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コラムの泉

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登録第6231650号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       9月8日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6231650号:

 「EYELITE」の欧文字を黒色の太めのゴシック体に属する
書体をもって横書きし,その上下に黒色の二重線を配してなる構成

 指定商品・役務は、第9類の「配電用又は制御用の機械器具,
照明器具用安定器,照明器具用調光器」です。


 ところが、この商標は、

 登録第4354121号商標

 「I-right」の文字と「アイライト」の文字を上下2段に
横書きしてなる構成

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-000391)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「文字は,同じ大きさ,同じ書体で,等間隔をもって一連に表され
ており,上下の二重線は,いずれも外側の線を太く,内側の線を
細く表し,「EYELITE」の欧文字との距離は,上下とも
欧文字1字の縦幅の約3分の1程度とさほど離れていないことから,
上下の二重線は,「EYELITE」の欧文字を強調するための
ものとして認識されるものであり,」

「構成全体として,外観上,まとまりのよい一体的なものとして
把握されるものである。」

 また、

「「EYELITE」の欧文字は,辞書類に載録された既成語とは
認められないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語
として理解され,特定の観念を生じないものである。」

 そして、

「特定の語義を有しない欧文字は,一般に,我が国において親し
まれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,
「EYELITE」の欧文字は,英語の読みに倣って「アイライト」
の称呼を生じるものである。」

 そうすると、

「「EYELITE」の欧文字部分に相応して,「アイライト」の
称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 一方、引用商標

「文字は,やや太めのゴシック体に属する書体をもって,同じ大きさ,
同じ書体,等間隔で一連に表されていることから,外観上,まとまりの
よい一体的なものとして把握されるものである。また,下段の
「アイライト」の文字は,上段の「I-right」の文字よりも
細めのゴシック体に属する書体をもって表されており,その構成
及び態様からして,上段の「I-right」の文字の読みを
表したものと理解するのが自然である。」

 そうすると、

「構成中,下段の「アイライト」の文字は,取引者,需要者の注意を
ひくものではなく,上段の「I-right」の文字部分が,出所
識別標識としての機能を果たす主要な部分(要部)であるといえる。」

 そして、

「「I-right」の文字は,上記のとおり,まとまりのよい
一体的なものとして把握されるものであるところ,その構成全体
として辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,
構成全体をもって,特定の語義を有しない一種の造語として理解され,
特定の観念を生じないものである。」

 そうすると、

引用商標は,その構成文字に相応して,「アイライト」の称呼を
生じ,特定の観念を生じないものである。」

 そこで、両者を比較すると、

「「I(i)」及び「T(t)」の文字を含む点において共通する
としても,その構成上,上下の二重線及び「-」(ハイフン)の
有無の差異を有し,欧文字のつづりにおいても,文字商標における
外観の識別上重要な要素である語頭において「E」と「I」の欧文字の
差異を有する上,残りの欧文字部分も「YELITE」と「right」
とでつづりが全く異なることから,これらの差異が両商標の外観
全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者は別異の語である
との印象を強く与えるものである。」

 そうすると、

「視覚的な印象が著しく相違し,外観上,判然と区別し得るものである。」

 称呼は、

「同一である。」

 観念は、

「特定の観念を生じないから,比較することができない。」

 したがって、

「「アイライト」の称呼を共通にするとしても,外観においては,
両者の構成において際立った差異を有するものであって,その印象が
著しく相違し,判然と区別し得るものであり,また,観念においては,
比較することができないものであるから,」

 非類似の商標とされました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼同一の商標の類否が問題となりました。

 称呼が同一であっても外観が大きく異なり、観念で比較できなければ
非類似と判断される場合が多いです。

 外観をいかに異ならせるかが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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