労働実務事例
[ 質問 ]
雇用保険法が改正され、加入要件が「31日以上雇用見込み」に緩和されました。従来、派遣労働者に関しては、就労期間が「飛び飛び」でも、全体として6カ月以上雇用見込みであれば、資格を取得・継続させる扱いとなっていました。今後は、短期の雇用契約(31日以上)ごとに、資格を取得させるのでしょうか。
【大阪・Z社】
[ お答え ]
派遣労働者も、同時に「有期契約労働者」である場合には、一般のパート等と同様に「31日以上雇用見込み、かつ、週の所定20時間以上」という基準を適用して、被保険者に該当するか否か判断します。原則として、1つの雇用契約が終了すれば、その翌日に被保険者資格を喪失します。
しかし、派遣労働者は、同一の事業主の下で、短期の断絶を挟みつつ、あちこちの事業所で働くケースも少なくありません。このため、従来から、「1つの雇用契約が終了しても直ちに資格喪失させない」等の特例が設けられていました。
ただし、派遣労働者すべてが対象ではなく、「派遣労働者のうち常時雇用される労働者以外の者(いわゆる登録型派遣労働者)」のみが、対象となっていた点には注意が必要です。
今回の改正後も、登録型派遣のみを対象として、次の派遣就業開始が見込まれるときは資格を継続させる特例を認めます。
新たな取扱要領は、次のように整理されました。
雇用契約の終期が近付いた時点で、派遣労働者が現在の派遣元の下で派遣就業を希望し、登録している場合には、次の雇用開始が見込まれるものとみなします(資格継続)。
ただし、次のいずれかの事由が生じたときは、最後の雇用契約期間の終了日の翌日に被保険者資格を喪失したものとして取り扱います。
① 派遣労働者が次の派遣就労を希望しない旨を明らかにした場合
② 事業主が雇用契約の終了時までに次の派遣就労を指示しない場合(労働者が同一派遣元事業主の下で派遣就業を希望する場合を除く)
③ 最後の雇用契約期間の終了日から1カ月程度以内に次の派遣就業が開始されなかった場合
④ 他の事業所で被保険者となった場合、または求職活動を行うこととなった場合
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