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労働実務事例

提供:労働新聞社

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復帰後まもなく病気入院で育休後の等級改定必要?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 育児休業から復帰した従業員がいますが、2カ月ほどしてから体調を崩し、現在、入院しています。この方の場合、標準報酬月額の改定を実施すべきなのでしょうか。改定を申請しても、今後の収入実態を反映しないので意味がない気もします。

【茨城・J社】

[ お答え ]

 育児休業後の復職者の場合、原則として育児休業開始前の標準報酬月額がそのまま用いられます。育児休業中は、健保・厚年ともに保険料の支払いが免除されていましたが、復職後は納付義務が生じます。免除の期間は、「育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月」までです(健保法第159条)。
 復職後の報酬が休業開始前の報酬と異なるときは、通常の随時改定による方法(健保法第43条)と随時改定に該当しない場合の特例(育児休業等を終了した場合の標準報酬月額の改定)による方法(同第44条)のいずれかにより報酬月額等級を改定できます。
 特例では、「育児休業終了日の翌日が属する月以後、3カ月の報酬」を基に改定を実施します。随時改定と違って、3カ月のうちに報酬支払基礎日数が17日未満の月があっても改定の対象となります(その月を除外して計算)。1等級だけの変更もあり得ます。
 等級が変更されれば、健保・厚年ともに納める保険料が減少します。変更は、「育児休業終了日の翌日から起算して2カ月を経過した日の属する月の翌月」からとなります。ただし、標準報酬月額等級に変動が生じただけで自動的に改定が実施されるわけではなく、「被保険者が事業主経由で保険者に申し出る」ことも要件となっています。
 お尋ねにある方は、復職後、3カ月が経過しないうちに休職状態になりましたが、3カ月のうち1カ月だけでも報酬の支払基礎日数が17日以上あればよく、3カ月すべて17日以上なくても問題ありません。
 しかし、病気で休職する場合には、保険料軽減のメリットと、傷病手当金減額のデメリットの両方を検討する必要があります。
 傷病手当金は、1日当たり標準報酬月額の過去12カ月平均の30分の1相当額の3分の2が支給されますが、標準報酬月額が改定され、等級が下がれば、受取り金額もダウンします。
 育児休業等終了時の特例で改定した標準報酬月額は、原則としてその年の8月(改定月が7月から12月までのいずれかのときは、翌年の8月)まで使用されます。9月からは、定時決定により新しい標準報酬月額に変わります。
 改定後定時決定まで何カ月あるか、傷病手当金をどの程度の期間受けるか、状況を総合的に考慮して、改定を申請すべきか否か判断してください。



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