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労働実務事例

提供:労働新聞社

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36協定の回数守りたいが休日出勤を代休で相殺できるか

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社では、時間外・休日(36)協定で休日出勤は原則として月2回と協定しています。先日、従業員から休日に出勤する回数が協定を上回ったとしても、その分は「代休」を取得すれば相殺され、カウントしないのではないかと質問を受けましたが、どうなのでしょうか。

【千葉・M社】

[ お答え ]

 36協定を締結する際、労基署に提出する協定届に記載しなければならない事項は以下のとおりです(労基則第16条)。
① 時間外または休日の労働をさせる必要のある具体的事由
② 業務の種類
③ 労働者の数
④ 1日および1日を超える一定の期間についての延長することができる時間
⑤ 労働させることができる休日
 その他、休日労働させる日の始業・終業時刻を記入します。始業・終業時刻については、その日に労働させることができる時間数の限度という形で協定しても差し支えありません。
 上記⑤でいう「労働させることができる休日」とは、労基法第35条の法定休日に当たります。
 36協定届の様式(第9号)をみますと、所定休日を書く欄もありますが、これは法定休日も含めたすべての休日を指します。分かりやすく週休2日制の事業場で考えてみると、例えば所定休日を土曜と日曜の2日に設定している場合、36協定に記載する「⑤ 労働させることができる休日」とはそのうちの1日を指します。
 労基法上では、休日を特定する義務はありません(昭63・3・14基発第150号)。しかし、月60時間を超える時間外の割増率(50%)が、法定休日の割増率(35%)を上回ることから、時間外労働が多い事業場では法定休日を特定したほうが有利になります。
 休日のうち、週1回の休日について労働をしたときには3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払い、その他の休日は3割5分未満の率で計算した割増賃金を支払う場合、「最後の1回」について3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うことを就業規則などで定めることも可能とされています(平6・1・4基発第1号)。
 まずは、労働者の休日出勤が、法定休日労働なのか時間外労働なのかを判断する必要があります。休日労働をした後に代休を取得したからといって、休日労働をした事実は消えません。36協定の休日労働の回数にカウントしないのは、「休日を振り替えたとき」です。ただし、この場合は休日を振り替えたことにより週の労働時間が法定の労働時間である40時間を超えるかどうか注意しなければなりません



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