労働実務事例
「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。
[ 質問 ]
育児介護休業法が改正され、新しく「介護休暇」の付与が義務付けられたと聞きました。1日、2日という形で細切れに休むパターンになりますが、具体的にどういう取得事由が定められているのでしょうか。子供の看護休暇と違って、イメージがよくつかめません。どのような要件を満たす場合、会社は休暇を付与しなければいけないのでしょうか。
【高知・O社】
[ お答え ]
平成22年6月30日から、事業主に介護休暇の付与が義務付けられました。ただし、常時100人以下の労働者を雇用する事業主については、公布(平成21年7月1日)から3年以内の範囲で、適用が猶予されます。
介護休暇は、従業員が「要介護状態にある対象家族の世話」を行う場合に、申出に基づいて付与します。付与日数は、1年度に5日(要介護状態にある家族が2人以上のときは10日)以上と定められています(育介休業法第16条の5)。
「対象家族の世話」は、次のとおりです(同施行規則第30条の4)。
・対象家族の介護
・対象家族の通院等の付添い、介護サービスを受けるための手続き代行その他
通院等の付添いといっても、その前提として、家族が「要介護状態」でなければいけません。要介護状態とは、「法第2条第3号」で定義された状態をいいます(平21・12・28雇児発第1228第2号)。
同号では、「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」をいうと規定しています。「常時介護を必要とする」とは、次のいずれかの状態を指します。
① 歩行・排泄等の日常行為のうち、一部介助が必要な事項が2つ以上、または全部介助が必要な事項が1つ以上ある状態
② 自傷行為、徘徊等の問題行為が1項目以上あり、その状態が継続する状態
介護休業と比べた場合、「介護休暇の対象となる家族の方が症状が軽い」ような印象がありますが、症状の重い軽いに違いはありません。
従業員は、長期(最長93日)介護休業を申請するのも可能だし、単発的に介護休暇を利用することもできます。
介護休暇は、突発的な症状の悪化等が原因で申出がなされるケースもあり得ます。このため、「休暇取得当日に電話により申出をした場合であっても、事業主はこれを拒むことができない」(前掲通達)と定められています。適法な申出である限りは、「経営困難、事業繁忙その他どのような理由があっても拒むことはできず、取得日を変更することも認められない」ので、注意が必要です。
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