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○中小企業戦略【
総務の知恵】 2021.8.25
コンプライアンスについて何!中小企業の注意する点は、vol.369
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なかはしです。
東京五輪が終わりましたが、河村名古屋市長の報道が連日行われて、
本来、もっとスポットライトを浴びるべき選手がいるはずなのにと感想を
持ちます。今回は、
コンプライアンスについて、ご紹介いたします。
<
コンプライアンスって何>
コンプライアンスは、法令遵守及び社会規範の遵守と解されます。
英語(compliance)は、応諾、従順と訳されます。会社や個人が法令や
社会規範に従うことが、
コンプライアンスと言えます。
コンプライアンスの概念が
近年重要視されてきたのは、法令遵守のみでなく、社会規範や社会道徳、会社の
利害関係者(
株主、経営者、
従業員、顧客、取引先など)の要望にかなうとの意味合
いが出てきたからです。
会社法において、
取締役は、
善管注意義務(
会社法第348条)として会社が健全な
経営を行うためのリスク管理体制を負うとされています。
会社法第348条の4(業務の執行)
「
取締役の職務の執行が法令及び
定款に適合することを確保するための体制その
他
株式会社の業務並びに当該
株式会社及びその子会社から成る
企業集団の業務
の適正を確保するために必要なものとして法務省で定める体制の整備」
SDGs(持続可能な開発目標)やCSR(企業の社会的責任)など、グローバル化のた
め、より多様な価値観が企業に求められることになり、問題を複雑化しています。
コンプライアンス対策として、中小企業経営者として気をつけたい3つのリスクを
説明します。
・
労務リスク及び法律改正対応リスク
・情報漏えいリスク
・企業倫理欠如によるリスク
<
労務リスク及び法律改正対応リスクについて>
労働問題の
コンプライアンス違反で問題になる事例は、
過重労働、パワーハラスメントといった
各種のハラスメントなどがあります。
過重労働については、働き方改革推進法が施行されています。
働き方改革推進法の3本の柱となるのが、
「
時間外労働の上限規制」と「
有給休暇の確実な取得」と「同一労働同一
賃金」です。
「
時間外労働の上限規制」については、
36協定の締結と上限時間の管理です。
そのためには、
労働時間理は必須になります。「
有給休暇の確実な取得」には、取得ルールや規程の再点検が必要です。
そして、
有給管理簿の備え付けは、必須です。コンプラアンス上で、重要点は、
過重労働でないという規程や帳簿の整備が重要です。
会社は、適正な働き方をしていることを証明することが必要です。
ハラスメント関連は、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントなどになります。
すべて、法律に準拠していて、規定化することができます。
しかし、難しい点は、気の緩みなどによる発言や行動で足元をすくわれることになります。関連の
「ハラスメント防止規程」および「育児介護規程」などを常に見直し、
社内に浸透することに力を入れる必要があります。
法律改正の中でも、規制緩和については、アメリカによる外圧による影響のためと言えます。
1992年の大店法の改正から、NTTの分離、建築基準法の緩和、人材派遣の自由化、
2005年の
会社法、独占禁止法改正、2006年
特許法改正と続きます。
しかし、日本の規制緩和は、徹底していないと批判もあり、見直しがあるものもあります。
海外で生産する場合には、海外の環境汚染や人権問題などは、厳しく追及されるなど、
国際的基準の圧力が日本企業にかかってきました。
企業活動を行う上で、最低必要な法律の範囲は、1)
会社法、2)独占禁止法と知的財産法、3)労働関連法、
4)消費者関連法、5)ネット関連法6)各企業に属する業法になります。
コンプライアンス対策は、基本は、トップの法的意識になります。
法律をトップが理解し、浸透することで、
コンプライアンスの社内理解が深まると考えます。
<情報漏えいリスク>
個人情報保護法の改正により、1件でも
個人情報を取り扱う
事業者がすべてこの法律の対象になります。
法律の改正の方向は、個人の権利保護が強化され、
事業者の責務が強化されたのです。
詳しくは、
情報は財産からリスクに…?
罰則が強化「2022年
個人情報保護法改正」の要点まとめ - 経営ノウハウの泉 (soumunomori.com)
を参照お願いいたします。
近年で、最も、注意すべきは、SNSへの社員の投稿になると考えます。
SNSを用いた誹謗中傷は、対象人物、や対象の会社を傷つけることになります。
また、SNSによる著しく常識に反する投稿や機密情報の流出が想定されます。
SNSは、拡散されることが、危険性をはらんでいます。
入社時の研修や社内研修では、SNSを意識したものにすることをお薦めいたします。
ネット社会では、企業として情報セキュリティに関して
従業員対策も必要です。
情報セキュリティシステムによるアクセスの制限や、コピーの制限などで、
会社のデータを持ち出せないようにするようにせざるを得ません。
コンプライアンス対策は、褒められるためのものでなく、防御するための
内部統制システムのためのものといえます。
<企業倫理欠如リスク>
一番難しいことで、コントロールし難いものが企業倫理の欠如になります。
法令違反ではないが、企業欠如の行為として、以下のようなものが考えられます。
・社会動向の変化への不適切な対応
・法令違反さえなければ良いとする認識や態度
・嘘を言ったり、事実を公表しないなどの不誠実な態度
・
説明責任を果たさない態度
もともとの原因が法令違反あったとしても、二次対応がこの企業倫理欠如に起因する行動によって、
企業活動が致命的な方向に追い込まれる可能性があります。
経営基本方針や
コンプライアンス基本方針などを策定して、会社全体に浸透させていく必要があります。
<最後に>
近江商人の言葉の近江商人の「売り手良し・買い手良し・世間良し」の三方良しの心を思い出します。
しかし、「世間良し」と思っていたことが、違っていることがあるかもしれないのです。
とかく、企業活動には、厳しい目があることを意識して社内整備をすることをお薦めいたします。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
〒540-0011
大阪市中央区農人橋2丁目1番31号 第6松屋ビル
オフィス中橋
社会保険労務士 中橋章好
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○中小企業戦略【総務の知恵】 2021.8.25
コンプライアンスについて何!中小企業の注意する点は、vol.369
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なかはしです。
東京五輪が終わりましたが、河村名古屋市長の報道が連日行われて、
本来、もっとスポットライトを浴びるべき選手がいるはずなのにと感想を
持ちます。今回は、コンプライアンスについて、ご紹介いたします。
<コンプライアンスって何>
コンプライアンスは、法令遵守及び社会規範の遵守と解されます。
英語(compliance)は、応諾、従順と訳されます。会社や個人が法令や
社会規範に従うことが、コンプライアンスと言えます。コンプライアンスの概念が
近年重要視されてきたのは、法令遵守のみでなく、社会規範や社会道徳、会社の
利害関係者(株主、経営者、従業員、顧客、取引先など)の要望にかなうとの意味合
いが出てきたからです。
会社法において、取締役は、善管注意義務(会社法第348条)として会社が健全な
経営を行うためのリスク管理体制を負うとされています。
会社法第348条の4(業務の執行)
「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その
他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務
の適正を確保するために必要なものとして法務省で定める体制の整備」
SDGs(持続可能な開発目標)やCSR(企業の社会的責任)など、グローバル化のた
め、より多様な価値観が企業に求められることになり、問題を複雑化しています。
コンプライアンス対策として、中小企業経営者として気をつけたい3つのリスクを
説明します。
・労務リスク及び法律改正対応リスク
・情報漏えいリスク
・企業倫理欠如によるリスク
<労務リスク及び法律改正対応リスクについて>
労働問題のコンプライアンス違反で問題になる事例は、過重労働、パワーハラスメントといった
各種のハラスメントなどがあります。過重労働については、働き方改革推進法が施行されています。
働き方改革推進法の3本の柱となるのが、
「時間外労働の上限規制」と「有給休暇の確実な取得」と「同一労働同一賃金」です。
「時間外労働の上限規制」については、36協定の締結と上限時間の管理です。
そのためには、労働時間理は必須になります。「有給休暇の確実な取得」には、取得ルールや規程の再点検が必要です。
そして、有給管理簿の備え付けは、必須です。コンプラアンス上で、重要点は、過重労働でないという規程や帳簿の整備が重要です。
会社は、適正な働き方をしていることを証明することが必要です。
ハラスメント関連は、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントなどになります。
すべて、法律に準拠していて、規定化することができます。
しかし、難しい点は、気の緩みなどによる発言や行動で足元をすくわれることになります。関連の
「ハラスメント防止規程」および「育児介護規程」などを常に見直し、
社内に浸透することに力を入れる必要があります。
法律改正の中でも、規制緩和については、アメリカによる外圧による影響のためと言えます。
1992年の大店法の改正から、NTTの分離、建築基準法の緩和、人材派遣の自由化、
2005年の会社法、独占禁止法改正、2006年特許法改正と続きます。
しかし、日本の規制緩和は、徹底していないと批判もあり、見直しがあるものもあります。
海外で生産する場合には、海外の環境汚染や人権問題などは、厳しく追及されるなど、
国際的基準の圧力が日本企業にかかってきました。
企業活動を行う上で、最低必要な法律の範囲は、1)会社法、2)独占禁止法と知的財産法、3)労働関連法、
4)消費者関連法、5)ネット関連法6)各企業に属する業法になります。
コンプライアンス対策は、基本は、トップの法的意識になります。
法律をトップが理解し、浸透することで、コンプライアンスの社内理解が深まると考えます。
<情報漏えいリスク>
個人情報保護法の改正により、1件でも個人情報を取り扱う事業者がすべてこの法律の対象になります。
法律の改正の方向は、個人の権利保護が強化され、事業者の責務が強化されたのです。
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近年で、最も、注意すべきは、SNSへの社員の投稿になると考えます。
SNSを用いた誹謗中傷は、対象人物、や対象の会社を傷つけることになります。
また、SNSによる著しく常識に反する投稿や機密情報の流出が想定されます。
SNSは、拡散されることが、危険性をはらんでいます。
入社時の研修や社内研修では、SNSを意識したものにすることをお薦めいたします。
ネット社会では、企業として情報セキュリティに関して従業員対策も必要です。
情報セキュリティシステムによるアクセスの制限や、コピーの制限などで、
会社のデータを持ち出せないようにするようにせざるを得ません。
コンプライアンス対策は、褒められるためのものでなく、防御するための内部統制システムのためのものといえます。
<企業倫理欠如リスク>
一番難しいことで、コントロールし難いものが企業倫理の欠如になります。
法令違反ではないが、企業欠如の行為として、以下のようなものが考えられます。
・社会動向の変化への不適切な対応
・法令違反さえなければ良いとする認識や態度
・嘘を言ったり、事実を公表しないなどの不誠実な態度
・説明責任を果たさない態度
もともとの原因が法令違反あったとしても、二次対応がこの企業倫理欠如に起因する行動によって、
企業活動が致命的な方向に追い込まれる可能性があります。
経営基本方針やコンプライアンス基本方針などを策定して、会社全体に浸透させていく必要があります。
<最後に>
近江商人の言葉の近江商人の「売り手良し・買い手良し・世間良し」の三方良しの心を思い出します。
しかし、「世間良し」と思っていたことが、違っていることがあるかもしれないのです。
とかく、企業活動には、厳しい目があることを意識して社内整備をすることをお薦めいたします。
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