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【申請は22年11月末まで】時間外労働縮減で助成金が!働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)とは

2022.07.04

“働き方改革”の一環として、2020年4月1日に労働基準法が改正され、中小企業の使用者には時間外労働の上限規制が課せられました。通常の36協定を締結している場合は、月45時間・年360時間が上限となっています。

時間外労働削減には取り組めていますでしょうか。今回は、働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)をご案内します。労働時間短縮に取り組みたい、労務管理用の機器や労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新を検討されている方は、助成金が受け取れるタイミングで実施することをおすすめします。

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)とは

働き方改革推進支援助成金とは、厚生労働省の設備投資等に関する助成金です。現在の労働条件の改善(労働時間の短縮や休暇制度の導入等)を行い、生産性向上を目的とした設備投資等(労務管理に関する研修や人材確保に向けた取組等も含む)を行った場合、一定額の助成が得られるもの。労働時間短縮・年休促進支援コースは、生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主の支援制度です。原則、2023年1月31日までに実施した取り組みが対象となります。

【こちらの記事も】中小企業向け「設備投資」に役立つ支援制度を一挙解説【税制度・補助金・助成金】

課題別にみる助成金の活用事例

企業の課題別に助成金活用事例は次の通り。生産性の向上を図ることにより、働きやすい職場づくりを目指しましょう。

・新たな機器・設備を導入して使用するようになったところ、実際に労働能率が増進し、時間当たりの生産性が向上した。
・入退社の記録台帳を手書き台帳から、ICカードに切り替えたことで、始業、終業時刻を正確に管理できるようになり、業務量の平準化につながった。
・業務上の無駄について、外部の専門家のコンサルティングを実施。業務内容を抜本的に見直すことができ、効率的な業務体制などの構築につながった。

対象事業主

助成金支給対象となる事業主は、以下のいずれにも該当する中小企業事業主です。

・労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主であること
・年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
・交付申請時点で、下記の「成果目標」(1)~(4)の設定に向けた条件を満たしていること(いずれか1つ以上を選択)

成果目標

(1)36協定で定める時間外・休日労働時間数を縮減させること(月60時間以下、または月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行う)
(2)年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること
(3)時間単位の年次有給休暇を新たに導入すること
(4)交付要領で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇)のいずれか1つ以上を新たに導入すること

上記の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%、または5%以上引き上げを行うことを加えることができます。

助成対象となる取り組み(いずれか1つ以上を実施すること)

(1)労務管理担当者に対する研修
(2)労働者に対する研修(※1)、周知・啓蒙
(3)外部専門家によるコンサルティング
(4)就業規則・労使協定等の作成・変更
(5)人材確保に向けた取り組み
(6)労務管理用ソフトウェアの導入・更新
(7)労務管理用機器の導入・更新(※2)
(8)デジタル式運行記録計の導入・更新(※2)
(9)労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新(※2)
※1 研修には、業務研修も含みます。
※2 原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりせん。

「労働能率の増進に資する設備・機器」などの導入・更新についての具体例

・POS装置を導入し在庫管理の負担を軽減する(小売業)
・自動食器洗い機乾燥機を導入し食器洗い作業の負担を軽減する(飲食業)
・成分分析計を携帯形のものにし作業場と事務所間の移動時間を削減する(製造業)
・入出荷システムを導入し入出荷と在庫管理を連動させ業務の効率化を図る(倉庫業)
・業務システムを導入し生徒の成績管理等、業務の効率化を図る(学習塾経営)
・3DCAD専用機を導入し作図に要する時間を縮減する(設計業)など

助成額

助成額は“成果目標”の達成状況に応じて決定され、助成対象となる取り組みの実施に要した経費の一部が対象となります。最大490万円です。下記のいずれか低い額が支給されます。ただし、常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取り組みで(6)から(7)を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は、5分の4(80%)になります。

A:以下①~③の上限額および加算額の合計額
B:対象経費の合計額×補助率4分の3

①成果目標(1)の上限額(時間外・休日労働時間数の縮減)

②成果目標(2)の上限額(計画的付与の新規導入):50万円

③成果目標(3)(時間単位年休の導入)(4)(特別休暇)の上限額:それぞれ25万円

④賃金引き上げの達成時の加算額

【こちらの記事も】いくら受給できるか把握してる?簡単5分でわかる補助金・助成金診断でチェック&一覧で確認

申請の流れ

STEP1:交付申請書を11月30日までに提出

最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出しましょう。

【参考】「働き方改革推進支援助成金交付申請書」(様式第1号)[Word形式:47.0KB] / 厚生労働省

STEP2:交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施

事業実施は2023年1月31日までです。

STEP3:労働局に支給申請

事業実施予定期間終了した日から起算して30日後の日または2月10日のいずれか早い日が申請期限になります。

【参考】 「働き方改革推進支援助成金支給申請書」(様式第10号)及び「働き方改革推進支援助成金事業実施結果報告書」(様式第11号)[Word形式:41.0KB] / 厚生労働省

 

この助成金は国の予算に制約があるため、2022年11月30日以前に予告なく受付を締め切る場合があります。事業の取組の予定のある事業所は、早めの取組みをおすすめいたします。申請に不安がある方は社労士に支援いただくことも検討するとよいでしょう。

【参考】
『働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)』/ 厚生労働省
『働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)のご案内[PDF形式:865KB]』/ 厚生労働省

*emma / PIXTA(ピクスタ)

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