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製造請負契約の商事留置権の行使と所有権留保について

著者 法務初心 さん

最終更新日:2010年08月04日 10:37

お世話になります。

現在、製造請負契約書を作成していますが商事留置権の行使と所有権留保の条項について教えて下さい。

概要は、弊社(甲)甲所有物を加工する会社(乙)に製造請負を委託し、完製品を甲が買取るという流れです。

商事留置権の成否を最終的に判断するのは、裁判所であり、「商事留置権を行使しない」という条項は、あまり有効性がありませんとお聞きしました。そのため、「弊社の所有権留保」条項で、多少の代替機能を持たせるようにしたいと思います。

問1:「商事留置権を行使しない」こちらの条項:乙は、甲に対し商事留置権を行使しない。
と、これだけでも効果はありますでしょうか。

問2:如上の有効性を確たるものにするために乙は、甲所有物を検収・受領後においても甲所有物の所有権は移転せず甲に留保するものとする。

上記記載の内容で問題はありませんでしょうか。

ご教授お願い致します。

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Re: 製造請負契約の商事留置権の行使と所有権留保について

著者外資社員さん

2010年08月06日 12:37

こんにちは

留置権の懸念は、貴社が委託先への支払いをしないことを理由に、加工依頼をしたものを留置されることですよね。

その前提とすれば、2つの事例があります。
一つは通常の取引で、実際には加工が終わっても支払いは翌月等になりますから、このような短期の支払い期間のずれに、乙が留置権を行使しないのは一般的と思います。 ですからのその範囲なら問1,2とも合理性があり、その条件で相手の合意を契約書に対して得ればよいのです。

もう一つは非常時であり、例として貴社が支払いを滞らせたような場合です。 このような場合に、乙が債権不払いを理由に、留置権を行使しても これを契約で制限することは困難です。(なぜなら原因は甲の不払いにあるので)
そのような場合には、問1,2、は無効となる可能性大です。


契約とは、一般的な慣例や合理性をなぞったものですから、その範囲のことならば問題ないし、それを越えたことを求めるのは難しいのです。
貴社が求めるのが通常の業務の範囲ならば、その具体例を確認した上で合意すれば問題ありません。 但し、貴社側に債権不払いなどの原因があれば、留置権の制限は困難です。

Re: 製造請負契約の商事留置権の行使と所有権留保について

著者法務初心さん

2010年08月21日 11:48

> こんにちは
>
> 留置権の懸念は、貴社が委託先への支払いをしないことを理由に、加工依頼をしたものを留置されることですよね。
>
> その前提とすれば、2つの事例があります。
> 一つは通常の取引で、実際には加工が終わっても支払いは翌月等になりますから、このような短期の支払い期間のずれに、乙が留置権を行使しないのは一般的と思います。 ですからのその範囲なら問1,2とも合理性があり、その条件で相手の合意を契約書に対して得ればよいのです。
>
> もう一つは非常時であり、例として貴社が支払いを滞らせたような場合です。 このような場合に、乙が債権不払いを理由に、留置権を行使しても これを契約で制限することは困難です。(なぜなら原因は甲の不払いにあるので)
> そのような場合には、問1,2、は無効となる可能性大です。
>
>
> 契約とは、一般的な慣例や合理性をなぞったものですから、その範囲のことならば問題ないし、それを越えたことを求めるのは難しいのです。
> 貴社が求めるのが通常の業務の範囲ならば、その具体例を確認した上で合意すれば問題ありません。 但し、貴社側に債権不払いなどの原因があれば、留置権の制限は困難です。

分かりやすいご回答をいただきましてありがとう御座います。

参考にして契約書作成させて頂きます。
ありがとう御座いました。

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