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面接を受ける男性

期待外れの人材はこう防ぐ!採用ミスマッチを防ぐ、押さえておくべきポイント

職務経歴も魅力的で、面接でのやり取りでも満足のいく回答。大きな期待をもって迎え入れたものの、実施に入社してみると期待通りの活躍をしてくれない。こういったミスマッチの話は、特にマネージャーレイヤーなど会社の中核メンバーを採用する際に、よく耳にする問題です。

特定の人物が活躍できるのは、環境とその人の特性がマッチするからであって、その人の能力だけを見て採用後活躍できるかどうかを計ることは非常に難しいと感じます。マッチ度合いは、実際に仕事を一緒にしないと分からないことが多く、さらに候補者側にも自ら活躍できるよう環境を整えていく力が求められます。会社との相性や環境を変える力を採用時に知ることは難しい一方で、採用を完全な博打だと思っている会社は成長しません。そこで今回は、筆者がビジネス系の人材採用を行う際に、ミスマッチを避けるために心がけているポイントを3つご紹介します。

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面接において「見せ方」だけが上手な候補者を見極める

候補者のなかには、面接の場で見せ方がうまかったり、単に運がよかった人もいるとは思います。例えば、ちょっとプロジェクトに関連していただけなのに、すべて仕切っていたかのように話す人や、優秀な部下がいたから結果が出ていたといった人などが考えられます。

ただ筆者は、面接でこういう人にあうことはかなり例外的と考えています。多くの場合、採用する側が候補者を“採りたい”という意識が強くなりすぎて、候補者の回答を都合のよいように解釈してしまうケースの方が多いのではないでしょうか。もし、自分がやっていないことを、面接で初めて話した人が信じるくらい巧みに話せるのであれば、それは逆に凄い才能です。そういう人がいるのであれば、とても優秀な可能性が高いと思います。

一般的に面接は3-4回程度です。1回1時間と考えても、面接を通してその人を見極めるまでには3-4時間しかないことになります。これだけ短い時間のなかで人の特性を理解することは非常に困難で、さらに面接でのやり取りは事前に対策が可能なため、筆者は面接で何を尋ねるべきかについてあまり重視していません。

なお、Chat GPTに「ベンチャー企業の経験豊かな経験者が面接で聞くべき質問を3つ教えてほしい」と尋ねると、“プロジェクト事例の具体を聞く”、“ポジションでの具体的な責任範囲を聞く”、“成功体験、失敗体験を一つずつ聞く”という回答が返ってきました。これらの質問は、候補者の経験やスキルを深掘りするのに有効で、ロジカルに評価できます。もし面接でのテクニックが気になる方は、Chat GPTの活用を検討されるのもよいかと思います。

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成功する人材選びの3つの視点

①できるだけ若い人を面接する

まず一つ目のポイントは、同じ職責や年俸であれば、できるだけ若い人を面接することです。これだけ書くと誤解をされそうなので、少し説明をします。多くのベンチャー企業では年功序列的な評価制度はなくなり、能力次第で早く出世する傾向にあります。つまり、年齢に関係なく組織のなかで評価されている人が分かりやすくなっています。年齢が若くて高いポジションや年俸に到達しているということは、同じポジションや年俸水準で年上の人材よりも成長曲線が高い人材であるとも解釈できるかと思います。

もちろん、出世するためには複合的な要素が関連するため一概にはいえませんが、少なくとも上昇意欲がありマインド面で新しいことをハングリーに学ぶ意欲が高い人材が多い印象があります。なお、年功序列的な人事評価制度が残っていることが多い大企業出身者と、ベンチャー企業出身者を一緒の基準感で判断することは避けた方がよいでしょう。

②職責が多く変わるなか、結果を出している人

ベンチャー企業では、毎年、半期、あるいは毎四半期ごとなど、高い頻度で注力する分野が変わることもあります。注力事業の成長をブーストしていく場合や、新規事業開発や新サービスのローンチ、あるいは会社買収をした後の経営統合への対応などが挙げられます。こういった局面において、経営者のマインドとして優秀な人をその業務に充てて成功確率を上げようとするので、優秀な人材ほど職責が多く変わることがよくあります。そのような環境下で結果を出して活躍してきた人は、職場環境が変わっても活躍できる可能性が高いと感じます。

その一方で、特定の職責で成果が出なかったり、周囲と合わないからポジションがいろいろ変わったりする人もいることは事実です。それぞれの人の特性を見分けるポイントとして、部署変更に伴い給与やポジションが変化しているかどうか、部署変更の理由を面接で細かく確認するとよいでしょう。

③飲みに行って相性がよい人

新たに参画した人が会社で活躍できるかは、これまでの職務経験もさることながら、候補者に任せたい役割について経営者と理解の共有や人として大切にする価値観(バイブス)があうかにかかっていると感じます。また、自らが活躍できる環境をつくるため、周囲に働きかけ環境を変えていく力も会社の中核人材には期待したい能力です。

バイブスやマインドセットなど、メタなレイヤーでお互いを認めることができるかが重要だと考えたとき、比較的長い時間継続的にやり取りをするなかでお互いの人柄について知ることが重要だと思います。一つの手段として、採用期間中に飲みに誘うのはいかがでしょうか。

ただし、あくまでフランクな場であることを意識し、お互いに取り繕った会話をしないよう心がけることが大切です。候補者の視点からすると、経営者がかしこまったコミュニケーションをしていると、それにあわせたスタンスにするでしょう。経営者側から一歩踏み出し、会社の課題やこれから目指す絵姿、あるいは、採用をする人に対する期待値を本当の言葉でコミュニケーションすることが大切です。

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まとめ

採用の際に役割や期待値のすり合わせが十分でないと、ミスマッチが発生しやすくなります。特に候補者側が面接時に自らの能力をあえて低く見せることはないので、採用側がしっかりとマッチ度を見極める必要があります。

今回ご紹介したポイントは、面接の場で工夫できるものではなく、キャリアや人生を通してつくり上げてきた候補者の仕事観を見る論点です。面接に頼りすぎることにより発生しうる誤解を防ぐことに役立つかと思います。

*Graphs, EKAKI / PIXTA(ピクスタ)

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