登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 経営・財務 > 【中小企業経営者必見】コスト削減アイディア&やってはいけないNGポイント3つ
コスト削減

【中小企業経営者必見】コスト削減アイディア&やってはいけないNGポイント3つ

企業の利益を増やすには売上を増やすか、コストを削減するかです。コストの削減は企業にとって常に重要な課題であり、頭を悩ませている経営者も多いでしょう。しかし、コスト削減は誤ったやり方で実施すると逆効果になってしまう場合があります。コスト削減にはポイントがあるのです。本記事ではコスト削減のポイントと、削減のアイデア4つ、そして、やってはいけないコスト削減について解説します。

コスト削減のポイント3つ

コスト削減を成功させるにはいくつかのポイントがあります。

1:コスト削減の目標を明確にする

コスト削減はなんとなくでやるのではなく、月にどれくらいの値段を削減したいのか明確にしてから実施しましょう。例えば「来期の黒字化のためコストを毎月○万円削減する」といったようにです。目標や目的が明確になれば社員も具体的な活動をイメージしやすくなりますし、コスト削減に協力してくれやすくなります。

2:やるべきコスト削減とやってはいけないコスト削減を見極める

コストはなんでもかんでも削減すれば良いというものではありません。無駄なコストは削減すべきですが、コスト削減のしわ寄せが社員の労働時間の増加や顧客サービスの低下につながるようでは本末転倒です。そのような削減の仕方をすると顧客離れや社員の離職につながります。やるべきコスト削減とやってはいけないコスト削減を見極めるようにしましょう。

3:コスト見直しは定期的に行う

コスト削減は一度やって終わりではありません。定期的に見直しましょう。また、見直しの期限を設定するのも大事です。見直しをしなくても日々の業務は回るので、期限を決めないとずるずると後回しになってしまいます。見直しを行う期間を定期的に決めて、日々の業務に組み込んでしまいましょう。

やるべきコスト削減アイデア4つ

コスト削減施策1:社員の定着率向上

リクルートの「就職白書2020」によれば2019年度における新卒採用1人にかかる採用コストは平均で93.6万円。中途採用の場合は1人当たり103.3万円でした。

これだけの金額を投資するのですから、入社後すぐ辞められては困りますね? そこで有効なのが定着率向上のための施策です。離職率を低下させ定着率を向上させることは採用コストの削減につながるのです。

具体的には以下の施策が考えられます。

  • 社員のワークライフバランスを充実させる
  • 公平な人事評価制度を作る
  • 社内コミュニケーションを活性化させる
  • 求人と実際の現場のギャップを無くす
  • キャリアアップを支援する
  • 働きやすい環境を整備する
  • 定期的に昇給・賃上げをする

【もっと詳しく】なぜ辞める?離職率の計算方法と人材流出を防ぐ「リテンション施策」とは

コスト削減施策2:オフィス固定費の見直し

コスト削減で効果が大きいのは固定費の見直しです。特にオフィス関連は無駄が生じやすく、固定費の増加に繋がりやすいため、これを重点的に見直しましょう。

具体的には以下の施策が考えられます。

  • 電力会社や料金プランの見直し
  • 通信会社や料金プランの見直し
  • テレワーク導入とオフィス縮小
  • 消耗品の発注量の見直し
  • 働き方の見直し(こまめな節電など)

【もっと詳しく】オフィス縮小・移転の効果とは?メリット・デメリットを一挙解説【事例付き】

コスト削減施策3:通勤コスト見直し

本来、通勤手当は会社が支給する義務はありませんが、社員が円滑に働くためには不可欠な費用ですね。ただ、通勤経路は1人ひとり違うため、効率的な管理・運用が難しく、無駄が生じやすい部分でもあります。通勤コストを見直せば大幅にコスト削減ができるかもしれません。

具体的には以下の施策が考えられます。

  • テレワーク導入
  • 定期の長期支給
  • 通勤ルートの見直し
  • 自転車や徒歩での通勤を推奨
  • タクシーを使わず、公共交通機関を利用する

コスト削減施策4:バックオフィスのDX

バックオフィスの業務は人的コストがかさむ傾向にあります。特に経費精算は毎日のように大量の申請が上がってくるので大変です。また、経費精算は経理担当者だけの業務ではありません。請求書や領収書の申請は事業部門内のワークフローを経て経理部門まで上がってきます。経費精算システムの活用により、経理担当者の負荷を減らし、別の業務を遂行してもらうこともできます。経費精算システムを導入する際は以下のポイントを押さえて導入しましょう。

  • 自社の経費精算フローの課題点をしっかり把握した上で導入する
  • 導入に際して社内のルールも一緒に見直す
  • 複数のシステムを比較して検討する
  • 利用したい機能と不要な機能を検討して選ぶ
  • 無料トライアル期間を有効に活用する
  • ヘルプデスクの設置やマニュアルの整備をする

【もっと詳しく】交通費の都度精算…経理負担は大丈夫?リモートワークによる交通費精算の複雑化と改善方法

やってはいけないコスト削減施策3つ

コスト削減はやるべき部分とやるべきでない部分があります。特に社員のモチベーションを下げたり、顧客満足度を下げたりするようなコスト削減はやるべきではありません。例えば以下のような施策です。

NG1:オフィス物件の質を下げる

テレワークを導入しオフィス環境の快適度が変わらない小さいオフィスに引っ越すというのは何も問題ありません。問題があるのはオフィス賃料の削減のため、交通の便が悪い物件や設備の古い物件にあえて引っ越すような場合です。このような固定費の削減の仕方は社員のモチベーションを下げ、ストレスを増大させます。すると離職率が増加して採用コストが増えます。コスト削減のために物件のグレードを下げたのに、結局全体のコストは増加といった事態になりかねません。社員のモチベーションを下げるような安易なオフィス移転はやめましょう。

NG2:安易なリストラや研修費の削減

安易なリストラや人件費削減もおすすめできません。リストラは業績悪化のイメージが強く、顧客や取引先がネガティブなイメージを持ってしまいかねません。

また、大企業のような1人ひとりの社員の顔が見えにくい会社であればリストラもしやすいかもしれませんが、経営者と社員の距離が近い中小企業がリストラを敢行すると社内に深刻な溝が発生してしまいかねません。研修費の削減も望ましくありません。研修費を削減すると社員のスキルが低下し、サービスの質や顧客満足度が低下してしまいます。

結果的にコストも削減できたが売上も下がったということになりかねません。組織の礎である人にかかわるリストラや研修費の削減はどうにもならなくなったときの最後の手段です。安易に敢行するのはやめましょう。

NG3:原材料費の削減

原価率を抑えるための原材料費削減も実施には慎重を期すべきでしょう。消費者は味や品質に敏感だからです。特に昨今はSNS社会なので「味が落ちた」「品質が落ちた」という口コミはすぐに拡散してしまいます。その口コミを見た特に気にしていない消費者にまで影響が出る可能性が高いです。同様に内容量を黙って減らすのもすぐに消費者は把握します。内容量は計測しやすいのでブログやYouTubeで検証している消費者がたくさんいるからです。

まとめ:定期的なコスト削減で利益率を上げよう

コスト削減は利益率を上げるのに効果的な施策です。しかし、本当に無駄なコストに限って実施しないと逆効果になります。必要なコストは投資でもあるからです。また、コスト削減は1回で終わらせてはいけません。利益率の向上は企業にとって恒常的なテーマです。定期的なコスト削減で利益率を上げていきましょう。

【こちらの記事も】企業再建のプロが語る中小企業経営の落とし穴と回避法~「採用コスト」をケチると後悔する~

【参考】就職白書2020/リクルート

*アン・デオール、makaron*、node、Taka / PIXTA(ピクスタ)