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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□
□ 5月10日号
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弁理士 深澤です。
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★このメルマガの目的♪
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このメルマガでは、
商標の審判・裁判事例等を通して、
○どんな
商標が類似といわれたのか
○識別力のある
商標とはどんなものなのか
といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。
(配信中止はこちらまで
http://www.mag2.com/m/0000241197.html)
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例♪
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今回取り上げるのは、
○登録第5783796号:
「cococolor」の欧文字と「ココカラー」の片仮名を
上下2段に表してなる構成
指定商品・
役務は、第9、35、41類の各商品・
役務です。
ところが、この
商標は、
(1)登録第4778423号
商標:
「
株式会社」の漢字と「ここから」の平仮名を一文字分のスペース
を介して一連に表してなる
(2)登録第4994897号
商標:「COCOCARA」
(3)登録第4994898号
商標:「COCOKARA」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2015-004431号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この
商標の
「各文字は、辞書等に載録された成語とは認められず、また、特定
の意味合いを有する語として一般に知られたものとも認められない
ことから、特定の観念は生じないものの、」
「その構成中の「color」及び「カラー」文字が、「色」を
意味する語として広く一般に親しまれた語であることを踏まえれば、
本願商標は、「coco」の文字及び「color」の文字並びに
「ココ」の文字及び「カラー」の文字からなるものと看取し得る
ものである。」
そうすると、
「片仮名部分が欧文字部分の読みを特定したものと無理なく認識
し得るといえるものであり、その構成文字全体に相応して「ココ
カラー」の称呼を生ずるものである。」
また、
「上記の構成等であることから、「色」に関連した意味合いを想起
させるものであり、さらに、3音目以降の「カラー」の部分にアク
セントをおいて称呼されるとみるのが相当である。」
一方、
引用商標1の
「構成中の「
株式会社」の文字は、会社の種類を表したものである
から、
商標の要部となり得る部分は「ここから」の平仮名部分で
あるというのが相当である。」
そうすると、
「「カブシキガイシャココカラ」のほか、「ココカラ」の称呼を
も生ずると認められる。」
また、
「その構成全体から「ここからという
株式会社」の観念を生ずる
ものであるが、その構成中の「ここから」の平仮名部分からは、
特定の観念を生ずることのないものである。」
引用商標2の
「文字からは「ココカラ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念
を生じないとみるのが相当である。」
引用商標3の
「文字からは「ココカラ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念
を生じないとみるのが相当である。」
そこで、まず、
引用商標1と対比すると、
「その構成態様が著しく相違するものであるから、外観上、判然と
区別し得るものである。」
観念は、
「
本願商標は、特定の観念を生じないものの、「色」に関連する
意味合いを想起させるのに対し、
引用商標1は、「ここからという
株式会社」の観念を生ずるか、又は、特定の観念を生じないもの
であるから、観念上相紛れるおそれはないものである。」
称呼は、
「
本願商標は、「ココカラー」の称呼を生ずるものであるのに対し、
引用商標1は、「カブシキギャイシャココカラ」及び「ココカラ」
の称呼を生ずるものであるところ、「ココカラー」と「カブシキ
ガイシャココカラ」の称呼は、その音数を異にするものであるから、
両者は称呼上明確に聴別し得るものである。」
また、「ココカラー」と「ココカラ」の称呼は、
「前者は「カラー」の部分にアクセントをおき、語尾音において
伸びを持って発音されるのに対し、後者は一気一連に、語尾音を
切りよく止める形で発音されるため、両者は、全体の語感、語調が
異なり、聴別し得るものである。 」
次に、
引用商標2,3と対比すると、
「「coco(COCO)」の欧文字の綴りを共通にするものの、
大文字と小文字、二段書きと一段書き及び「color」と
「CARA」又は「KARA」の差異を有するものであるから、
外観上区別し得るものである。」
観念は、
「
本願商標は、特定の観念を生じないものの、「色」に関連する
意味合いを想起させるのに対し、
引用商標2及び3は、特定の観念
を生ずるものではないから、観念上相紛れるおそれはないもので
ある。」
称呼は、
「
本願商標は、「ココカラー」の称呼を生ずるものであるのに対し、
引用商標2及び3は、「ココカラ」の称呼を生ずるものである
ところ、」
「ココカラー」と「ココカラ」の称呼は、
「両者は、全体の語感、語調が異なり、称呼上聴別し得るもので
ある。」
として、非類似の
商標とされました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、一部の構成が共通する
商標の類否が問題となりました。
一部の構成が共通する
商標であっても、全体を総合的に判断して
これに接した人に混同が生じなければ非類似となります。
称呼や観念、外観を異ならせることが真似とは言わせないツボに
なります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
ご質問・ご感想お待ちしております!
編集・発行 深澤 潔
http://brand-service.biz/
各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の
商標登録関連
を扱っております
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○どんな商標が類似といわれたのか
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○登録第5783796号:
「cococolor」の欧文字と「ココカラー」の片仮名を
上下2段に表してなる構成
指定商品・役務は、第9、35、41類の各商品・役務です。
ところが、この商標は、
(1)登録第4778423号商標:
「株式会社」の漢字と「ここから」の平仮名を一文字分のスペース
を介して一連に表してなる
(2)登録第4994897号商標:「COCOCARA」
(3)登録第4994898号商標:「COCOKARA」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2015-004431号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「各文字は、辞書等に載録された成語とは認められず、また、特定
の意味合いを有する語として一般に知られたものとも認められない
ことから、特定の観念は生じないものの、」
「その構成中の「color」及び「カラー」文字が、「色」を
意味する語として広く一般に親しまれた語であることを踏まえれば、
本願商標は、「coco」の文字及び「color」の文字並びに
「ココ」の文字及び「カラー」の文字からなるものと看取し得る
ものである。」
そうすると、
「片仮名部分が欧文字部分の読みを特定したものと無理なく認識
し得るといえるものであり、その構成文字全体に相応して「ココ
カラー」の称呼を生ずるものである。」
また、
「上記の構成等であることから、「色」に関連した意味合いを想起
させるものであり、さらに、3音目以降の「カラー」の部分にアク
セントをおいて称呼されるとみるのが相当である。」
一方、引用商標1の
「構成中の「株式会社」の文字は、会社の種類を表したものである
から、商標の要部となり得る部分は「ここから」の平仮名部分で
あるというのが相当である。」
そうすると、
「「カブシキガイシャココカラ」のほか、「ココカラ」の称呼を
も生ずると認められる。」
また、
「その構成全体から「ここからという株式会社」の観念を生ずる
ものであるが、その構成中の「ここから」の平仮名部分からは、
特定の観念を生ずることのないものである。」
引用商標2の
「文字からは「ココカラ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念
を生じないとみるのが相当である。」
引用商標3の
「文字からは「ココカラ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念
を生じないとみるのが相当である。」
そこで、まず、引用商標1と対比すると、
「その構成態様が著しく相違するものであるから、外観上、判然と
区別し得るものである。」
観念は、
「本願商標は、特定の観念を生じないものの、「色」に関連する
意味合いを想起させるのに対し、引用商標1は、「ここからという
株式会社」の観念を生ずるか、又は、特定の観念を生じないもの
であるから、観念上相紛れるおそれはないものである。」
称呼は、
「本願商標は、「ココカラー」の称呼を生ずるものであるのに対し、
引用商標1は、「カブシキギャイシャココカラ」及び「ココカラ」
の称呼を生ずるものであるところ、「ココカラー」と「カブシキ
ガイシャココカラ」の称呼は、その音数を異にするものであるから、
両者は称呼上明確に聴別し得るものである。」
また、「ココカラー」と「ココカラ」の称呼は、
「前者は「カラー」の部分にアクセントをおき、語尾音において
伸びを持って発音されるのに対し、後者は一気一連に、語尾音を
切りよく止める形で発音されるため、両者は、全体の語感、語調が
異なり、聴別し得るものである。 」
次に、引用商標2,3と対比すると、
「「coco(COCO)」の欧文字の綴りを共通にするものの、
大文字と小文字、二段書きと一段書き及び「color」と
「CARA」又は「KARA」の差異を有するものであるから、
外観上区別し得るものである。」
観念は、
「本願商標は、特定の観念を生じないものの、「色」に関連する
意味合いを想起させるのに対し、引用商標2及び3は、特定の観念
を生ずるものではないから、観念上相紛れるおそれはないもので
ある。」
称呼は、
「本願商標は、「ココカラー」の称呼を生ずるものであるのに対し、
引用商標2及び3は、「ココカラ」の称呼を生ずるものである
ところ、」
「ココカラー」と「ココカラ」の称呼は、
「両者は、全体の語感、語調が異なり、称呼上聴別し得るもので
ある。」
として、非類似の商標とされました。
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今回は、一部の構成が共通する商標の類否が問題となりました。
一部の構成が共通する商標であっても、全体を総合的に判断して
これに接した人に混同が生じなければ非類似となります。
称呼や観念、外観を異ならせることが真似とは言わせないツボに
なります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
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編集・発行 深澤 潔
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