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労働実務事例

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受入期間3年の経過後、3カ月挟むが派遣ダメ?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 派遣受入期間の制限3年が経過後は、3カ月のクーリング期間を挟み、再び労働者派遣を受け入れる予定を組んでいました。しかし、厚生労働省では、そうした対応を認めない方針を示したと聞きます。どうして急に扱いが変わったのでしょうか。クーリング期間の規定に変更があったのでしょうか。

長崎・T社

[ お答え ]

 派遣期間は、専門26業務、育児・介護代替業務等を除き、原則として最長3年と定められています(派遣法第40条の2)。
 派遣契約が一旦途切れても、「前後の派遣契約の間が3カ月を超えないときは、継続して労働者派遣の役務の提供を受け入れているとみなす」(派遣業務取扱要領)扱いとなっています。
 逆にいえば、3カ月を超える期間(クーリング期間)を空ければ、同一の就業の場所・同一の業務であっても、再び派遣を受け入れることが可能で、この規定自体に変更はありません。
 しかし、「単に3カ月を超える期間が経過すれば、新たに派遣の使用が可能とすることは、派遣法の趣旨に反する」(平20・9・26職発第0926001号)と考えられます。
 このため、厚生労働省は、不適切な例を示し、注意を促したものです。
 第1は、明らかに違法性を帯びるケースです。具体的には、「派遣元が、派遣先で元派遣労働者を直接雇用し、クーリング期間経過後、再び派遣形態に戻すことを派遣先と合意する、または派遣労働者に説明する」等の対応が該当します。
 この場合、派遣先は、元派遣労働者が元派遣先で直接雇用されている期間についても、実質的には支配を及ぼしていると考えられます。職業安定法第4条第7項では、「(一定の契約の下に)労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させるもので、派遣以外のもの」を労働者供給事業と呼ぶと規定しています。
 派遣とは、人材ビジネス会社と労働者の間に雇用関係、メーカー等(製造派遣の場合)と労働者の間に指揮命令関係が存在する形態をいいます(派遣法第2条第1項)。人材ビジネス会社と労働者の間に支配従属関係、メーカーと労働者の間に雇用関係が存在する形態は、派遣に該当せず、労働者供給事業に該当します。ですから、職業安定法違反(第44条、労働者供給事業の禁止)となり、認められません。
 第2は、派遣法の趣旨に反し、望ましくないケースです。こちらは派遣元と派遣先の間に上記のような密約がない場合ですが、「直ちに法違反とはならないが、労働者派遣と請負または直接雇用を繰り返している、若しくは繰り返そうとする」ときは、行政機関の助言の対象になります。



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