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雇用保険成立届提出を怠ると手続き漏れ期間の保険料いくら?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 雇用保険の保険関係成立届を提出していなかった事業主を対象として、「特例納付保険料」の納付を勧奨する仕組みがスタートしたと聞きます。対象になるのは、どのような事業主で、納めるべき額(特例納付保険料)はいくらになるのでしょうか。

【埼玉・M社】

[ お答え ]

 平成22年3月31日に改正雇用保険法等が公布され平成22年10月1日から施工されています。併せて改正された労働保険徴収法では、「特例納付保険料」の納付に関する規定を整備しています。
 対象となるのは、次の場合です(第26条)。
① 「特例対象者」を雇用していた事業主が
② 雇用保険成立の届出をしていなかった場合
 「特例対象者」とは、雇用保険料を給与天引きされていたのに、事業主の手続き漏れにより、失業給付等の受給面で不利益を受ける人を指します。
 「手続き漏れ者」は改正前の雇用保険法でも公共職業安定所長に確認請求できましたが、「確認のあった日の2年前の日」より前は被保険者期間・所定給付日数の算定基礎期間に含めない規定となっていました。
 しかし、平成22年10月1日施行の改正法では、資格取得届出がなされず、保険料控除の事実が明らかな場合には、2年を超えて遡及計算を認める規定が新設されました。この条件に合致する人を徴収法では、特例対象者と呼びます。
 遡及請求等をする際には、賃金台帳・給与明細・源泉徴収票など賃金控除を証明できる書類を提示します(雇保法施行規則第33条の2)。
 特例納付保険料の対象となる事業主に対し、厚生労働大臣は納付勧奨を行います(やむを得ない事情がある場合を除きます)。勧奨を受けた事業主が納付を申し出た場合、政府は納めるべき保険料の額・期限を通知します。
 特例納付保険料の額は、2年の時効(徴収法第41条)により消滅した保険料のうち特例対象者に係る額(基本額)に10%を上乗せした額と定められました(徴収法施行規則第56条、第57条)。
 時効消滅していない部分については、通常の手続きにより別に保険料の徴収が実施されます(徴収法第19条第4項)。



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