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コラムの泉

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プロフェッショナル、スペシャリスト、エキスパートの違いとは?

総務の森』コラムをご覧のみなさま


こんにちは! 合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。

プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/

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また、株式会社産労総合研究所様のご厚意により、月刊『企業と人
材』誌(2015年6月号)に掲載された、高野の紹介記事を公開でき
るようになりましたので、興味をお持ちの方は、こちら↓も併せて
ご覧ください。

●『人財を伸ばし、束ね、組織能力を高める』
  http://www.5w1h.co.jp/resource/kigyotojinzai_Jun2015.pdf
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本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第179号(2015年8月
30日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。

<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
 なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
 めた『全文』は、『後述のリンク先』より、無料で、何の登録手
 続きもなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>

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(前略)

今回は、次期『合同会社5W1H流コーチング学習プログラム』
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html の申し込み締め切りが近付い
てきたというタイミングということもあり、お問い合わせいただい
た『精聴』『協創対話』について採り上げ、少し解説してみようと
思います。

■『傾聴』と『精聴』の違いを図解で比較

一般的なコーチングで教えられて、推奨されている話の聴き方とし
ては、『傾聴』(Active Listening)が有名です。弊社では、カウン
セリングやセラピーから発展してきていて、その流れを色濃く残し
ているコーチングの場面に限っては、傾聴の有用性を認めています。

しかし、「考え方や価値観の異なる人々が集まり、相乗効果を発揮
して創造的な解決策を生み出すことが求められるビジネスの場面」
では、傾聴だけでは不十分だと考え、代わりに、『精聴』
(Precise Listening)を推奨しています。

では、お問い合わせいただいた『傾聴』と『精聴』の違いについて、
事例を通して具体的に見て行くことにしましょう。

例えば、NHKで放映されている『プロフェッショナル』という番
組の事を採り上げてみましょう。この番組では、毎回各分野におけ
るプロフェッショナルを取材し、番組の終わりの方で、その人物に
「あなたにとって、プロフェッショナルとは?」といった質問を投
げかけ、取材された側の人が、その人なりの考えを述べるといった
形式が採られています。

番組をご覧になった事がある方はおわかりになると思いますが、毎
回、『プロフェッショナル』の定義は様々で、1つとして同じもの
はありません。

普段私たちは、「1つの言葉には、ただ1通りの意味が定められて
いる」と考えがちですが、この『プロフェッショナル』という番組
の例でも明らかなように、『人ごとに異なる辞書を持っている』と
考えた方が適切な場合が多いのが現実です。

仮に私が、Aさんを相手にAさんの考える『プロフェッショナル』
について、『傾聴』を試みたとしましょう。すると、Aさんから得
られる回答は、図表1のようになる可能性があります。

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・自分の考えや行動を説明できる人...?
・専門性を活かして生計を立てている人...?
・実力と知名度が求められる世界で生きている人...?
 など
------------------------------------------------------------
図表1:『傾聴』版の『プロフェッショナル』とは...


このように、『傾聴』とは、自分の考えを明らかにしたり、発言者
と自分の考えをすり合わせたりはせず、『発言者の話を、ただ単に、
そのまま受け止めながら聴くこと』を指しています。

すなわち、『傾聴』は、「普段、命令や指示をする事には慣れてい
るけれども、他者の話を聞く事に慣れていない人」、あるいは、
「自分(たち)に都合のよい事しか受け入れようとしない態度の人」
が学ぶのにはとても有用な聴き方ですが、より建設的な話、創造的
な話にまで発展させていくには、充分とは言えない聴き方だと思わ
れます。

続けて、今度は、実際に私が、Aさんを相手にAさんの考える『プ
ロフェッショナル』について、『精聴』を試みた場合について見て
みましょう。

最初は、『傾聴』と同じく、Aさんの考える『プロフェッショナル』
について丁寧に確認していきます。その上で、例えば、図表2のよ
うな質問を相手に投げかけ、やりとりを繰り返しながら、話の内容
を協力して整理していきます。

------------------------------------------------------------
・『プロフェッショナル』と『スペシャリスト』は、どんな点がど
 う違うのですか?

・『エキスパート』との違いについては、どのような考えをお持ち
 ですか?

・高い専門性を持っている人は、みんな『プロフェッショナル』で
 すか?

など
------------------------------------------------------------
図表2:『協創対話』を促す質問の事例


図表2で採り上げたような質問によって、『プロフェッショナル』
について、1人では思いつかなかった様々な視点から考える事を促
します。そのAさんとの話の結果を取りまとめたのが、図表3と図
表4です。

図表3:『精聴』版の『プロフェッショナル』とは...(1)
類似概念との比較

図表4:『精聴』版の『プロフェッショナル』とは...(2)
構成要素


図表3からは、依頼や期待に応える事にコミットする『プロフェッ
ショナル』と、高度な専門性を身に付けている『スペシャリスト』
などを区別する事が出来ています。

また、図表4で示したように、Aさんが考える『プロフェッショナ
ル』の主要構成要素として、3つの項目(専門性、マインドセット、
自己管理能力)が、明らかになりました。

『プロフェッショナル』についての理解が図表1までのレベルで留
まるのと異なり、図表3・4のレベルまで内容が明解になると、例
えば、停電が頻発する地域にも関わらず、「良い品だから」と、イ
ンフラ設備の異なる日本で売れている最新型の電子機器を、日本と
同じようにして売ろうとするのはスペシャリストかもしれませんが、
『プロフェッショナル』とは言い難いことが判断できるようになり
ます。

音声だけに頼る「電話コーチング」では、こういった情報の整理の
仕方や記憶の負担の軽減が困難です。『図解』することによって、
様々な情報の『一覧性』が得られ、『要素間の繋がり』も整理しや
すくなります。

また、図表3・4のような図解を作成することによって、『他者と
の情報共有・保存・アップデート』なども容易になります。

『傾聴』を推奨するコーチングと、『精聴』を推奨するコーチング
の違いについて、感じ取っていただけたでしょうか?

------------------------------------------------------------
●精聴 (Precise Listening)

相手の感情の解放や相手との関係性などを重視して、ただひたすら
聴く「傾聴」とは異なり、特定の目的達成や問題解決、意思決定な
どといった変化につなげるため、話の構造や相手の情報処理プロセ
スを意識しながら聴き、必要に応じてコンテクストなどについても、
こちらから丁寧に確認を重ねたりする精密な聴き方を、弊社では、
「精聴」と表現しています。
------------------------------------------------------------


■自分たちで足場を固めて道を切り拓いていく『協創対話』

今度は、『協創対話』について見て行きましょう。

------------------------------------------------------------
●協創対話(Co-Creative Dialogue)
関係者との間で、「真実」「解決策」「新たな可能性」を探求する
ための、関係者との粘り強い対話。
------------------------------------------------------------

前段の解説では、『プロフェショナル』という言葉・概念について
Aさんと私の2人による対話を通して意味を定義していきました。

文脈などに依らず1つの言葉・概念が常に同じ意味を表すのであれ
ば、自動翻訳の技術は今よりもっと進化していることでしょう。

しかし、現実の私たちは、「同じ言葉を用いていながらも、違う内
容をイメージしながらコミュニケーションを行っている」ことが思
いのほか多いのです。

そのため、前段でお示ししたような『精聴』に基づく『協創対話』
が求められるのです。

確かに、大変かもしれないと思われる氣持ちはわかります。しかし、
1回定義を決めてしまえば、その後、関係者の間で方針がブレるこ
と、判断に迷うことや議論の蒸し返しがなくなるのです。

また、協創対話のような『深い対話』ができるような実力を一端身
に付けてしまえば、『日常生活における短時間の会話であっても、
核心を突いた話が行える』確率が高まるようになるのです。

改めて前段の話を振り返って考えてみてみましょう。

日本では『コーチ』というと『スポーツ分野のコーチ』をイメージ
して、『ティーチャー、トレーナー、メンターをミックスした存在』
だと思う人が多いのが現状です。このような状況だと、当該分野の
知識やスキルにおいて、上下関係が存在することになります。

相手の立場が上(例えば「専門家」)で自分が下(例えば「素人」)
だと見なすと、相手が自分と異なる考え方をしていても、わからな
いことがあっても、「そうなんですね」と相づちを打ったり、相手
の言葉を「オウム返し」したりする表面的な会話に陥りがちです。

専門家は往々にして自分の専門領域から離れず、Howに相当する解
決策やアドバイスを与えがちです。図表5で言う『シングル・ルー
プ学習』に留まろうとするのです。

これでは、従来路線から離れて、新たな道を切り拓く建設的な『協
創対話』は望めません。

『協創対話』を実現させるために要となるのは、目的達成・課題解
決・意思決定に役立つよう『視点変更を促す質問』ができるかどう
かです。

図表5で言う『ダブル・ループ学習』(Whatについて質問する)や
『トリプル・ループ学習』(Whyについて質問する)までを含む
『深い対話』が重要なのです。

図表5:3種類のループ学習


『協創対話』が強く求められるようになってきている背景の1つと
しては、様々な場面において『VUCAワールド』(混沌として先が読
めない世界;Volatility変動性, Uncertainty不確実性,
Complexity複雑さ, Ambiguity曖昧さ の頭字語)の色合いが強くな
ってきていることが挙げられます。

私たちの多くは、与えられた「地図」や「前例」を用いて最短コー
スで目的地に到着する能力を伸ばす教育を受けてきており、欧米先
進諸国という『正解』があった時代には、『与えられた問題を効率
的に解く』といった『シングル・ループ学習』に秀でた日本企業は、
世界を席巻することができました。

一方、VUCAワールドというのは、手元に地図が無いどころか、 
『誰も地図を持っていない状況』です。『自分たちが歩みを進めて
行った場所に対してだけ、自分たちの地図を描く事が出来る』とい
う状況なのです。

読者の中には、「夏休みの自由研究」で苦労された事がある方も多
いのではないでしょうか?「自由研究」だと言われているにも関わ
らず、自由研究の例が紹介された書籍を探し出し、内容をマネて、
他者と似たり寄ったりの成果物を提出してしまいます。

身近な人々を思い浮かべてみてください。与えられた問題を解いた
り、課題に取り組むのは上手だけれど、『自由に○○していいと言
われると、思考停止してしまう』という方、思い当たりませんか?
それくらい私たちは、What選び(ダブル・ループ学習;課題設定)
に慣れていないのです。

『自らを刷新するというイノベーションが求められる、VUCAワール
ドの時代』には、誰も正解(地図や成功例など)を持っていない領
域を、自分(たち)でたくましく切り拓いていく『協創対話』が求
められているのではないでしょうか?

「絶対に確かな事、間違いではない事がわかってから動くというス
タイル」(地図や過去の成功事例、安全なルートなどが手に入らな
ければ、動かないというスタイル)では、通用しない事が多くなっ
てきています。

例えば、近年話題になった?「ヒッグス粒子」のことを思い出して
みてください。最初に理論が提唱されたのは1964年で、実際に「ヒ
ッグス粒子」が発見されたのは2012年と、理論の提唱から発見まで
約半世紀が経過しています。「ヒッグス粒子」が発見されてから、
その分野で研究を進めようと思っても、約50年先行しているグル
ープに追いつき・追い越すのはなかなか難しいのではないでしょう
か?

『自分たちはこうしたい!自分たちはこう考える!』といった想い
を『方位磁針』として持ち、まだ地図に描かれていない領域を開拓
していくには、『納得解』を共有して仲間を束ねる『協創対話』の
ようなアプローチが不可欠ではないでしょうか?

ここまで読まれてきたみなさんは、「普段自分たちが行っているコ
ミュニケーション」について、そして、今回ご紹介した『協創対話』
のようなコミュニケーションについて、どんな事を感じ、考えられ
たでしょうか?

弊社では、『協創対話』を身に付けるための思考法・コミュニケー
ションを学ぶプログラムとして、『合同会社5W1H流コーチング
学習プログラム』をご用意しています。

●9月12日(土)スタート
合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html
初心者から、グローバルに活躍するマスター・コーチ、経営幹部、
コーチ型組織のマネジャー、各種コンサルタントまで。

●9月22日(火・祝)~23日(水・祝)
2日間「コーチング漬け」体験
http://www.5w1h.co.jp/pl/two_days_coaching.html
『マジックのような対話』が間近で見られるかもしれません。コー
チングが初めての方も、他団体で学ばれた方も、氣軽にご参加くだ
さいませ♪)

(後略)

============================================================


冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。

●ニューズレター第179号
 プロフェッショナル、スペシャリスト、エキスパートの違いとは?
 → http://5w1h.hatenablog.jp/entry/179(ブログ版)
 → http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no179.pdf(PDF版)
============================================================
出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
============================================================


以上、何か少しでも、『総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。

お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!

               高野潤一郎@合同会社5W1H

P.S.1
【 特に、遠方にお住まいの方に朗報です♪ 】
これまで、交通費、宿泊費を考えて、なかなか東京で開催するセミ
ナーに参加するのが難しかった方を応援するべく、【3種類の割引】
をご用意いたしました!
http://www.5w1h.co.jp/news/i20150625.html

P.S.2
●9月12日(土)スタート
合同会社5W1H流「コーチング学習プログラム」
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html

●9月15日(火)スタート、実務に役立つ内容を英語で学ぶ!
変化促進研究会
http://www.5w1h.co.jp/pl/CLV.html

●9月19日(土)~20日(日)
「フレームワーク質問力(総論)」セミナー
http://www.5w1h.co.jp/pl/saimf.html
「この内容が身につけば、他のコミュニケーション系の研修は一切
不要!」という受講者も!!

●9月21日(月・祝)
ファクト・ベイスト・フィードバック
http://www.5w1h.co.jp/pl/feedback.html

●9月22日(火・祝)~23日(水・祝)
2日間「コーチング漬け」体験
http://www.5w1h.co.jp/pl/two_days_coaching.html

●その他、今後のイベント一覧です。
http://www.5w1h.co.jp/event.html


P.S.2
もし『図表』を用いた解説も多い弊社発信情報にご興味をお持ち
いただけたようでしたら、下記もご覧になってみてください。

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 「自律共栄の納得人世」の実現に向け、
 「人財と組織の育成を支援」する 合同会社5W1H

         代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]

合同会社5W1Hウェブサイト 】 http://www.5W1H.co.jp/

【 Facebookページ 】 http://www.facebook.com/5W1H.LLC
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などがあります。)

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