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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□
□ 10月3日号
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弁理士 深澤です。
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★このメルマガの目的♪
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このメルマガでは、
商標の審判・裁判事例等を通して、
○どんな
商標が類似といわれたのか
○識別力のある
商標とはどんなものなのか
といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。
(配信中止はこちらまで
http://www.mag2.com/m/0000241197.html)
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例♪
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今回取り上げるのは、
○登録第5944587号:
「SAKURA」の欧文字とそれよりやや大きめの「SPC」の
欧文字を同じ書体で横書きし、「SAKURA」の語尾の「A」の
文字及び「SPC」の語頭の「S」の文字に重なるように、ピンク色の
桜と思しき図形を配し、「SPC」の文字の右側に、ピンク系色の
3つの花弁様の図形を配した構成
指定商品・
役務は、第3類の「せっけん類,歯磨き,化粧品」
です。
ところが、この
商標は、
(1)登録第464603号
商標:
「SAKURA」の欧文字を書してなる構成
(2)登録第2673715,4409487,4409487号
商標:「サクラ」
(3)国際登録第939775号
商標:
「SPC」の欧文字を書してなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2016-019483号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この
商標の
「文字部分は、ピンク色の桜と思しき図形を介して互いに連結し、
また、当該桜と思しき図形と3つの花弁様の図形は、いずれもピンク系の
色が用いられていることから、全体がまとまりよく一体的に
表されたものと認識し、把握されるものである。」
そして、
「「SAKURA SPC」の文字から生じる「サクラエスピーシー」
の称呼も、格別冗長でなく、無理なく一連に称呼し得るもの
であり、また、その前部の「SAKURA」の文字は、「桜」の
文字をローマ字で表したものであり、後部の「SPC」の文字は、
特定の意味を有する単語・略語を想起、理解させるものではない
ことから、
本願商標は、全体として特定の観念を生じないもので
ある。」
そうすると、
「その構成文字全体に相応して、「サクラエスピーシー」の称呼を
生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。」
一方、
引用商標1、2は、
「それぞれの構成文字に相応して、「サクラ」の称呼を生じ、
「桜」の観念を生じるものである。」
引用商標3は、
「その構成文字に相応して、「エスピーシー」の称呼を生じ、また、
該文字は、上記(1)のとおり、特定の意味を有する単語・略語を
想起、理解させるものではないことから、特定の観念を生じない
ものである。」
そこで、それぞれ対比すると、外観については、
「いずれも構成文字数及び図形の有無において明らかに相違し、
明確に区別できるものであるから、
本願商標と
引用商標とは、外観上
相紛れるおそれはない。」
称呼は、「サクラエスピーシー」の称呼と、「サクラ」の称呼と
を比較した場合、及び、「サクラエスピーシー」の称呼と、
「エスピーシー」の称呼とを比較した場合と、何れも、
「構成音及び構成音数において明らかな差異を有するから、」
「称呼上相紛れるおそれはない。」
観念は、
「
本願商標は特定の観念を生じないものであるから、
引用商標と
比較することはできず、
本願商標と
引用商標とは、観念上相紛れる
おそれはない。」
よって、外観、称呼及び観念において、互いに類似しない非類似
の
商標とされました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、構成の一部が共通する
商標の類似が問題となりました。
一部が共通していても全体がまとまりよく一体の構成であれば、
分離して認識されることはない、として非類似となる場合が多い
です。
一体感を出すことが真似とは言わせないツボになります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
ご質問・ご感想お待ちしております!
編集・発行 深澤 潔
http://brand-service.biz/
各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の
商標登録関連
を扱っております
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弁理士 深澤です。
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○識別力のある商標とはどんなものなのか
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今回取り上げるのは、
○登録第5944587号:
「SAKURA」の欧文字とそれよりやや大きめの「SPC」の
欧文字を同じ書体で横書きし、「SAKURA」の語尾の「A」の
文字及び「SPC」の語頭の「S」の文字に重なるように、ピンク色の
桜と思しき図形を配し、「SPC」の文字の右側に、ピンク系色の
3つの花弁様の図形を配した構成
指定商品・役務は、第3類の「せっけん類,歯磨き,化粧品」
です。
ところが、この商標は、
(1)登録第464603号商標:
「SAKURA」の欧文字を書してなる構成
(2)登録第2673715,4409487,4409487号商標:「サクラ」
(3)国際登録第939775号商標:
「SPC」の欧文字を書してなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2016-019483号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「文字部分は、ピンク色の桜と思しき図形を介して互いに連結し、
また、当該桜と思しき図形と3つの花弁様の図形は、いずれもピンク系の
色が用いられていることから、全体がまとまりよく一体的に
表されたものと認識し、把握されるものである。」
そして、
「「SAKURA SPC」の文字から生じる「サクラエスピーシー」
の称呼も、格別冗長でなく、無理なく一連に称呼し得るもの
であり、また、その前部の「SAKURA」の文字は、「桜」の
文字をローマ字で表したものであり、後部の「SPC」の文字は、
特定の意味を有する単語・略語を想起、理解させるものではない
ことから、本願商標は、全体として特定の観念を生じないもので
ある。」
そうすると、
「その構成文字全体に相応して、「サクラエスピーシー」の称呼を
生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。」
一方、引用商標1、2は、
「それぞれの構成文字に相応して、「サクラ」の称呼を生じ、
「桜」の観念を生じるものである。」
引用商標3は、
「その構成文字に相応して、「エスピーシー」の称呼を生じ、また、
該文字は、上記(1)のとおり、特定の意味を有する単語・略語を
想起、理解させるものではないことから、特定の観念を生じない
ものである。」
そこで、それぞれ対比すると、外観については、
「いずれも構成文字数及び図形の有無において明らかに相違し、
明確に区別できるものであるから、本願商標と引用商標とは、外観上
相紛れるおそれはない。」
称呼は、「サクラエスピーシー」の称呼と、「サクラ」の称呼と
を比較した場合、及び、「サクラエスピーシー」の称呼と、
「エスピーシー」の称呼とを比較した場合と、何れも、
「構成音及び構成音数において明らかな差異を有するから、」
「称呼上相紛れるおそれはない。」
観念は、
「本願商標は特定の観念を生じないものであるから、引用商標と
比較することはできず、本願商標と引用商標とは、観念上相紛れる
おそれはない。」
よって、外観、称呼及び観念において、互いに類似しない非類似
の商標とされました。
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今回は、構成の一部が共通する商標の類似が問題となりました。
一部が共通していても全体がまとまりよく一体の構成であれば、
分離して認識されることはない、として非類似となる場合が多い
です。
一体感を出すことが真似とは言わせないツボになります。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
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編集・発行 深澤 潔
http://brand-service.biz/
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を扱っております
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