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建築士の名義貸しと欠陥建物の買主

■Vol.24(通算 Vol.159) 2008-3-5 毎週水曜日配信            
■■■――――――――――――――――――――――――――――――――
□□■   
■■■  ― 経営者、起業準備の方必見です!―
□□■
■■■ 「建築士の名義貸しと欠陥建物の買主」
□□■           
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 こんにちは。メルマガ担当の安藤です。
 これまでも、ひっそり担当していたのですが、皆様により親しんでいただ
 けるメルマガ作りの為、署名入りでご紹介させていただくことになりまし
 た。
 
 これからも、よろしくお願いいたします!

 

 さて、今、当事務所では、BGMを入れるために、有線放送の計画が進んで
 います。天井に専用のスピーカーを付け、ジャズ、クラッシク等々お好みの
 音楽を!という訳です。
 音楽好きの私としては、実現を心待ちにしていたのですが、建物のオーナー
 からストップが。

 いよいよ有線の配線工事をする段になって、建物の外から露出の配線になる
 からと、オーナーが許可してくれなかったのです。
 

 建物の資産価値を守るためか、だいたい賃貸の建物の工事は許可を取るのが
 大変ですね。
 有線導入を担当している村岡は、かなり苦労しているようです。
 村岡さん。最後まで、ギブアップしないでねっ!


 ところで、大金を投じて購入した、建物が欠陥物件だったら!?
 泣き寝入りしたくない人のために、緒方弁護士がお送りします。
 

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
      「建築士の名義貸しと欠陥建物の買主」
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
弁護士の緒方義行です。

今回は、「建築士の名義貸しと欠陥建物の買主」です。
建築確認申請書に工事監理者として名前を記載した建築士は、その建物の買
主に対して、欠陥による損害について責任を負う場合があることを認めた最
高裁判所の判決(平成15年11月14日)が題材です。

建築業界では有名な判例で、建築士からの注目を集めた判決ですが、改めて
まとめておきます。

すなわち、
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
【建築士の皆さん!要注意です!】
建築確認申請書に名前を載せるだけの名義貸しでも責任を負う場合がありま
すよ!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
【建物買主の皆さん!あきらめないで!】
 直接の契約関係にある売主以外であっても、責任をとってもらえる場合が
ありますよ!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
というわけです。


判例の事案はこんなケースです。

===================================================================
建売住宅の販売会社が、建築士に対し,設計図書の作成と建築確認申請手
続の代行を依頼しました。
工事監理者は未定でしたが、その建物は建築士による工事監理が必要な建物
で、しかも、大阪市では建築確認申請の段階で工事監理者を記載するように
指導していたため、建築確認申請書の工事監理者の箇所には建築士の名前を
記載しておいてほしいと頼みました。
そこで、頼まれたままに、その建築士は、建築確認申請書の工事監理者欄に
自分の名前を記載して建築確認申請を行いました。そして、建築確認がおり
たので、建築士は、設計図書の作成と建築確認申請手続代行の報酬をもらい
ました。
工事監理については、現実に依頼されることはなかったので、最後まで工事
監理に当たることはありませんでした。

しかし、その後、建物は、建築確認を受けた設計図書とは異なる施工図面に
基づいて、しかも、工事監理者がいない状態で建築され、重大な欠陥のある
建築物となりました。そして、その欠陥住宅を購入した買主が欠陥に気付い
て、売主とその仲介業者を訴えました。代金返還請求と損害賠償請求です。


裁判の結果、買主は、仲介業者には勝訴できませんでしたが、売主にはほぼ
全面勝訴しました。しかし、売主には資力がなくて、代金の返還も損害の賠
償もできませんでした。

困った買主は、建築確認申請書の工事監理者欄に名前が記載されていた建築
士を訴えたのです。
===================================================================

 最高裁判所の判決は建築士の責任を認めるものでした。

POINT 建築士の一般的注意義務―専門家責任
建築士は、その業務を行うに当たり、建築物の将来の買主に対する関係で
も、建築士による設計・工事監理を規定した法規制の実効性を失わせるよ
うな行為をしてはならない法的義務がある。
そして、故意又は過失によりこれに違反する行為をした場合には、その行
為により損害を被った買主に対して、不法行為に基づく損害賠償責任を負
う。

 建築士だけでなく、独占業務が認められている専門家には、高度で広範
囲の注意義務があるということになると思われますので、専門家は気を引
き締めなければなりません。
 

本件の判決では、
「建築主との間で工事監理契約が締結されておらず、将来締結されるか否
かも未定であるにもかかわらず、建築士が、建築主の求めに応じて建築確
認申請書に自分が工事監理を行う旨の実体に沿わない記載をし、工事監理
を行わないことが明確になった段階でも、建築主に工事監理者の変更の届
出をさせる等の適切な措置を執らずに放置したこと、そのため、実質上、
工事監理者がいない状態で建築された建物が重大な瑕疵のある建築物とな
ったこと」
などを重視して、建築士の行為は、法規制の実効性を失わせる行為にあた
り、買主に対する不法行為になると判断しました。



                    (弁護士 緒方 義行)
                 URL http://www.fuso-godo.jp/


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