欠勤前の「低下率」と、みなし賃金額を用いた「低下率」はほとんど変わらないはずです。
 一方、雇用継続給付そのものは、「①支給対象月に支払われた賃金額×②低下率に応じた支給率」の算式に基づいて算出します。①の「支給対象月に支払われた賃金額」には、みなしルールは適用されません。病欠による控除等で賃金が大幅に下がれば、その金額を用いて雇用継続給付を算定します。
 ②の低下率は病欠前と後でほとんど変わらないので、雇用継続給付の金額は、欠勤控除額に比例して低下します。
 丸1カ月間すべて欠勤して賃金が支払われなければ、雇用継続給付もゼロになります。この場合は、老齢厚生年金の一部支給停止が解除されます(厚年法附則第11条の6)。



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