登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 人事・労務 > 多様化する働き方…新しいオフィスのあり方とは?課題や対応策を解説
Group,Of,Young,Asian,Business,Team,Creative,Businesspeople,Coworker,In

多様化する働き方…新しいオフィスのあり方とは?課題や対応策を解説

新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、テレワークやハイブリッドワークなど柔軟な働き方が広がりました。その一方で、生産性の向上や対面コミュニケーションの重視を目的に、テレワークを減らして出社を増やす企業も増加しています。『在宅勤務に関する実態調査2023(Ms-Japan)』によると、約7割の社員が週4日以上出社しているという結果も出ており、出社回帰が進んでいることがわかります。

オンラインの環境が整っていれば離れていても仕事をすることができるなかで、わざわざ出社を促すというのは、経営層が対面のメリットをより大きく感じているからでしょう。一方、社員にとってはテレワークのメリットは大きく、出社を強制すれば不満を招きエンゲージメントを下げてしまいかねません。出社が当たり前だった頃と比較し、出社の意味やオフィスのあり方が変わってきているといえるでしょう。そこで今回は、テレワークでどのような課題が顕在化し、どう対策していくべきなのか考えていきましょう。オフィスの意義や働く場としてどのような工夫が必要なのかを解説します。
【参考】在宅勤務に関する実態調査2023/Ms-Japan

アフターコロナで顕在化した課題

業種にもよりますが、パソコンとWi-FiといったITツールさえあれば、どこにいてもコミュニケーションが取れて仕事が進められるという点で、テレワークの普及は社会に大きなインパクトを与えました。

ところが、2022年5月に実施された東京商工会議所の『中小企業のテレワーク実施状況に関する調査』によると、テレワーク未実施企業における「テレワークを実施できない理由」として、以下のような課題が挙げられています。

  • 業務の生産性低下
  • 情報セキュリティ
  • 社内コミュニケーション

【参考】中小企業のテレワーク実施状況に関する調査/東京商工会議所

画面を通じた連絡が中心となるため、社内での気軽な相談や報告が難しく、コミュニケーション不足における課題を感じている労働者が多くなっています。経営者や管理職メンバーにおいても、部下の働く様子を見る機会が減ったことにより、メンバーの心理的なケアができないもどかしさや、職場に活気がなくなり不安を感じることも少なくないでしょう。このような背景により、出社に対するニーズも高まってきていると考えられます。

【こちらもおすすめ】参加者全員が経営者!課題解決のヒントを得られるライブオフィス見学ツアーレポート

多様な働き方に対応するオフィスの工夫とは

出社回帰の動きがあるとはいえ、テレワークを完全になくすことは働き手のニーズと乖離が生まれ、人材の流出にもつながりかねません。共同通信社の記事によると、テレワークが廃止された場合、在宅勤務をしている雇用者の16.4%、管理職の9.6%は「退職や転職を検討する(または既に退職、転職した)」と答えたようです。
【参考】廃止なら16%が退職検討 テレワーク意識調査/共同通信

この結果から、出社が重く捉えられていることが分かります。しかし、だからといって出社しなくていいようにするということも難しいものです。今後、企業としては多様な働き方に対応しつつ、マイナスに捉えられている出社をプラスに捉えてもらうような工夫が必要でしょう。オフィスとしても価値を高めていくことが重要です。オフィスは作業をする場所だけではなく、メンバー同士が交流を図り、新しいものを生み出すための空間であること、つまり出社したくなるようなオフィスづくりが求められているのです。

具体的には、次のような観点を盛り込んだオフィスづくりがポイントです。

1. 業務に集中できる環境が用途に応じて使い分けられる

単にデスクを並べるだけではなく、オンライン会議に参加できる空間、仲間と気軽に話せるスペース、集中して作業ができる場所など、用途に合わせた環境を整備することで効率化が図ることができ、生産性向上が期待できます。

昨今では、オンライン会議が増えたが、会議室が足りず、騒音を気にした社員が出社を控えるということがあるようです。用途に合わせたスペースがなければ、せっかくの出社意欲を下げてしまいます。

オンライン会議ができる集中ブースや、周りの音をゆるやかに遮るパーテーションなどを設置することで、オフィスのスペースを有効活用することができます。

2. アイデアが生まれやすい環境である

固定された机の配置や仕切られた会議室という閉ざされた空間だと、気軽にコミュニケーションが図れなくなります。些細な相談や声かけがしやすい開放感のある空間によってコミュニケーションが活性化され、アイデアが生まれやすくなるでしょう。異なる部署との交流もアイデアを生むための重要な要素の一つです。

ドリンクブースや複写機の場所などを複数個所に設置している場合は、一つの場所にまとめることで、さまざまな社員が集まる場をつくることができます。また、その近くにベンチを設置することで、ちょっとした会話ついでに話すきっかけにもなるでしょう。オフィスのレイアウトを工夫し、部署を超えたコミュニケーションを促してみましょう。

3. 社員が健康的に働ける場である

長時間同じ姿勢で作業を続けていると、社員の健康に影響を及ぼすのみならず、生産性も低下します。ときどき姿勢を変えても作業ができるようにしたり、作業の合間にリラックスできるような環境をつくることも大事なポイントです。たとえば、昇降式のデスクを取り入れることで、社員は、その日の気分や体調に合わせて作業できるようになるでしょう。

また、オフィスに緑を取り入れることで、リラックス効果を感じられるといわれています。“人材資本経営”が重要視されている現代では、社員が気持ちよく働ける環境を会社全体でつくっていく必要があります。社員にアンケートを取り、オフィスづくりを全員で考えてみてもよいでしょう。

【こちらもおすすめ】働きやすいオフィスは「社員全員」でつくる!オフィスカイゼン活動の進め方とは

まとめ

今回は、これからの時代におけるオフィスの意義や、働く場としてどのような工夫が必要なのかを取り上げました。

出社が当たり前だった時代は、オフィスは“箱”であり、仕事をするための場所という認識でしたが、コロナ禍を経て変わりつつあります。自宅でも仕事ができるなか、「どうすればわざわざ出社したくなるか?」を考えることが重要でしょう。社員が自宅で導入することは難しい設備があったり、コミュニケーションが取りやすい環境が整備されていると出社に魅力を感じてもらいやすいのではないでしょうか。

この記事をきっかけに、社員がいきいきと働けるオフィスが増えることを期待しています。

また、自社にとって最もよい空間づくりを検討したい方に向けて、コクヨではライブオフィス見学を実施しています。実際にコクヨ社員が働いているオフィスを見学することができ、働き方やオフィス空間にまつわるあらゆる課題への取り組みを五感で体感できるプログラムです。

ぜひライブオフィスを参考にして、新しいオフィスの形を創造してみませんか。

自社の働き方の課題を発見する“ライブオフィス見学”への参加はこちら

【オフィスの課題を見える化】働く環境診断「はたナビPro」お問い合わせはこちら

*metamorworks, polkadot_photo, David Gyung / shutterstock