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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□
□ 3月3日号
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弁理士 深澤です。
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★このメルマガの目的♪
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このメルマガでは、
商標の審判・裁判事例等を通して、
○どんな
商標が類似といわれたのか
○識別力のある
商標とはどんなものなのか
といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。
(配信中止はこちらまで
http://www.mag2.com/m/0000241197.html)
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例♪
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今回取り上げるのは、
○登録第6187894号:「ARTZAL」
指定商品・
役務は、第5類の各商品です。
ところが、この
商標は、
登録第4531899号
商標:
「ALTOZAR」の欧文字及び「アルトザール」の片仮名を
上下二段に表してなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-002310)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この
商標の
「構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、横一列に表され、
全体としてまとまりのよい印象を与えるもので、構成全体としては、
既成語を組み合わせたものでも、成語となるものでもないから、
特定の語義を有しない一連一体の造語を表してなるものと認識される。」
そして、
「英語風やローマ字風など多様な読み方が可能であり、必ずしも
一つの称呼に特定されず複数の称呼をも生じ得るところ、その構成中の
「ART(アート)」(「芸術。美術。」の意味を有する英語)
(「広辞苑 第6版」岩波書店)の語及びその発音が我が国で
親しまれていることを鑑みると、」
「その音節の位置に応じて、「アートザル」の称呼(「ART-
ZAL」との音節に分けた場合)又は「アーツアル」の称呼
(「ARTZ-AL」との音節に分けた場合)が生じ得るものである。」
そうすると、
「その構成文字に相応して、「アートザル」又は「アーツアル」の
称呼が生じるが、特定の観念は生じない。」
一方、
引用商標の
「文字部分は、上下に近接して、横幅を揃えて表してなることから、
外観上まとまりのよい印象を与えるものであり、下段の片仮名は、
上段の欧文字部分の表音を表したものと容易に認識できるものである。」
また、
「それぞれの文字部分は、特定の意味を有する成語とも、既成語を
組み合わせたものとも看取できないから、特定の観念は生じない。」
そうすると、
「その構成文字に相応して、「アルトザール」の称呼を生じるが、
特定の観念は生じない。」
そこで、両者を比較すると、
「外観においては、構成文字及び文字種において明らかな差異が
あるため、互いの印象は異なったものになる。」
称呼は、
「「アートザル」又は「アーツアル」と「アルトザール」の音は、
構成音や音数に差異があるため、全体としての語調、語感が異なる
ものであり、互いに聴別することは容易である。」
観念は、
「互いに特定の観念は生じないから、比較することができない。」
そうすると、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れる
おそれはないため、非類似の
商標であるとされました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、一見すると称呼が類似していそうな
商標の類否が問題
となりました。
でも、その称呼が一般的である可能性が低ければ、非類似になる
場合があります。
一般的な称呼で考えることが真似とは言わせないツボになります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
************************************************************
真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
ご質問・ご感想お待ちしております!
編集・発行 深澤 潔
http://brand-service.biz/
各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の
商標登録関連
を扱っております
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ところが、この商標は、
登録第4531899号商標:
「ALTOZAR」の欧文字及び「アルトザール」の片仮名を
上下二段に表してなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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「構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、横一列に表され、
全体としてまとまりのよい印象を与えるもので、構成全体としては、
既成語を組み合わせたものでも、成語となるものでもないから、
特定の語義を有しない一連一体の造語を表してなるものと認識される。」
そして、
「英語風やローマ字風など多様な読み方が可能であり、必ずしも
一つの称呼に特定されず複数の称呼をも生じ得るところ、その構成中の
「ART(アート)」(「芸術。美術。」の意味を有する英語)
(「広辞苑 第6版」岩波書店)の語及びその発音が我が国で
親しまれていることを鑑みると、」
「その音節の位置に応じて、「アートザル」の称呼(「ART-
ZAL」との音節に分けた場合)又は「アーツアル」の称呼
(「ARTZ-AL」との音節に分けた場合)が生じ得るものである。」
そうすると、
「その構成文字に相応して、「アートザル」又は「アーツアル」の
称呼が生じるが、特定の観念は生じない。」
一方、引用商標の
「文字部分は、上下に近接して、横幅を揃えて表してなることから、
外観上まとまりのよい印象を与えるものであり、下段の片仮名は、
上段の欧文字部分の表音を表したものと容易に認識できるものである。」
また、
「それぞれの文字部分は、特定の意味を有する成語とも、既成語を
組み合わせたものとも看取できないから、特定の観念は生じない。」
そうすると、
「その構成文字に相応して、「アルトザール」の称呼を生じるが、
特定の観念は生じない。」
そこで、両者を比較すると、
「外観においては、構成文字及び文字種において明らかな差異が
あるため、互いの印象は異なったものになる。」
称呼は、
「「アートザル」又は「アーツアル」と「アルトザール」の音は、
構成音や音数に差異があるため、全体としての語調、語感が異なる
ものであり、互いに聴別することは容易である。」
観念は、
「互いに特定の観念は生じないから、比較することができない。」
そうすると、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れる
おそれはないため、非類似の商標であるとされました。
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今回は、一見すると称呼が類似していそうな商標の類否が問題
となりました。
でも、その称呼が一般的である可能性が低ければ、非類似になる
場合があります。
一般的な称呼で考えることが真似とは言わせないツボになります。
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編集・発行 深澤 潔
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