『
総務の森』コラムをご覧のみなさま
こんにちは!
合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/
本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第174号(2015年4月
20日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。
<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>
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(前略)
ちょうど一年くらい前、Facebookページ記事:何を「管理」するの
が「管理職」? では、次のような内容について書いていました。
(今回のニューズレターで、図表1を新たに追加しました。)
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(前略)
コーチングを提供させていただいていると、多くの部長さん・課長
さんが、「『部下の行動を管理』するのが管理職たる自分の務めだ」
と信じているために生じる問題が非常に多いことに氣づきます。
あなたは、管理職って、何を管理することが期待される役割の職位
だと思われますか?
組織の形態などによって異なっていて構わないと思うのですが、多
くの場合、「社内外の関係者の協創によって創出・提供する『価値』
を『動的に管理』すること」が求められていると考えるのはいかが
でしょうか?
(中略)
図表1:管理職は価値を動的に管理する
■ 『価値 = 基準 ×
資本 × 方法 × 主観』
(…弊社オリジナル)
とすると、「自分たちが、(時々刻々変化する)『お客様だと想定
している人々/組織』のことを深く理解し、『自ら』(
資本や方法)
を適切に変更していくこと」が求められるのではないでしょうか?
… 一度決めたルールをしっかり守っているかどうかという視点の
「静的な管理」ではなく、さまざまな変数が動いていく中での
「動的な管理」をイメージしています。
部下が遅刻しないか、残業時間はどうか、業務日報は提出している
か...といったことに目を光らせてばかりの、「口うるさい監視役」
「嫌われ者の、ダメ出し係」になっていませんか?
そうではなくて、自社が定めた「基準」以上の価値を持続的に創出
できるよう、貪欲にお客様の「主観」(潜在欲求、顕在欲求)につ
いて知ろうと努め、クリエイティブに、柔軟に「
資本」や「方法」
をより良いものに変えていく工夫が、管理職に求められているので
はないでしょうか? あなたは、何を「管理」するのが「管理職」
だと思われますか?
(後略)
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今回は、上記のような内容を踏まえ、「経営幹部や管理職向けの人
財育成と、現場の第一線で働く人々の人財育成では、意識の向け先
がどう異なるのか?」について、「成人学習」という切り口から話
を進めてみようと思います。
■『戦略』の失敗は、『戦術』で補うことはできない
4月になり、新しく管理職になられる方も多いというタイミングも
あってか、最近、キャリア・デザインに関するテーマで、コーチン
グを希望されることが多いように感じています。
そして、こうしたセッションで、クライアントさん(以下、クライ
アント)から、「経営者あるいは自分より上級職にある経営幹部と
の関係で悩んでいる」という話をされることがあります。
クライアントは、「支配と服従」や「Win-Loseの関係」から脱する
方法(テクニックやスキル、処世術など)を知りたいと考えて、コ
ーチングを依頼されることも多いようです。
そうしたクライアントの要望に直接応じようとするためか、広く普
及している(病理学的心理学に基づく)コーチング(…カウンセリ
ングとの
境界が曖昧なコーチング)では、「人間関係の改善に焦点
を当て、コーチから解決策やアドバイスを得る」というアプローチ
が採られています。
一方、「課題設定」を重視する弊社のコーチングでは、一般的とな
っているコーチングとは異なるアプローチを
採用することで、クラ
イアントが事前に思い描いていた内容を超える成果を生み出し、喜
んでいただけています。
弊社のコーチングで
採用するアプローチにはいろいろなものがあり
ますが、例えば、下記の2つの考え方は、上記のようなテーマを扱
う際に、非常に効果を発揮しているアプローチの基礎になっている
ものの例です。
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●「戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補
うことはできない」
[ 出典:『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』]
●「リーダーが犯す最も大きな過ちは、適応を要する問題
(Adaptive Problems)を解決したいときに、それを技術的な問
題(Technical Problems)だと誤診し、技術的手段を用いてしま
うことだ」
[ 出典:Ronald Heifetz(著)『Leadership Without Easy
Answers』 ]
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弊社では、目的を達成するために、有利な状況を創り出したり設定
したりするのが『戦略(Strategy)』(…全体構想に相当)、その
戦略を受けて、個々の状況に適応し、資源を有効に活用するのが
『戦術(Tactics)』(…局地戦での構想に相当)という形で、戦
略と戦術を区別しています。
この区別を適用すると、一般的なコーチングと弊社のコーチングの
違いについて、次のような形で表現することができます。
●『戦術』重視のアプローチを
採用する一般的なコーチング
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クライアントが、意識を「人間関係の改善」に向けたままで、「ス
キルのレパートリーを増やす」「人間関係改善に成功した事例を真
似る」「イメージ・シミュレーションを活用する」などといった
「技術的手段」だけで対応しようとします。
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●『戦略』重視のアプローチを
採用する
合同会社5W1H流コーチング
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場合によっては、「上司に人生の主導権を渡していて良いのですか?
」などといった挑発的な質問も織り交ぜたりしつつ、クライアント
が今取り組むのが適切な課題は何なのかを共に探求します。
慌てて、提示された問題症状を「既存の思考様式のまま、新しいス
キルをいくつか身につけること」で解消しようとする(…『戦術』
重視のアプローチ)のではなく、問題症状を生じさせている背景
(問題構造など)について確認を重ねたうえで、適切な課題を設定
します。
その後、「思考様式を適切なものに変容させつつ、新たな言動・態
度を獲得していく過程を通じて、新たな職位にふさわしい資質を育
み、その結果、当初念頭にあった人間関係の改善という目標も達成
してしまう方法」(…「課題を再設定する」という『戦略』重視の
アプローチ)を
採用します。
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いくら個々人の戦闘能力を高め、戦術を駆使していくつかの局地戦
で勝てたとしても、大局を見誤って肝心なところで負けてしまった
り、ほとんどの局地戦で負けてしまったりしては、戦い(ここでは
様々なビジネス活動のこと)が無益どころか有害な活動であったこ
とになってしまいます。
自己を損耗させるだけで、自己の向上や関係者の長期的な便益に役
立たない取り組みに埋没してしまっては、せっかくの時間・エネル
ギー・
費用・関係者の協力などが無駄になってしまいます。
あなた(が所属される組織)は、いきなり「物事を適切に行うこと」
(戦術)に飛びつかず、まず「適切な物事を選ぶこと」&「適切な
判断基準を定めること」(戦略)に注力されているでしょうか?
■イノベーション ≒ 適応を要する問題に戦略的アプローチで臨む
こと?
「現場の第一線で働く人々の人財育成」では、「自分ではない誰か
(上司やお客様)が設定した問題の解決あるいは課題への取り組み
を、いかに無駄なく効率的に行えるようになるよう支援するか?」
が大切です。
上記の表現で言えば、『戦術』および「技術的手段」重視のアプロ
ーチがメインとなります。
一方、「経営幹部や管理職向けの人財育成」では、例えば、「世の
中の動きや業界の動向、経営理念や事業戦略などに基づいて、いか
に自分(たち)が問題や課題を適切に設定できるようになることを
支援する」など、「現場の第一線で働く人々の人財育成」と比べて、
より『戦略』を重視するアプローチが大切になってきます。
ここで、冒頭でご紹介したFacebookページ記事が関係してきます。
それは、「自分たちが、(時々刻々変化する)『お客様だと想定し
ている人々/組織』のことを深く理解し、『自ら』(
資本や方法)
を適切に変更していくことが求められるのではないでしょうか?」
という部分です。
上述のHeifetzが著した内容を踏まえれば、スキルのレパートリー
を増やすような戦術的アプローチが有効な『技術的な問題』と、
『自ら』を適切に変更していくことが求められる『適応を要する問
題』を区別して対応することが大切だと言えるでしょう。
ちなみに、「イノベーション」の語源と言われる「innovare」とい
うラテン語の動詞が、「in」(=into:内部へ)という接頭語と
「novare」(=make new:新しくする)という動詞が合わさって生
まれた合成語であるという話、すなわち、イノベーションの原義が
「自らを新しくすること」であるということを思い出すと、「適応
を要する問題に対して、戦略的なアプローチをとること ≒ イノベ
ーション」とも言えるのではないでしょうか?
あなたは、「経営幹部や管理職向けの人財育成と、現場の第一線で
働く人々の人財育成では、意識の向け先がどう異なるのか?」につ
いて、どのようにお考えでしょうか?
■戦略的アプローチには、成人知性の発達が必要!?
前段の内容を踏まえ、もう少しだけ具体的に「自らを適切に変更し
ていく」という内容について見てみましょう。
成人学習などの分野で日本でも有名な、ハーバード大学教育学大学
院教授のRobert Keganさんは、5段階の『知性の発達段階』モデル
(衝動的知性→道具的知性→環境適応性知性→自己創始性知性→自
己変容性知性;いずれも高野の訳語)を提示しておられます。この
5つの発達段階のうち、成人に適用されるのが、『環境適応性知性』
『自己創始性知性』『自己変容性知性』の3つです。
図表2:2つの大規模調査に基づく成人知性の分布
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●『環境適応性知性』
…周囲からどのように認識され、どういった役割を果たすことを期
待されるかという外的基準によって自己を形成する。「スキルのレ
パートリーを増やす」「タイム・マネジメントで対処する」といっ
た技術的手段を用いて、環境に適応する。
●『自己創始性知性』
…自分自身の信念や価値観といった内的基準を確立し、判断・選択・
自律的な行動が行える。主体的な課題設定、問題解決に取り組める。
●『自己変容性知性』
…自分自身の内的基準を客観的に見ることができ、状況が変わって
も機能する完全なシステムがないことを理解している。矛盾や対立
する考え方があることを認めたうえで、必要に応じて内的基準に変
更を加えるなどしつつ、健全な相互依存を実現する中で自我を形成
する。
※3つの知性についての解説は、高野の理解に基づく改変意訳です。
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『技術的な問題』に対しては、主に『環境適応性知性』を発揮する
ことで戦術的アプローチを採ることができます。
一方、職位が上がれば上がるほど、取り扱う課題の多くは、既存の
思考様式のままで新しい技術を少し身につけるだけでは対応できな
いもの(『適応を要する問題』)となる傾向にあり、戦略的アプロ
ーチを採るために、『自己創始性知性』や『自己変容性知性』を発
揮すること、すなわち、自己成長(ここでは『成人知性の発達』を
指す)が求められます。
さて、あなた(の所属される組織)は、どういった形で『成人知性
の発達』を促す手段や仕組みを導入・利用されているでしょうか?
「何を管理するのが管理職?」という最初の問いと併せて考えて
みてください。
(中略)
さて今回は、「何を管理するのが管理職?」というFacebookページ
記事を発端に、「社内外の関係者の協創によって創出・提供する
『価値』を『動的に管理』すること」が大切なのではないか? そ
のためには、「自分たちが、(時々刻々変化する)『お客様だと想
定している人々/組織』のことを深く理解し、『自ら』(
資本や方
法)を適切に変更していくこと」が大切なのではないか?
さらに、「『適応を要する問題』に効果的な『戦略』的アプローチ
を採るために、『成人知性の発達』を促す」ことが大切なのではな
いか?といった私見を展開して参りました。
あなたは、「経営幹部や管理職向けの人財育成と、現場の第一線で
働く人々の人財育成では、意識の向け先がどう異なるのか?」など
について、どんなことを感じたり考えたりされたでしょうか? 是
非、仕事で関係していらっしゃるみなさんと話し合ってみてくださ
いね!
(後略)
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冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。
●ニューズレター第174号
続・「何を管理するのが管理職?」~戦略・戦術と知性の種類編
→
http://5w1h.hatenablog.jp/entry/174(ブログ版)
→
http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no174.pdf(PDF版)
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出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
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以上、何か少しでも、『
総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。
お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!
高野潤一郎@
合同会社5W1H
P.S.1
弊社では、「『適応を要する問題』に効果的な『戦略』的アプロー
チを採る、
合同会社5W1H流コーチング」を通じて、『成人知性
の発達』を促す『試練と支援』を提供」させていただいています。
●エグゼクティブ・コーチング
http://www.5w1h.co.jp/ec/tt.html
●パーソナル・コーチング
http://www.5w1h.co.jp/pl/coaching.html
また、今回ご紹介した話に興味をお持ちいただけたようであれば、
「管理職」(を目指す人)に有効な『思考×コミュニケーション』
方法としての、「
合同会社5W1H流コーチング」を学ぶ機会につ
いて、下記を確認なさってみてください♪
●9月12日(土)スタート【早割:6月21日(日)まで】
合同会社5W1H流コーチング学習プログラム
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html
開催間近の関係が深いイベントです。
●4月24日(金)
ファクト・ベイスト・フィードバック
http://www.5w1h.co.jp/pl/feedback.html
心理抵抗を引き起こさせないために、フィードバックとコメントを
分けるとは?
●5月4日(月・祝)~5日(火・祝)
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http://www.5w1h.co.jp/event.html
P.S.2
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