労働実務事例
「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。
[ 質問 ]
障害者雇用促進法が改正され、障害者雇用率を計算する方法が変わったと聞きます。パートも含めて計算するようになったということですが、具体的な算式はどのようになったのでしょうか。
【東京・P社】
[ お答え ]
改正法は平成20年12月26日に公布されましたが、雇用率の計算方法に関する部分は平成22年7月1日施行と定められています。
従来、雇用率の計算は、「常時雇用する労働者(短時間労働者を除く)」を対象としていました(障害者雇用促進法第43条)。「短時間労働者」とは、週の所定労働時間が正社員より短く、かつ、30時間未満である者をいいます。
ですから、障害者雇用率を計算する原則の算式は、次のとおりとなります。
雇用率=短時間以外の常時雇用障害者÷短時間以外の常時雇用労働者
ただし、パートの一部を障害者数に含める等の特例が設けられていました。
① 重度身体障害者・重度知的障害者(短時間労働者以外)は2人とカウント
② 短時間労働者(週20時間以上30時間未満)である重度身体障害者・重度知的障害者は1人とカウント
③ 精神障害者(短時間労働者以外)は1人とカウント
④ 短時間労働者(同)である精神障害者は0.5人とカウント
これらの特例は、分子の常時雇用障害者数を計算する際にのみ適用されます。
平成22年7月1日からは、短時間労働者(週20時間以上30時間未満)である身体障害者・知的障害者を0.5人とカウントして分子に加えることになりました。さらに、健常者も含めた短時間労働者(同)を0.5人とカウントし分母にも加えます。
ですから、雇用率を計算する際、分子・分母は次のとおりとなります。
分子:重度身体・知的障害者数×2+短時間の重度・知的障害者数+身体・知的障害者数+短時間の身体・知的障害者数×0.5+精神障害者数++短時間の精神障害者数×0.5=常時雇用する障害者数
分母:常時雇用労働者(短時間労働者以外)+短時間の常時雇用労働者×0.5=常時雇用の労働者数
パート(短時間労働者)の追加により、これまでに比べ分母が大きくなります。それに見合うだけ、正社員または短時間労働者である障害者の雇用を増やさないと、従来と同じ雇用率を維持できません。パート比率の大きい会社では、負担が重くなる結果となります。
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