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中小企業診断士【第2次試験突破のノウハウ】
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このメールマガジンでは、新試験制度移行後の中小企業診断士【第2次試験】
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前回は「平成14年度:事例II」の第3問(設問2)の分析・解説を行いまし
た。
いくつかの受験校の模範解答を見てみたところ、メニューの提案や商品の説明
などのアドバイス的なサービスはどの模範解答にも含まれていました。参考解
答で挙げたもう一つのサービス「配送」と「ネット受注」についてですが、こ
れは「ネット販売」という形で模範解答に含めているケースが多いように見受
けられます。配送サービスについて触れているものもありましたが「少数派」
といったところでしょうか。与件文にある「販売できる商品が少ない」のは「
配送ができない」からなのか「商品数が少ない」からなのかについて記述はあ
りませんが、前回の小売業進出時の前段で「レストランで使用する食材のほと
んどが納入可能」といった記述があることから「商品数が少ない」というのは
考えにくいのではないでしょうか。やはり「配送」面が困難であったと考えて
差し支えないと思うのですが、如何でしょうか。
それでは、「平成14年度:事例II」の第3問(設問3)の分析・解説を始め
ます。
<<<<<<<<<< 分 析・解 説 >>>>>>>>>>
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┃ ┃
┃ 平成14年度 事例II(マーケティング・流通戦略) ┃
┃ ┃
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【第3問(設問3)】/////////////////////////
B社が新規に開業する小売店の基本戦略について、以下の設問に答えよ。
有名になったMシェフをB社の有効な経営資源の一つと考えたときに、どのよ
うに活用することが可能であるかについて100字以内で述べよ。
///////////////////////////////////
【題意の把握】----------------------------
この設問で問われていることは
「Mシェフの活用方法」
についてです。これだけだと「創造力」を働かせたさまざまな解答が出てきて
しまいますので、設問文前半に次のような前提が書かれています。
「有名になったMシェフを有効な経営資源と考える」
これを前提に「可能な活用方法を考える」のがこの設問の趣旨であると考えら
れます。したがってこの前提が非常に重要となってくるのではないでしょうか。
なぜなら、Mシェフをどのような経営資源として捉えるかによって解答の内容
がかなり変わってくると思われるためです。
この設問に取り組む手順としては
「MシェフはB社にとってどういう経営資源なのか」
を明確にしてから、活用方法を考えたほうが良さそうです。次の【与件文との
関連】ではこの順序を意識して考えてみたいと思います。
【与件文との関連】--------------------------
まずはMシェフの経営資源としての位置付けあるいは価値について検討してい
きます。与件文を通してMシェフに関する記述がありますが「経営資源として
の有効性」という観点で見てみると
1.Mシェフの始めたレストランは、本物の味が好評で急速に評判を高めて
いった
2.Mシェフも有名シェフの一人としてテレビに登場して、グルメ層にはよ
く知られた存在となっていった
といった点を重視する必要がありそうです。
1.についてはMシェフの基本的な価値を高めている要素であると考えられま
す。有名なシェフでも料理がマズければ、その価値はかなり低下するでしょう
からね。重要な要素です。また、2.についてはMシェフの知名度を向上させ
るとともに、有名人としてのイメージが情報の価値を高めたと考えて良いので
はないでしょうか。
ここまでの検討で既に明らかになっていますが、Mシェフにはブランドとして
の価値があり、B社がこれを活用することで自社ブランドを構築せずともブラ
ンド力のある事業展開が可能となるメリットがありそうです。
つまり、Mシェフは
「B社のブランド
資産」
という経営資源としての位置づけあるいは価値となるのではないでしょうか。
ここでブランド
資産、ブランド・エクイティともいいますが、その内容につい
て確認しておきたいと思います。ブランド
資産を形成する要素として
・ブランド
認知
・知覚品質
・ブランド・ロイヤルティ
・ブランド連想
などがあります。マーケティング関連の書籍によく登場するのでいまさらあげ
る必要もないのでしょうが...
では、次にB社のブランド
資産であるMシェフをどのように活用するかですが、
まずはMシェフの知名度を活用してB社小売店を効率的に
認知してもらうこと
が出来そうです。つまりは「プロモーション」への活用ということになります。
具体的には
・雑誌等への広告の出稿
・POP等でのインストアプロモーション
などが考えられます。Mシェフ自身のレストランの評価が高いため広告として
の信頼性が高いパブリシティなども効果的に使えそうです。前回の小売業進出
時でさえマスコミが取り上げてくれた程ですから、Mシェフのおかげで今回は
さらに注目度が増しているかも知れません。ただし、このあとの第4問設問2
でプロモーション戦略について問われていますので、この設問ではプロモーシ
ョンの具体的内容には触れないでおきます。
他に活用できそうなことは無いでしょうか。Mシェフレストランの評判が高い
のでそこで作られた惣菜...とか出したいですよね。でも前回のメルマガの
冒頭で「中食商品」の品揃えを否定してしまったので、ちょっとどうかと思っ
ているのですが...
ん~~かといってMシェフというブランド
資産をそれ以外に活用することは出
来るのでしょうか?Mシェフのお勧めメニューとか...それはPOPか。関
連購買の促進になるのでプロモーション的な活用ですよね。やはりMシェフレ
ストランの惣菜なのかな。信頼関係が構築されているので、惣菜づくりをお願
いするのは難しく無いですよね。
何か方針がブレまくってますが、もうひとつの活用方法として「商品開発」に
よる「クッキングの簡便化ニーズへの対応」を挙げておきます。有名なMシェ
フのレストランで作られた惣菜なら売り上げに大いに貢献しそうです。また、
前々回のメルマガにも書きましたがMシェフのレストランの売り上げにも貢献
できるので「Win-Win」の関係にも発展しそうです。
以上の検討から次のような活用方法が考えられます。
1.Mシェフの知名度を活用 → プロモーション
2.Mシェフレストランの評判の高さを活用 → 商品開発
付け加えておくとブランド価値の要素のうち、上記1.については「基本価値」
であり、2.については「情報価値」になります。MシェフというB社にとっ
てのブランド
資産は、上記のようなブランド価値があるからこそ活用する意味
がある、ということになります。
【使用可能なキーワード】-----------------------
ここまでの検討から参考解答に使えそうなキーワードを挙げておきます。
【Mシェフの経営資源としての位置づけ】
・ブランド
資産
【Mシェフの知名度】
・プロモーション
・
認知度向上の効率化
【Mシェフレストランの評判】
・商品開発
・クッキングの簡便化ニーズへの対応
【文章構成の設計】--------------------------
この設問の解答は【与件文との関連】での検討と同様に
1.Mシェフは経営資源としてどういう位置づけなのか
2.そしてその位置づけにあるMシェフをどう活用するのか
といった「問いに答える形」で記述すると良いのではないかと考えられます。
したがって、具体的には
「MシェフはB社の経営資源において~であり」
で始まり
「1)~、2)~等に活用することが可能である」
で文章を締めるような構成になります。このような構成にすることで設問文に
対応していることがアピールできるのではないでしょうか。
「参考解答」=============================
MシェフはB社の経営資源においてブランド
資産として考えられ、1)高級食材
小売店の効率的な
認知度向上を図るプロモーション面、2)クッキングの簡便化
ニーズに対応した商品開発面、等に活用することが可能である。
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前回のメルマガで自ら否定した「クッキングの簡便化ニーズ」を復活させてし
まいました。しかし、実際の本試験においても80分という時間の中で、方向
性について「あれこれ」迷うことは良くあることですよね。解答の一貫性が取
れていないことに気付いたり、内容が重複していることに気付いたり、一度は
「無いな」と思った方向性を再度持ち出してみたり...今回の設問ではまさ
にそのような状況を再現してしまったような感じです。それから、ブランドに
ついてですが2005年度版の中小企業白書でも「自社ブランド」が取り上げ
られていますので、今年の2次試験でも重要になってくると思われます。
今回はここまでとさせていただきます。
次回は「平成14年度:事例II」の第4問(設問1)から分析・解説します。