労働実務事例
[ 質問 ]
妊娠中の女性が病気のため健康保険で治療し、傷病手当金も受給しています。
この女性が産前42日の期間に入り、出産手当金を受給できるようになった場合、併給されるのでしょうか。
富山・M社
[ お答え ]
傷病手当金も出産手当金も、支給原因は異なりますが、ともに労務に服することができない期間の生活保障のための給付です。
健康保険法第103条は、出産手当金と傷病手当金の調整について、「出産手当金を支給する場合においては、その期間、傷病手当金は支給しない」と規定しています。
出産手当金が優先されるわけです。
出産手当金を支給すべき場合に傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金は出産手当金の内払いとみなされ、その額だけ出産手当金の額が調整されます(同条第2項)。しかし、出産手当金の支給期間が満了した後、なお傷病手当金の支給を継続すべき状態が続いていれば、引き続き傷病手当金が支給されます。この場合の傷病手当金の支給期間は、出産手当金の支給を受ける前に、はじめて傷病手当金が支給された日から起算して1年6カ月となります。
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